CBDやCBDクリームとは?ハイにならない?
CBDとは、カンナビジオールとも呼ばれる化合物で、大麻草の茎や種子から抽出される成分です。
大麻草から抽出される成分と聞くと、大麻やマリファナが想像されるため、CBDには人をハイにさせたり陶酔させたりする作用があるのではないかと心配する人もいるでしょう。
しかし、CBDは非精神活性の化合物であり、人をハイにさせたり依存させたりする麻薬のような作用は一切ありません。
一方、大麻草の葉や花穂からは、THC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれる化合物が抽出されます。大麻草が持つ人をハイにさせる精神活性作用はこのTHCの作用によるものです。
CBDとTHCは、どちらも同じ大麻草の植物から自然発生するため、同じようなものなのではないかと勘違いする人も多いですが、実際には抽出される部位もそれぞれが持つ化学構造式も性質も全く違います。
THCを一定以上含むものは日本では違法なのに対して、陶酔作用のないCBDは合法ですので、CBDオイルやCBDクリームのようなCBD製品を使用しても法的に何の問題もありません。
また、CBDは、大麻草だけでなくオレンジからも抽出される安全性の高い成分であり、CBDには様々な健康効果があるのではないかと注目されているため、くれぐれもCBDとTHCを混同しないようにしましょう。
CBDはどのように炎症を軽減する?
CBDには抗炎症作用や抗菌作用があると考えられていて、痛みや炎症、水ぶくれなどに効果を示す可能性があります。
CBDの抗炎症作用の研究
2008年の研究では、CBDがマウスの1型糖尿病の発症を予防することが分かりました。
糖尿病と炎症反応は、一見無関係に見えますが、1型糖尿病は炎症性の自己免疫疾患として知られていて、膵臓の細胞に自ら炎症を起こし、攻撃することによって発症すると言われています。
つまり、マウスの研究によって1型糖尿病の発症を予防できたということは、CBDに抗炎症作用がある可能性が高いということです。
また、2013年の研究では、CBDが多発性硬化症のマウスの炎症を防ぎ、症状を軽減したことも分かっています。
これらの研究からCBDが抗炎症作用を持ち、様々な疾患の炎症を軽減できるのではないかと期待されているのです。
CBDやCBDオイルは炎症に効果がある?中毒症状や副作用はない?CBDの抗菌作用の研究
院内感染の大きな原因となるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対して、CBDが抗菌作用を持つことが報告されています。
研究によると、CBDが従来の抗生物質よりも効果的にMRSAを殺菌することができたという結果になりました。
このようにCBDによる強い抗菌作用が期待されていますが、様々な細菌に対して効果的な抗菌作用を示すことができるかどうかを証明するにはさらなる研究が必要です。
CBDの抗炎症作用や抗菌作用はどのように作用するのか
CBDの抗炎症作用や抗菌作用のメカニズムについてはまだ解明されていないところが多々あり、今後より多くの研究が必要ですが、現在考えられているメカニズムを以下に示します。
炎症を起こす酵素を阻害する
CBDは、COX2(シクロオキシゲナーゼ2)と呼ばれる酵素を阻害することにより抗炎症作用を現すことが考えられています。
COX2は炎症や痛みを起こす物質を作る時に働く酵素です。この酵素を阻害することにより、炎症を起こす物質を抑制することができ、炎症や痛みを緩和することができます。
ドラッグストアなどで売られているアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる解熱鎮痛剤も、COX2を阻害することにより、鎮痛・抗炎症・解熱効果を現しています。
サイトカインを阻害する
サイトカインは炎症を引き起こすたんぱく質です。CBDはこのサイトカインを減少させることにより抗炎症作用を現すとも考えられています。
脳に作用して身体のバランスを取り戻す
CBDは、体の中のシステムであるエンドカンナビノイドシステム(ECS)に作用することが証明されています。
ECSとは身体を調節する機能で、たとえ外部の環境の変化があっても体内環境を一定に保つために身体のバランスを整えたり、抗炎症作用を活性化したりするシステムです。
ウイルスや細菌が体内に侵入してもしばらくすると身体がもとの健康な状態に戻るのは、このECSが働いているからだと言えます。
つまりこのECSの作用を高めることができるCBDは、結果的に有害な細菌や感染源を身体から取り去る抗菌作用があると考えられるでしょう。
CBDやCBDオイルはウイルスに効果がある?新型コロナには作用する?CBDやCBDクリームを足に塗っても良い?副作用はない?
