CBDやCBDオイルは筋肉痛に効果がある?いつ摂取するのが良い?

CBDやCBDオイルは筋肉痛に効果がある?いつ摂取するのが良い?

スポーツは健康維持やストレス発散に非常に効果的です。しかし筋肉痛が長引くと日常生活にも影響が及びます。CBDやCBDオイルは筋肉痛にも効果がある可能性があります。運動時にCBDを摂取するメリットやベストな摂取のタイミングについて解説します。

CBDやCBDオイルとは?

CBDは大麻草などから抽出されるカンナビノイドと呼ばれる天然成分の一種です。CBDオイルは抽出されたCBDをココナッツオイルやオリーブオイルなどのキャリアオイルと混合したCBD製品です。

人の体内には2-AGやアナンダミド(AEA)などの内因性カンナビノイドが分泌されています。これらは全身に存在するCB1やCB2などのカンナビノイド受容体に作用することで、免疫系や神経系などの調節を行います。

これはエンド・カンナビノイド・システム(ECS)と呼ばれます。

CBDは摂取しても体内で直接カンナビノイド受容体に作用することはほとんどありませんが、内因性カンナビノイドの分泌量を増加させたり、また様々な脳内の神経伝達物質の受容体の活性化や抑制をする作用があります。

現在確認されているCBDやCBDオイルの効果は、不安やストレスの軽減、睡眠パターンの正常化、炎症や疼痛の緩和、血流の改善などがあります。

CBD製品にはCBDオイル以外にも、トピカルと呼ばれるCBDクリームやCBDバームなどの皮膚に直接塗布するタイプのものもあります。皮膚に直接塗るタイプは、関節や筋肉の痛みや炎症などの局所的な症状に有効です。

筋肉痛はなぜ引き起こされる?

筋肉痛がなぜ引き起こされるかは現在でも完全には解明されていません。かつては筋肉に乳酸が蓄積するためという説が有力でしたが、乳酸は実際には短時間で消失するために否定されています。

今日では、筋肉痛は損傷した筋肉の組織を修復する過程で起こる炎症反応であるとされています。

初心者が筋トレを開始したり、普段からトレーニングを行なっている方でも通常よりもさらにハードなトレーニングなどを行ったりすると、筋肉に過剰な負荷がかかり筋繊維に小さな損傷が生じます。

身体の組織が損傷すると、修復を行うために白血球などの血液成分が損傷部位に運ばれて周辺は腫脹し熱感を持ちます。その際に血液成分がヒスタミンやプロスタグランジンなどの筋膜を介して痛みを引き起こす物質を産生します。

通常は筋肉を休息させることで、数日で痛みは自然に回復します。長期間経過しても痛みが継続したり、ひどくなったりする場合は筋肉痛以外の異常が考えられますので、受診が必要となる可能性もあります。

継続的にトレーニングを行うことで筋肉痛が起こりづらくなりますが、修復された筋繊維が補強されることや、筋肉に毛細血管が新生されて組織への血液成分の供給が早くなるために回復が早くなると考えられています。

CBDやCBDオイルは筋肉痛に効果がある?

アスリートのCBDの作用
筋肉痛が筋繊維の炎症であるとすると、神経や免疫系に直接的・間接的に働きかけるCBDやCBDオイルは筋肉痛を予防したり、早期に回復させたりできる可能性は高いです。

CBDやCBDオイルは病院などで処方される痛み止めや抗炎症薬などとは違い、体内での複数の作用によって、総合的に筋肉痛を治癒できると考えられています。

まず、CBDやCBDオイルには抗炎症作用があります。
CBDやCBDオイルは炎症に効果がある?中毒症状や副作用はない?CBDやCBDオイルは炎症に効果がある?中毒症状や副作用はない? 白血球などの免疫細胞にはカンナビノイド受容体であるCB2が存在しています。内因性カンナビノイドであるAEAは免疫細胞に存在するCB2に働きかけて炎症をコントロールする作用があります。

免疫システムの誤作動により健康な細胞に炎症が引き起こされる自己免疫疾患などでCBDを使用すると、免疫系を抑制することで炎症が軽減されることは、2010年にアメリカの研究者らによって行われた実験でも証明されています。

