セロトニンを増やす方法7選!トリプトファンが鍵?
このように、セロトニン不足は深刻な問題を引き起こします。
では、そのような問題を回避するべく、体内のセロトニンを増やすには一体どのような方法が有効なのでしょうか。
ここで、ポイントを7つご紹介します。
一定のリズムのある動作
人間は一定のリズムに合わせた動きに落ち着くと言われています。
音楽に合わせたストレッチ、歩行や咀嚼といった行動もセロトニンを活性化させるのに良い運動や動作と言われています。
また、お行儀はあまり良くない印象があるため場所は選ぶ必要があるかもしれませんが、貧乏ゆすりやペン回しのような動作も、セロトニンが活性化し情緒を安定させることに一役買います。
また、ガムを噛むことや食事中よく噛んで食べることも、セロトニン分泌には良いでしょう。
数年前にブームになったハンドスピナーは、病気や障がいを抱える方の支援やリハビリの現場でも使用されているアイテムでもありました。
一定の速度で回り続ける運動性や、回転中のベアリングの擦れるサーという音に、情緒を安定させる効果があると考えられているためです。
適度な運動
ウォーキングや軽めのランニング、サイクリングなど、適度な運動は身体にも良いですが、セロトニンを活性化するため精神にも良い効果を与えるとされています。
これらの運動を行う場合は、繁華街などは光や音の刺激で気を削がれてしまいますので、人気が少なく自然の多いのどかな雰囲気のところで行うと良いでしょう。
また、同じ運動でも、過度な集中力が必要とされたり、技能習得までにストレスがかかるような激しいダンスやスポーツはあまり適さないと言われています。
セロトニンを考えるのであれば「適度な」という言葉を念頭に運動を行うと良いでしょう。
日光を浴びる
朝起きて太陽光を浴びると、セロトニン分泌が活性化され、脳と体が覚醒されます。
そのため、早寝早起きといった規則正しい生活をすることが重要です。
また、仕事などの都合で夜型の生活になっている人も、なるべく日中起きて出歩くなどの工夫をすることが大切でしょう。
効果的な食べ物
規則正しい食生活もセロトニンには重要です。
中でも、セロトニン合成に重要なものは、トリプトファンという必須アミノ酸です。
トリプトファンは乳製品やマグロやカツオなどの魚類、卵などの植物性食品、味噌や醤油、納豆、豆腐、ナッツ類、小麦や胚芽などの植物性食品に多く含まれています。
しかし、ここでご注意いただきたいのは、先述の通りトリプトファンを摂取したいからといって高タンパク・高アミノ酸の食品を過剰摂取すると、かえって脳内のセロトニン合成が阻害されてしまうことです。
適量を守ることが大切です。
人と触れ合う
人と交流するのも、心を安心させ前向きにするのに大切です。
それは、人と触れ合うことで、オキシトシンというホルモンが分泌され、セロトニン分泌を促進するためだと言われています。
親しい間柄であれば、スキンシップを取るのも効果的でしょう。
しかし、メールやSNSでの交流は、人と人との触れ合いにはならず、オキシトシンもセロトニンも活性化されません。
デジタル化・グローバル化が進み、人と人との関係が希薄になっていると言われる現代ですが、こんな時代だからこそ積極的に人と会うようにしてみてはいかがでしょうか。
寝る前にスマホを見ない
人間は夜間、光を受けなくなると、セロトニン活性化が抑制され、代わりにセロトニンがメラトニンに変化し、眠りを誘発します。
この繰り返しが、一日一日の生活リズムを作り出しているというのは、先ほど説明した通りです。
しかし、寝る前に手持ち無沙汰でスマホを見たりしてしまうと、このリズムが崩れてしまい、結果的に浅い眠りや不眠の原因となってしまいます。
どうしてもスマホを触りたくてもベッドに入るまでにし、床に就く前にはスマホをテーブルの上に置くなどして、触らないようにすると良いでしょう。
サプリメントで補う
規則正しい生活リズムや食事がセロトニンの安定した供給には重要ですが、仕事などでどうしても不規則な生活や偏食傾向になっている人も多いと思います。
そのような方は、サプリメントを補助的に使用するのもおすすめです。
セロトニンなど精神や神経に関わる物質の働きを促進するためには、医師が処方する精神薬を服用しなければいけないというイメージがあります。
しかし、近年では精神への作用が期待できる市販薬やサプリメントも販売されています。
とはいえ、そのような薬やサプリメントにはセロトニン自体が配合されているわけではなく、セロトニンの産生や効果を高めるような漢方や栄養素が含まれているのが一般的です。
注目されている成分の一つとして、トリプトファンがあります。
先述の通り、トリプトファンはセロトニンの材料となるアミノ酸です。そのため、トリプトファンが配合されたサプリメントは幅広く販売されています。
また、トリプトファンは生体内でセロトニンになる前に、5-ヒドロキシトリプトファン (5-HTP)という物質に変化します。
つまり、5-HTPからもセロトニンは合成されるため、アメリカなどでは5-HTP配合のサプリメントも人気があります。
しかし、日本では現状、5-HTPは医薬品に認定されているため、サプリメントとして一般で購入することはできません。
にもかかわらず、海外で製造された5-HTP入りのサプリメントなどが、日本で流通しているケースがあります。
例えば2016年の千葉県の調査では、インターネットや店舗で一般販売されていたサプリメントから5-HTPが検出されました。
このように、法律的にアウトな製品も出回っている可能性がありますので、サプリメントの購入を検討している方は十分に注意をしてください。
また、サプリメントの過剰摂取は副作用や悪影響を招く恐れもありますので、食事との兼ね合いも考えながら摂取量には気をつけるようにしましょう。
セロトニンを増やすためにはCBDも良い?おすすめサプリメントもご紹介!
ここまで解説してきたように、セロトニンは人間の心身に大きく影響し、不足すると深刻な病気や症状の引き金にもなる重要な生体物質です。
ここで、セロトニンの活性を高める手助けをしてくれるとして、期待されている成分があります。それは、CBDという物質です。
CBDは正式名称をカンナビジオール (Cannabidiol) といい、麻 (ヘンプ) に含まれる成分です。
CBDは精神のリラックス作用をはじめ、生体内への良い効果が多数確認されていることから、近年日本でも注目を集めている成分です。
CBDが精神をリラックスさせる理由に、セロトニン受容体への関与が挙げられます。
例えば、2014年にブラジルで行われたマウスの研究では、CBDがセロトニン受容体のタイプである5-HT1A受容体を活性化し、セロトニンの働きを高めることが示されています。
このようなCBDのセロトニンを活性化する働きは、セロトニン不足によって引き起こされる病気や症状の改善にも役立つと言われています。
次節では具体的にどのような作用があると示唆されているのか紹介します。
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