未成年や子供のCBDオイルやベイプの使用は可能?何歳から大丈夫なの?

CBDやCBDオイルは何歳から摂取 しても大丈夫?年齢制限はある?

CBDやCBDオイルは健康に良いとして注目されており、子供にも摂取させたいという親や使用したいという未成年も増えています。本記事では、CBDやCBDオイルは子供にとって安全なのか、年齢制限などはあるのかについて説明するとともに、未成年に相応しい / 相応しくないCBD製品と摂取方法について解説します。
この記事はこんな方におすすめ!
  • 子供や未成年のCBD摂取や使用が気になる方
  • CBDの子供や未成年への影響が心配な方
  • CBDの種類について知りたい方
  • CBDリキッドやベイプの安全性について気になる方

そもそもCBDやCBDオイルとは?

CBD [Cannabidiol; カンナビジオール] は麻などの植物に含まれる大麻成分 (カンナビノイド) の一種であり、CBDオイルはそのCBDを摂取しやすいように開発された製品です。

現在、100を超えるカンナビノイドが発見されており、中でもTHC [Tetrahydrocannabinol; テトラヒドロカンナビノール] は「ハイ」になるといった精神作用があり、マリファナの主成分として有名です。

そのような効果から、THCは日本の大麻取締法で厳しく規制されています。しかし、CBDはTHCのような作用はなく、日本の法律でも規制はされていません。

CBDオイルは、オリーブオイルやMCTオイル、ヘンプシードオイルなどの天然由来のキャリアオイルに、麻から抽出したCBDを配合したものです。

アメリカやヨーロッパでは、CBDの抽出には産業用ヘンプと呼ばれるTHCが含まれていない、もしくは含有量が極めて少ない品種が使われるのが一般的です。

CBDオイル以外にも、CBDリキッドやCBDクリームなどさまざまな種類のCBD製品が製造されています。

CBDやCBDオイルは子供のどのような病気に用いられている?

CBDやCBDオイルの子供や未成年への使用により病気の改善がもたらされた例を3つほどご紹介します。

小児てんかんの改善

CBDが世界に広く認知されるようになったきっかけの一つに、アメリカで難治性小児てんかんの女児がCBDオイルの摂取によって症状が劇的に改善されたという事例があります。

CBDやCBDオイルには、幼少期に発症するレノックス・ガストー症候群(LGS)やドラベ症候群と呼ばれる薬剤抵抗性のてんかん発作を抑制する効果があるとされています。

これらのてんかんは薬剤抵抗性のため、抗てんかん薬を投与しても効果がほとんどありませんが、2019年に発表されたフロリダ農工大学の薬学博士が行った研究によると、CBDをLGSやドラベ症候群の小児患者に投与したところ、てんかん発作の頻度が減少しました。

また、ドラベ症候群を患い、週に約300回ものてんかん発作を繰り返していたアメリカのシャーロットという女の子が、CBDによりてんかん発作が激減し、普通の生活を取り戻したという実例もあります。

同国ではこの事例を踏まえ、2018年にエピディオレックス (Epidiolex) というCBD医薬品を難治性小児てんかんの治療薬に承認しました。

CBDがどのようにてんかん発作を抑制するのかはまだ詳しく分かっていませんが、CBDが抗炎症作用を持つことや抑制系の神経を賦活化することが関係しているのではないかと現在のところ予想されています。
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なお、日本ではエピディオレックスが大麻草の成分であるCBDを原料としていることからまだ治療薬の承認に至っていませんが、海外では2歳以上に投与することが承認されています。

しかし、CBDの効果に注目し「子供に摂取させたい」と考える親は増え、日本でのCBD医薬品の認可を求める動きもあります。

自閉症の改善

CBDやCBDオイルは、自閉症の子供たちに効果をもたらすかもしれないと期待されています。

実際に、自閉症スペクトラムを持つ子供にCBDを摂取させるべきかについて親たちが話し合うためのFacebookグループがあります。

調査によると500人を超える親の40%が自閉症スペクトラムを抱える子供にCBD製品を摂取させていたことが分かりました。

また、CBDが自閉症の子供に効果があるかもしれないという研究結果も出ています。
さらに、2019年のイスラエルの病院や大学の研究において、18歳以下の自閉症の子供155人にCBDオイルを6か月以上試したところ、両親の80%以上が子供たちの症状が中程度以上に改善されたと報告しました。

CBDと自閉症に関する研究は現在進行中であり、安全性と有効性について十分な研究結果はありませんが、今後の研究結果に期待が寄せられています。

CBDやCBDオイルは子供や未成年が摂取しても大丈夫?年齢制限はあるの?

先述の通り、CBDやCBDオイルは安全性が高く、健康や治療に効果があるとして注目されており、CBD製品を使う人が増加しています。

特に、近年は未成年の方も学校生活や勉強、家庭環境などの要因でストレスを抱えやすく、抑うつ症状が出たり精神疾患になってしまったりする人も少なくありません。

CBDを摂取することで不安やストレスを軽減したり、睡眠の質向上や集中力を高めたいという理由から自主的にCBDを摂取したいと思う未成年の方や子供に摂取させたいと思う親も増加しています。

果たして子供や未成年がCBDやCBDオイルを摂取しても良いのでしょうか?

