そもそもCBDとは?どのような効果が期待できる?
CBD (カンナビジオール) とTHC (テトラヒドロカンナビノール) はともに大麻草等に含まれる天然の化合物です。
日本において麻 (ヘンプ) の歴史は古く、古来より繊維や食用、薬としてだけでなく神事においても欠かせないものです。
麻薬として知られているマリファナは、THCを多く含み主に産業用のヘンプとは区別されています。マリファナを摂ることで多幸感や酩酊感などを感じ気持ちを「ハイ」にさせる効果があるため多くの国で規制されています。
CBDとTHCは化学物質としての構造が似ていますが、CBDはTHCと異なる作用を示します。
またCBDにTHCのような精神作用や依存性がないことは、2012年イギリスの研究者らによって行われた研究などを含めた多くの研究によって証明されており、日本やアメリカをはじめ多くの国や地域で使用が認められています。
日本を含めて多くの国でヘンプもマリファナと同じように規制を受けた結果、長らくヘンプに含まれるCBDの持つ効能を研究することができませんでした。
しかし、CBDにはてんかんを抑える効果があることが明らかになり、大きく研究が進みました。アメリカでは、現在CBDはてんかんを抑える薬 (エピディオレックス) として認可されています。
CBDやCBDオイルはてんかんに作用する?CBDの薬は日本で合法?
これまでの研究により、CBDにはてんかんを抑える効果だけでなく痛みや不安を和らげる効果、リラックスさせる効果、眠気を誘う効果、皮膚の健康を保つ効果などが分かってきました。
話題沸騰中!CBDやCBDオイルの効果・効能や副作用を徹底解説!
どのようなCBD製品があるの?CBDソープとは?
アメリカでは、ヘンプの成分であるCBDがてんかんに効果があることが大きくメディアに取り上げられたことが後押しになりヘンプの認識が大きく変わりました。
現在では、2018年に農業法案 (Farm Bill) の改定を受けてアメリカの多くの州でCBDの製品化やヘンプ (麻) の栽培が合法化されました。
このような流れを受けて、アメリカでは多くのCBD製品が開発されました。今ではCBD製品は数百にもおよびCBD関連製品の売上は毎年伸び続けています。
CBDオイルやCBDグミ、CBDチョコレートなどの直接口からCBDを摂る製品が人気ですが、以外にもアメリカでは皮膚に塗って使用するローションやクリームも人気の商品です。
現在では美容用を目的としたCBDローションやニキビケア商品や日焼け止めなど、さまざまなスキンケア製品が次々と誕生しています。
CBDが配合されたスキンケア製品の美容効果は?シミやニキビにも効果的?スキンケア製品もいろいろありますが、CBDを配合したソープを使用することで、日常的にCBDの恩恵を受けることができるかもしれません。
CBDソープは一般的にCBDオイルが石鹸に配合されています。CBDオイルは、主にキャリアオイルとしてヘンプシードオイルやオリーブオイル、ココナッツオイルなどが使用されており、それら植物性オイルが持つ効能も享受できます。
CBDは皮膚にどのような効果があるの?
CBDは主にエンドカンナビノイド受容体として知られるCB2受容体に作用します。CB2受容体は全身に存在し、CBDにより刺激を受けると炎症を抑えることが知られています。
CBDやCBDオイルは炎症に効果がある?中毒症状や副作用はない?
CBDはCB2受容体以外に多くの受容体に働きかけることで、抗炎症作用だけでなく痛みや吐き気、不安を抑えたりする働きがあることが、2007年にニュージーランドの研究者らによって行われた研究で分かっています。
またCBDは、脂溶性 (油に溶けやすい性質) のため皮膚から浸透しやすく、口から摂ることだけでなく皮膚に塗ることによっても効果を発揮します。
CBDは、皮膚に存在する様々な受容体に働きかけることが分かっており、CB2受容体や炎症や痛みに関わるTRPV1受容体、皮脂分泌などに関わるTRPV4受容体などに作用します。
CBDはこれらの受容体に働きかけることで炎症や痛みを抑制し、皮脂細胞の増殖を妨げることで皮脂の分泌を抑制する効果があることが、2018年にコロラド大学の研究者らによって示されています。
このようなCBDの抗炎症効果や皮脂を抑える効果は皮膚トラブルにさまざま恩恵を与える可能性を秘めています。
まだ規模の大きい臨床研究の結果が出ておりませんが、CBDにはさまざまな皮膚症状を緩和させる可能性があります。
CBDには、乾癬やアトピー性皮膚炎、アンチエイジングにも効果的?