CBDやCBDクリームは足に塗布しても問題ありません。CBDクリームの中にはCBDフットクリームという足専用のクリームも実際に販売されています。
CBDやCBDクリームを足に塗った時の効果とは
CBDやCBDクリームを足に塗布する理由は多くの場合、CBDの抗炎症作用による痛みの緩和を目的としています。
たとえばアスリートや筋肉痛がある人がCBDやCBDクリームを足に塗り痛みを取ったり、立ち仕事などで疲労した足を癒すために足の裏にCBDやCBDクリームを塗ったりするのが一般的です。
また、肌の赤みやかゆみ、湿疹などの炎症を抑える際にもCBDクリームが使われることもあります。
CBDオイルやCBDクリームはにきびや湿疹に効く?塗り方は?CBDクリームには、製品によってCBDのほかにメントールなどの冷却成分やカプサイシンなどの保温成分、またラベンダーなどのエッセンシャルオイルや保湿成分などが含まれています。
自分の足の状態に応じて適切なCBDクリームを選び、痛みや炎症が起こっている場所に塗布するようにしましょう。
CBDを足に塗ったときに考えられる副作用とは
CBD製品を口から摂取すると、全身作用をもたらすことから強い眠気、下痢、食欲減退、イライラ感などの副作用を引き起こすことが報告されています。
しかし、これらは必ず起こる副作用ではありませんし、いずれも症状が軽度であるため、過剰に恐れる必要はありません。
また、足の皮膚に塗布するなど外用として使えば局所作用になりますので、全身性の副作用が起こる可能性は非常に低いということも覚えておきましょう。
さらに、CBDを口から摂取すると他の医薬品と相互作用を起こす可能性がありますが、CBDを外用として使う場合には相互作用は問題にならないとも言われています。
ただし、CBD自体ではなくCBDに混ぜられている他の成分によって副作用が引き起こされたり、相互作用が起こったりする可能性はあります。
そのため持病があったり、何かすでに服用している医薬品がある場合にはかかりつけの医師に相談してからCBD製品を使用するようにしてください
CBDクリームを塗る際の注意点は?
CBDクリームは作用が局所的なため、使用する量に関してはそれほど心配する必要はありませんが、CBDクリームを足に初めて塗布する際は、CBDクリームの効果を確かめながら使用するようにしましょう。
CBDクリームを塗布することで、アレルギーが疑われるような反応が出たり、不快な症状が出た場合には、CBDクリームのブランドを変えてみたり、かかりつけの医師に相談するようにしてください。
関連文献
CBDやCBDクリームの足への作用に関して皆様から頂いた質問
CBDやCBDクリームを足に塗ることができますか?(20代女性)
CBDやCBDクリームは足に塗布しても問題ありません。CBDクリームの中にはCBDフットクリームという足専用のクリームも実際に販売されています。
CBDやCBDクリームを足に塗った際に、どのような作用を得られますか?(30代女性)
CBDには抗炎症作用が期待されているため痛みの緩和・肌の赤みやかゆみ・湿疹などを抑える作用があるのではないかと考えられ研究が行われています。しかし、CBDの抗炎症作用については、現在も研究段階であるため、今後の研究に期待しましょう。
CBDやCBDクリームには抗菌作用はありますか?(40代男性)
院内感染の大きな原因となるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対して、CBDが抗菌作用を持つことを示唆する研究結果があります。このことから、CBDによる抗菌作用が期待されていますが、様々な細菌に対して効果的な抗菌作用を示すことができるかどうかを証明するにはさらなる研究が必要です。