CBDは安全性が高いため子供や未成年の摂取は可能

日本では現状としてCBD医薬品は認められていませんが、CBD製品をサプリメントとして使用することは可能です。また、CBDオイルの摂取に年齢制限はありません。そのため、未成年や子供でも摂取できます。

ただし、摂取するにあたり注意すべきポイントはあります。

CBDの子供や未成年への効果は研究途中である

確かにCBDは精神活性作用がなく安全なものだと知られてはいますが、子供に対するCBDの研究は実はほとんど行われていないため、子供がCBDを摂取しても安全だと今の時点では言い切れません。

CBDを子供に摂取させることは可能ですが、安全性が保障されていない以上、リスクがあることを必ず留意し、摂取させる場合には自己責任でCBDを使用するようにしてください。

また、個人差はありますが、人によってはCBDを摂取することで、口渇、吐き気、強い眠気、立ちくらみなどといった副作用が出る場合もありますので、摂取量や頻度にも注意を払いましょう。

子供が服用している医薬品とCBDが相互作用を起こす可能性も

CBDは肝臓の解毒酵素を阻害する働きがあるため、ある種の医薬品の解毒を遅らせて医薬品の効果を過剰にさせたり、副作用を起こりやすくさせたりする可能性があります。

子供に持病がありすでに医薬品を服用している場合には、CBDがその医薬品に悪影響を与える可能性があるため、CBDを試す前に必ず主治医やかかりつけ薬剤師に相談をしてください。

また、子供は風邪をひきやすいため小児科や耳鼻科に頻繁に通っている子供も多いですが、それらの医院で処方された薬がCBDの影響を受ける可能性もあります。

CBDを普段摂取している中、病院から薬が処方された場合も主治医やかかりつけ薬剤師に相互作用について確認しましょう。

THCが含まれている違法なCBD製品には気を付ける

また、法律的な観点からも注意すべきことがあります。

CBD自体は日本で合法ですが、同じカンナビノイドでもTHCは違法であるという点です。

海外で製造されたCBD製品には、各国の大麻に対する捉え方や法整備が違うこともあり、THCが含まれている製品も珍しくはありません。

当然ながら、そのようなTHCが混入している製品は日本では大人・子供にかかわらず違法になってしまいます。
また、そのような製品を摂取した場合、THCの悪影響が本人に及んでしまう可能性もあります。

大人が子供にCBDオイルを与える場合は、以上のような危険性があることを踏まえ、製品の合法性や安全面を確かめ、摂取後の本人の様子をきちんと観察しておくことが肝心です。
また、未成年本人がCBDオイルを購入や使用する際にも、未成年だからと甘えず自己責任という意識をもつようにしてください。

安全なCBD製品やCBDオイルの見極め方や選び方

子供がCBDやCBDオイル製品を使用する際のリスクは、CBD自体ではなく、製品に含まれている微量のTHCや栽培段階で混合した農薬や重金属、微生物などの物質が原因となる可能性も高いです。

CBD製品を使用するリスクを最小限にするため、CBD製品を購入する際には必ずラベルを見て成分を確認することを忘れないようにしましょう。

また、高品質なCBDを手に入れるために信頼できるメーカーから購入したり、検査結果を公表してもらったりするとより安全です。

CBDの抽出方法やCBD製品の種類を確認することもポイント

CBDのフルスペクトラムとブロードスペクトラムとアイソレートの違い
CBDオイルなどのCBD製品には、CBDの成分の抽出のされ方によって種類があります。

CBDのみを単離したCBDアイソレート、ヘンプの成分を同時に抽出したフルスペクトラム、フルスペクトラムから特定の成分を除去したブロードスペクトラムです。

結論から言うと、効果や安全性の観点から考えれば、CBDアイソレートがおすすめです。

前提として、THCが混入されている可能性が高いフルスペクトラムは摂取しないようにしましょう。

また、CBDなどのカンナビノイドには他のカンナビノイドやテルペンと同時摂取することによって、より効果の効率が増強するアントラージュ効果があることはよく知られています。

そのため、CBDに他の成分を混ぜているブロードスペクトラムの方が、CBDアイソレートより効果を期待しやすいのではないかと考えられる方も多いと思いますが、2021年にアメリカで行われた研究において、そのような効果はあまり期待できないことが示唆されています。

また、ブロードスペクトラムは、THCが入っているフルスペクトラムと見分けがつきにくいためTHC混入の可能性が高いこともブロードスペクトラムを摂取するリスクとなっています。

