CBDは睡眠の質を上げて睡眠障害や不眠を緩和する?睡眠薬とは違う?

CBDは睡眠の質を上げて睡眠障害や不眠を緩和する?睡眠薬とは違う?

不眠症や睡眠障害は多くの人が悩む現代病ですが、CBDはそのような睡眠の悩みに効果があると言われています。CBDが睡眠を改善するメカニズム、睡眠薬を服用する時との効果の違い、睡眠の質を上げるCBDの摂取の仕方などを解説します。

不眠症や睡眠障害とは?なぜ引き起こされる?

何らかの原因で睡眠に問題が生じ、日常生活や社会生活に支障が出るのが睡眠障害です。

睡眠障害はその原因や症状によって、実にさまざまな種類がありますが、中でも代表的なものが不眠症です。

不眠症は、夜寝つきが悪い、眠りが浅い、睡眠時間が短いなどの症状から、日中の眠気や注意力散漫、疲れなどの体調不良をきたすものです。

日本人の5人に1人が不眠の症状を抱えているとも言われます。

不眠の原因として、ストレス、生活リズムの乱れ、アルコールや薬剤の副作用などがあります。

また、頭痛、アトピー性皮膚炎、感染症といった身体疾患を抱えている方や、うつ、統合失調症などの精神疾患、自閉症スペクトラム障害などの発達障害を抱えている方にも、不眠や睡眠障害の症状は出やすいと言われています。

睡眠は心身の活性化や安定に非常に深く関わっています。睡眠時間の著しい不足は重篤な病気や老化を促進する場合もあり、たかが不眠と軽視できない恐ろしさがあります。

不眠症や睡眠障害はその種類や原因によって治療方法が変わりますが、そのような症状を抱える方の多くに処方されるのが睡眠薬 (睡眠導入剤) です。

睡眠導入剤は脳の神経細胞の興奮を抑えることで精神を安定させ、脳が眠りやすい状態を作ります。
しかし、睡眠導入剤は副作用があることでも知られ、日中眠気が残ったり、頭痛がしたり、ふらつきや転倒の原因になったりすることがあります。

また、少量では効かなくなって服用量が上がり副作用が強く出てしまったり、睡眠導入剤がないと眠れなくなってしまったりと、耐性や依存性が出やすいリスクもあります。

CBDやCBDオイルはどのように不眠症や睡眠障害を緩和する?睡眠薬(睡眠導入剤)との違いは?

CBDオイルなどのCBD製品が、不眠症や睡眠障害を緩和するのではと期待されています。

なぜそういう説が出ているのでしょうか。

CBDが生体に作用するメカニズムが、その説を裏付けるカギとなります。

精神にプラスに働くエンドカンナビノイドシステム (ECS)

まず、CBDの生体への効果を語る上で、避けては通れないシステムがあります。

それが、エンドカンナビノイドシステム (ECS) です。

ECSはヒトの恒常性やさまざまな機能維持に関わる重要な生体システムであり、生体内に内在する内因性カンナビノイドがカンナビノイド受容体に結合することで起こる、シグナル伝達反応の総称です。

カンナビノイド受容体にはCB1, CB2というふたつのタイプがあり、それぞれ脳神経、末梢神経を中心に、生体内に広く分布しています。

脳神経に広く分布するCB1は、気分の向上やリラックスなど、精神面に深く関わりがあります。

CBDはECSに作用します。CBDが直接CB1やCB2に結合するわけではありませんが、生体内の内因性カンナビノイドを活性化することで、ECSの働きを増進させます。

実際に、2012年にドイツの研究者たちによって、CBDが内因性カンナビノイドの一種であるアナンダミドの分解を抑制し、またアナンダミドのシグナル伝達効果を促進する、ということが明らかになりました。

アナンダミドは一般的に「幸福の分子」と呼ばれる因子です。即ち、CBDはアナンダミドを起点とするエンドカンナビノイドシステムに関わり、精神の安定やリラックス効果をもたらしているということが考えられます。