乾癬とアトピー性皮膚炎の患者にCBDクリームを1日2回してもらうことで皮膚症状 (水分量や弾力、自覚症状など) が有意に緩和したことが、2019年にイタリアの研究者らの実験によって報告されています。
また同実験では、使用中に刺激性やアレルギー反応も認められませんでした。
この結果、CBDソープは、湿疹や乾癬を含む多くの炎症性疾患の緩和に大きな可能性を秘めていることがわかります。
多くの人が特に興味を持っているのが、CBDのアンチエイジング効果です。 研究によると、CBDが持つ抗酸化作用すなわち酸化ストレスから細胞を守る効果で、シワやたるみ、肌のくすみなどの老化のサインを遅らせることができるかもしれません。
紫外線の成分であるUVAはシワやたるみの原因になり、UVBはしみや炎症の原因となります。よくある症状としてUVBは日焼けを引き起こします。
UVAは、日焼けのようにすぐに目に見えた影響を与えませんが、加齢とともにその影響が徐々に現れます。
波長の短いUVAは肌の奥 (真皮) まで届き肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンを破壊することでシワやたるみの原因になります。
2019年にポーランドの研究者によって行われた最新の研究報告では、CBDによってUVAおよびUVBから皮膚が守られたということです。
また、同研究の結果、CBDには酸化ストレスから防御する一部の遺伝子の活性を高めました。また炎症を起こす遺伝子の活性を抑えることも分かりました。
さらにUVAとUVBの照射により生じる過酸化脂質 (脂質が酸化ストレスで酸化された物質) ができるのを防ぐ効果が認められました。
よってCBDは日光から肌を守る作用があり、このようなCBDの効果がアンチエイジングにつながる可能性があります。
CBDやCBDオイルは若返り効果がある?アンチエイジング作用も?
またCBDソープは日焼け後の痛みや赤みなどの症状にも効果が期待できます。特に肌が弱い人にとっては海水浴などのアウトドアレジャーの後の日焼けによる痛みや赤みは辛いものです。
CBDが持つ鎮痛作用により入浴時の日焼けに伴う激しい痛みを和らげてくれるでしょう。
CBDの鎮痛作用とは?アメリカで話題沸騰中のCBDクリームを紹介
CBDがニキビに与える効果とは
ニキビや吹き出物は、顔や頭皮だけでなく皮脂の分泌が盛んな背中にもできることがあります。ニキビの引き金となる要因は複数ありますが、炎症や過剰な皮脂の分泌が原因であることが分かっています。
CBDには抗炎症作用や皮脂を抑える効果がありニキビや吹き出物に有効であることが、2018年にアメリカの研究者らによって示されています。
さらにCBDのキャリアオイルには、オメガ3、6、9などの必須脂肪酸が多く含まれています。皮膚から分泌される皮脂の質を調整する脂肪酸として知られるリノール酸も高濃度に含まれています。
これらの脂肪酸が肌をコーティングしてくれるので、肌を柔らかく滑らかに保つことができるでしょう。
CBDやCBDクリームはにきびやアトピー、湿疹、痛みに効く?
CBDソープは合法なの?CBDソープの注意点とは?
CBDが様々な症状に有効な可能性を示す新しい研究や証拠が日々発表されており、アメリカの多くの人は、日常生活にCBDを積極的に取り入れています。
しかし、CBDを研究している科学者の多くは、まだCBDの研究は小規模のものが多く効果を実証するには、より大規模な試験で決定的な確証が必要であると考えています。現在のところまだ、1回の使用でどれくらいの量のCBDが必要かというコンセンサスはまだありません。
なお、CBDをスキンケアに使用しても刺激性はなく目立った副作用も報告されていません。またCBDソープを使用してもCBDは局所的に作用し、血管にはほとんど移行しないためCBDを体に取り込みたくない人でも安心して使用できます。
CBDはアメリカのほとんどの州で合法であり、FDA (アメリカ食品医薬品局) によってもCBDソープの使用は認められています。
CBDは自然由来の成分であるところも、オーガニック志向の強いアメリカで支持されている理由の1つです。特に化学物質に敏感な方は、オーガニックのCBDソープを選択することもできます。
CBDソープだけでなくCBD製品の購入の際はCBDの純度や配合量が第三者機関の認証を受けていることをラベル等に記載されている内容を確認しから購入するようにしましょう。
CBDソープを使用している人たちのほとんどは肯定的な意見を投稿しています。特に乾燥肌やニキビに効果を感じている人が多いようです。特にこのような症状が気になる方は試されてみてはいかがでしょうか。
関連文献
- Acute effects of a single, oral dose of d9-tetrahydrocannabinol (THC) and cannabidiol (CBD) administration in healthy volunteers
- The Cannabinoid CB2 Receptor as a Target for Inflammation-Dependent Neurodegeneration
- Cannabinoids in dermatology: a scoping review
- A therapeutic effect of cbd-enriched ointment in inflammatory skin diseases and cutaneous scars
- Cannabidiol Regulates the Expression of Keratinocyte Proteins Involved in the Inflammation Process through Transcriptional Regulation