他にもこんな成分が効果的!セロトニンを効果的に増やせる成分は?
セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されるとお伝えしました。
そのため、トリプトファンの摂取が重要ではあるのですが、他にセロトニンを増やすのに効果的な成分はあるのでしょうか。
ビタミンB6
ビタミンB6は補酵素としてアミノ酸の代謝に関わることで、多くの生体機能に貢献しているビタミンです。
ビタミンB6の働きは、免疫機能、皮膚の抵抗力、血中のヘモグロビンの合成、脂質代謝など多岐に渡りますが、セロトニンの合成にも大きく関与しています。
そのため、ビタミンB6を多く含む食品を食べることで、より効果的にセロトニンが増やせると考えられます。
ビタミンB6が多く含まれる食品には、まぐろ、かつお、レバー、バナナなどがあります。
マグネシウム
マグネシウムは神経伝達物質の放出する時に不可欠です。
マグネシウムが多く含まれる食品には、わかめ、昆布、干しえび、切り干し大根、五穀米などがあります。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の一種であり、さまざまな生体機能において重要な役割をもっています。
ナイアシンが不足すると、トリプトファンがその合成に使われてしまい、セロトニン合成ができなくなってしまいます。
よって、ナイアシンを多く含まれる食品を摂取することも、適切なセロトニン量を維持するうえでは重要といえます。
ナイアシンはかつお、まぐろ、たらこ、豚レバー、乾燥しいたけなどに多く含まれます。
セロトニンを過剰に増やしても大丈夫?副作用はない?
セロトニンは私たちにとって非常に重要な物質ですが、生体での量が増えすぎたり過剰に働いたりしても問題はないのでしょうか。
実は、医療現場などではSSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害剤) など精神薬の服用によって、セロトニンによる悪影響も報告されています。
SSRIは神経細胞の間の部分 (シナプス間隙) に放出されたセロトニンが再び細胞に取り込まれるのを阻害することで、セロトニンの効果を高める作用があります。このように、精神薬にはセロトニンの働きを促進するものが多くあります。
しかし、そのような精神薬の過剰摂取や他の薬との飲み合わせが原因で、精神や自律神経、身体などに異常な症状が現れることがあります。これはセロトニン症候群と呼ばれています。
また、先述の通りセロトニンは腸にも多く存在しており、過剰に働くと下痢などの症状が現れることもあります。
このように、とても重要なセロトニンですが、やはり過剰に増えたり働きすぎたりすると良くない症状を起こしてしまう可能性もあります。
普段から規則正しい生活リズムや食生活を意識し、セロトニンが適時適切に働くようにコントロールする必要があるでしょう。
また、精神薬を服用している方も、薬の量や飲み合わせについては医師と相談しながら行うことが大切です。
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