したがって、筋繊維の炎症反応であるとされている筋肉痛でも同じように炎症の軽減は期待できます。

次に、CBDやCBDオイルには筋肉痛の主症状でもある疼痛に対する著明な鎮痛作用があります。

CB1やCB2は疼痛の伝達に関わる脳や神経系にも存在しています。また、CBDはECS以外でも、鎮痛作用や抗炎症作用をもたらす脳内のバニロイド受容体(TRPV1)に直接作用することが、2019年に発表されたアメリカの研究者らによって行われた研究で分かっています。

起き上がったり体を動かしたりすることすら難しいほどの筋肉痛であれば、即効性のある市販の鎮痛剤などを服用することもあると思います。

しかしほとんどの鎮痛剤は消化器症状などの副作用が生じる可能性が伴います。従来の鎮痛剤などと比べてCBDやCBDオイルは重篤な副作用がほとんどありません。

そもそも痛みは生体防衛機構で、身体にこれ以上の負担をかけないように休息を促すサインでもあります。

そのため、強い鎮痛剤を服用することで痛みが軽減したからと言って、さらに身体に負担をかけることは避けるようにしてください。

また、2019年にアメリカの研究者らによって発表された研究では、CBDやCBDオイルが質の良い睡眠を促進する作用あることを示唆しており、それによって筋肉痛からの回復にも有効であると考えられています。

身体のダメージを早期に回復させるには十分な休養が非常に重要です。熟睡している間に、細胞の修復を行う成長ホルモンであるメラトニンが分泌されます。

反対に、十分に睡眠を取ることができなければ、筋肉痛が回復するまでに時間がかかってしまう可能性があります。
CBDは睡眠の質を上げて睡眠障害や不眠を緩和する?睡眠薬とは違う?CBDは睡眠の質を上げて睡眠障害や不眠を緩和する?睡眠薬とは違う? 他にも、CBDやCBDオイルは血管を拡張して血流を改善する効果があります。

血流の改善は筋肉痛の予防や回復において鍵となる要素です。血流量が多い発達した筋肉は、筋肉内での酸素消費が効率よく行われるため、筋肉の疲労が起こりにくくなります。

そして、トレーニングが終わった後にも筋肉の血流を促進することが重要です。そうすることで損傷した組織の修復をするための血液細胞の到達が早くなり、筋肉痛を早期に回復することが期待できます。

以上のようなことから、CBDやCBDオイルは筋肉痛の予防や回復に効果的であると考えられますが、エビデンスは十分ではありません。正式に筋肉痛に対してCBDを使用して経過観察が行われた研究はありません。

しかし、2018年にはオリンピックなどの国際的なスポーツ競技大会においてCBDが使用禁止薬物のリストから除外されました。そのため、現段階で多くのアスリートたちからCBDは支持を得ています。

怪我が常に付いて回るアスリートにとって、痛み止めの使用が制限される中、CBDやCBDオイルはパフォーマンスを支える強い味方であると考えられます。
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いつCBDオイルを摂取するのがよい?

筋トレやスポーツをする際のCBDオイルの摂取は、体を動かし始める直前に摂取することをおすすめします。

運動をする上でCBDオイルを摂取することは筋肉痛の予防や回復以外にも様々なメリットがあります。例えば精神を落ち着けて集中力を高めることは、より良いパフォーマンスに繋がりますが、怪我の予防にも役立ちます。

通常CBDオイルは舌下粘膜から摂取しますが、効果が現れるまでに15分〜1時間ほどかかり、効果持続時間は4〜8時間ほどです。

摂取量は個人の体格などによって違いますが、10〜15mgを目安に摂取を開始し、副作用に注意しながら量を調節してください。

しかし、CBDオイルはあくまでサプリメントであり、運動を行う前にはストレッチや体操などを行って、しっかり身体を温めてから本格的に身体を動かすことが推奨されています。

急に身体を激しく動かすと筋肉や腱が緊張していたり、関節可動域が狭くなっていたりするため怪我に繋がる可能性が高くなります。また、筋繊維の損傷も起こりやすく、筋肉痛となる可能性が高い状態であると言えます。

また、トレーニング後のストレッチも疲労の回復や筋肉痛の予防に大切です。トレーニング前のストレッチは身体を温めることが目的ですが、トレーニング後のストレッチは身体をしっかりとリラックスさせることが目的です。

そのため、身体を大きく動かすのではなく、筋トレや運動で動かした関節や筋肉をしっかりと伸ばすことを意識してください。

またトレーニング後の筋肉の血流促進は大切ですが、運動直後の筋肉が熱感を持って腫脹している場合は冷却をした方が効果的です。しかし、時間が経ってから起こる筋肉痛は温めた方が回復に効果的です。

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