CBDのリラックス効果が睡眠を促進する

CBDのリラックス効果に関わるものはアナンダミドにとどまりません。

別の研究では、CBDがセロトニンという神経伝達物質と結合する、5-HT1A神経受容体を活性化することが明らかになっています。

セロトニンは、不安の抑制や気分の安定をもたらすとされ、セロトニンの効果を高めることが不安障害やうつ病の改善にもつながります。

現に、SSRI (セロトニン選択的再取り込み阻害剤) という薬は、セロトニンの効果をより高めるよう作用し、精神の向上をもたらします。

CBDも同様にセロトニンの働きを促進することで、リラックス効果をもたらすことが期待できます。

CBDのリラックス効果は、睡眠にも大きく影響します。

実際にCBDが睡眠に影響することを示した報告もあります。2019年の報告よると、不安の症状から不眠などの症状を訴える72人の成人に対してCBDを処方したところ、67%の人が1ヶ月の間に不眠の改善がみられました。

CBDは他の症状からくる不眠にも効果が期待できる?

先に説明した通り、頭痛や関節痛、アトピー性皮膚炎など湿疹によるかゆみ、うつ病などの精神疾患など、他の病気の症状が原因で不眠・睡眠障害が起こっている場合もあります。

そのような場合にも、CBDが役に立つ可能性があります。

CBDは炎症の抑制、痛みやかゆみの緩和、上で説明したような精神の安定など、さまざまな効果をもたらします。

そのため、例えば痛みで眠れない方でも、CBDが眠れない原因となっている痛みを緩和し、張りつめた精神もリラックスさせてくれるため、安心して眠りにつくことができるでしょう。

また、近頃話題となっている発達障害も、不眠を引き起こす大きな要因とされています。

自閉症スペクトラム障害という発達障害のある子供にCBDオイルを投与したところ、71.4%の子供の睡眠が改善されたという結果が出ました。

このように、不眠・睡眠障害を引き起こすさまざまな病気や症状についても、CBDは効果が期待できるのです。

他の病気が原因で不眠になっている場合、その原因となる病気の治療を行うことが必要不可欠です。しかし、そのような場合でも、CBDを補助的に使うことによって、より少ない副作用で早い回復が望めるかもしれません。

ただし、他の病気の治療や薬の服用を行っている方がCBDを摂取する際は、必ず事前に医師に相談するようにしてください。

CBDには睡眠導入剤のような副作用やリスクが少ない

不眠症や睡眠障害の治療には、よく睡眠導入剤が処方されます。しかし、先に説明した通り、睡眠導入剤には副作用や依存性などのリスクがあります。

一方で、CBDはそのようなリスクはとても少ないと言われています。大麻成分の一種とされているCBDですが、マリファナと違って依存性はありません。

また、CBDには口渇、低血圧、立ちくらみといった副作用があるという報告はあるものの、そこまで重篤な症状はないとされています。

そのため、睡眠導入剤のようなリスクが少なく、安心して使えることもCBDのメリットではないでしょうか。

CBDやCBDオイルを摂取することで日中眠くならない?

睡眠導入剤を服用した時、日中にも眠気が続くという副作用が出る場合があります。

そのため、CBDを摂取した場合も同様に日中に眠くなるのでは?と心配する方もいるかもしれません。

確かに、CBDの副作用として、眠気が出る可能性を指摘する声もあります。しかし、一方でCBDは心身のエネルギーを高め、気持ちが前向きになったり集中力が高まったりする効果があることも知られています。

そのため、仕事中など大事な場面の前にCBDを摂取する方もいます。

実際に、ラットの睡眠パターンに対するCBDの影響を調べた実験では、日中にCBDを摂取するとラットが元気になったのに対し、夜摂取するとラットは眠くなるという結果が出ました。

この結果は一見矛盾しているようにも思えます。しかし、目的や時間帯によってその効能が変わるのが、CBDの大きな利点とも言えます。

では、なぜこのような違いが生じるのでしょうか。

さまざまな説がありますが、その中のひとつにアデノシンという物質とCBDとの関係性が挙げられます。

アデノシンは日中に脳内に蓄積し、睡眠に関わるとされる物質ですが、CBDはこのアデノシンの経路を調節する働きがあることが示されています。

また、神経伝達物質であるセロトニンは、気持ちを向上させたり集中力を高めることで、パフォーマンスを上げる効果があります。一方で、夜間にはセロトニンはメラトニンという眠りを促進する物質に変換されます。

そのため、CBDがセロトニンの働きを高める作用が、日中は覚醒し夜は眠りやすくなるサイクルに関わっていると考えられます。

しかし、CBDの効き方には個人差があるため、思ったような効果が得られない方もいるかもしれません。

そのような場合は、集中力を高めたい時にはCBDを朝や日中に摂取し、眠りたい時には就寝前に摂取するといったように、目的に応じて摂取する時間帯を分けるとより良い効果が出る可能性があります。

さらに、CBDの摂取量によっても、その効果が変わるという説があります。つまり、CBDを少量摂取すると神経が活性化されますが、多量に摂取するとリラックス効果によって眠気が増します。

実際に、不眠症の方に160mgという高用量のCBDを投与すると、睡眠時間の延長がみられたというデータもあります。

そのため、もしCBDを摂取することで日中も眠くなってしまうという方は、昼夜の時間帯によってCBDの摂取量に変化をつけると、日中はすっきりとし夜は眠くなるという風に、効果に明確な違いが現れるかもしれません。

睡眠の質を上げるためにCBDを摂取する場合、どんなCBD製品を選べばよい?おすすめの摂取方法や持続時間も解説!

CBDに関連する製品にはさまざまな種類があり、それぞれの特性によって摂取の仕方も異なります。また、その摂取方法によって、効果の持続時間など生体への影響の仕方も異なります。

経皮摂取

CBDクリームや経皮パッチ、ジェルなどで皮膚から直接CBDを取り込ませる方法です。

皮膚からCBD成分が浸潤し、付近の組織・細胞・毛細血管に入り込みますが、成分が全身に行き渡らないため、効果は限定的なものになります。

一方で、持続時間は5時間以上 (経皮パッチの場合は24~48時間) と比較的長いのも特徴です。

皮膚や関節の痛み、湿疹によるかゆみなど、局所的な使用目的では効果が期待できます。

経口摂取

CBDを配合したカプセルや、グミやキャンディといった食品や飲料 (エディブル) を通じて、口からCBDを取り込む方法です。

CBD入りの食品や飲料はお菓子やスポーツドリンクなど種類が豊富で、またさまざまな味付けが選べるものもあり、楽しみながら摂取できる利点があります。

持続時間もカプセルの場合4~6時間、エディブルは最大12時間とそれなりに長いですが、一方で生体への吸収効率が非常に低いデメリットもあります。

舌下摂取

CBDオイルを摂取する時によく使われるのがこの舌下摂取です。口から摂取するという意味では経口摂取の一種とも言えますが、舌下摂取では飲みこむ前に舌の下のところにCBDオイルを垂らし、90秒程度置きます。

CBDの成分は舌下から毛細血管に入り、小静脈から消化器官や肝臓を経由し、全身に巡ります。そのため、経口摂取よりもはるかにCBDの吸収効率は高いと言われています。持続時間は4~8時間です。

吸入摂取

リキッドタイプのCBDをVAPE (電子タバコ) で気化させ、吸引する方法です。

気化したCBDは肺の毛細血管から全身を巡り、吸引後数秒~数分で効果が現れ、またCBDの利用効率もかなり良いと言われています。

そのため、早く効果を得たい時には有効な方法と言えますが、一方で持続時間が短く30分~1時間程度と言われています。

睡眠の質を上げるにはどの摂取方法が良い?

では、不眠や睡眠障害を緩和したり、睡眠の質を上げるには、どの摂取方法を選ぶと良いのでしょうか。

一般的には、CBDの利用効率と持続時間のバランスが良い舌下摂取がおすすめです。不安やうつなど、精神的な症状からくる不眠にも、舌下摂取は効果が期待できます。

炎症による痛みや湿疹によるかゆみなど、局所的な身体の要因で眠れない場合には、経皮摂取が効果的です。

患部にCBDを作用させることで痛みやかゆみが軽減されます。経皮摂取と舌下摂取を組み合わせると、より良い効果が得られるかもしれません。

一方で、CBDの利用効率が低い経口摂取や持続時間が著しく短い吸引摂取は、睡眠の対策にはあまり向きません。

使用するCBD製品としては、舌下摂取用にCBDオイル、経皮摂取用にCBDクリームやパッチなどを選びます。

CBDにはさまざまな摂取方法があり、それぞれでメリット・デメリットが異なります。ご自身の目的に合わせて、最適な摂取方法を選択するようにしましょう。

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