さらに、ブロードスペクトラムの製品は一般的に高価であり、CBDアイソレートの製品の2〜3倍ほどもするという点もあります。

一方でアイソレートは、THCの混入を避けられる可能性が十分に高く、比較的値段が安いといったメリットが多くあるためアイソレートが最もおすすめです。

CBD初心者にとって、どのCBD製品が効果的で安全かなどと、あれこれ考えるのは少し面倒に思えるかもしれません。

しかし、CBDを使用するならば、潜在するリスクを知り安全面の確保を意識することは必要不可欠です。

特に大人が未成年の方にCBDを摂取させたり、未成年本人がCBDオイルを摂取する場合は、より責任をもつという心がけが必要でしょう。

子供や未成年にとってのCBDやCBDオイルの適正摂取量

成人とCBDの研究では、CBD1,500mgという高用量であっても健康上の問題が起こらないという結果が出ているため、大人に対してはCBDやCBDオイルを採りすぎる心配はほとんどありません。

しかし、この研究はあくまでも大人に対しての研究なので、子供に関してはCBDの用量に注意する必要があります。

初めてCBDを使用する場合は、1日の量を5mg~10mg程度から始めて副作用などに気を付けながら少しずつ増やし、効果が出るかを観察するとよいでしょう。

参考
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参考 CBDオイル1滴あたりの含有量や1mgあたりの価格を自動計算麻田製薬

また、副作用が出た場合の対処法を覚えておくことも大切です。

CBDの有害な副作用の出現は高用量でもまれではありますが、副作用として最も一般的なのは眠気ではないかと言われています。生活に支障をきたす程度の副作用が出た場合は、CBDの量を減らして様子を見ることをお勧めします。

万が一不快な症状が現れた場合には、すぐにかかりつけの医師の診察を受けるようにしてください。

未成年のCBDリキッドやベイプ(電子タバコ)の使用は合法?それとも違法?

CBDベイプ

CBDオイルと同様にメジャーなCBD製品にCBDリキッドがあります。

CBDリキッドはVAPEなど電子タバコによって気化して摂取するタイプの製品で、サプリメントというよりは嗜好品に近いものです。

しかしながら、CBDオイルと同様にCBDの効果を得やすい製品でもあります (効果の特徴はCBDオイルとは違う部分もあります) 。

フレーバーも多様であるため、風味を楽しみながらCBDを摂取できるという利点もあります。

そのため、CBDオイルと並んで人気のあるCBDリキッドですが「電子タバコってそもそも合法なの?」「未成年が使っても大丈夫?」と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

未成年のベイプ(電子タバコ)の使用は法律上問題はないが懸念点も…

法律的な観点で言えば、現在CBDリキッドは日本での使用は禁止されていません。

そのため、成人は自由に使用することができます。

では未成年の場合はどうでしょうか。

通常のタバコはタバコの葉をいぶしてその煙を吸い込むため、ニコチンやタールが含まれます。ニコチンには中毒性があり、タールは呼吸器の機能を低下させたり発がん性があるとして警戒されています。

また、そのような健康への悪影響の懸念もあり、未成年者喫煙禁止法によって20才未満の方の喫煙は禁止されています。

しかし、未成年が電子タバコを使用することは、実は違法ではありません。

なぜなら、ベイプなどの電子タバコはタバコの葉を使用せず、基本的にニコチンやタールが含まれていないためです。

電子タバコ用のリキッドにはニコチンが含まれているものもありますが、リキッドの成分表を確認すればニコチンが入っていないものを選ぶことは可能です。

そのため、電子タバコはタバコと銘打ってはいますがアロマに近いものとなります。

このように、未成年の電子タバコの使用は違法ではありませんが、だからといって、安心して使用して良いという結論にはなりません。

電子タバコが普及したのはここ最近の話であり、まだ研究が進んでおらず、本当に身体に無害なのかはまだ言い切れないところもあります。

特に身体が発達しきっていない未成年にどのような影響を与えるかは未知数です。

また、タバコであるという先入観もあります。法律上大丈夫だからと堂々と吸っていて、周囲から「未成年喫煙」のレッテルを貼られてしまう恐れもあります。

このような理由もあり、自主的に未成年への販売を禁止している電子タバコのメーカーもあります。

加えて、近年では2021年に開催した東京オリンピックに向けて、健康増進法が改正され路上はもちろん公共施設のほとんどが禁煙になりました。

電子タバコは今のところ対象外ではありますが、そのような場所で吸っていると、法律を破っているとみなされる可能性もあります。また、将来的に同法律にVAPEの使用禁止が盛り込まれる可能性もあります。

そのため、日本でのCBDリキッドの使用は合法ですが、リスクもあることはご理解いただきたいと思います。特に、未成年の方は使用を控えた方が良いでしょう。

また、日本では電子タバコは合法ですが、そもそも電子タバコが禁止されている国もあります。そのような国でベイプなどを使用すると、成人・未成年関係なく逮捕されてしまうので注意しましょう。
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ベイプによって重篤な症状が引き起こされる?

電子タバコについて、少し不穏な報道もあります。

2019年8月、アメリカの各州で電子タバコによる呼吸器疾患に罹る人が急増したとして、食品医薬品局 (FDA) および米疾病対策予防センター (CDC) が電子タバコ使用の注意喚起を呼びかけたというものです。

電子たばこ関連による悪影響の報告は、同年8月末までに25州から合計215件に上り、その中には中高生も多く含まれていました。

さらに、その多くの事例で、THCやCBDが含まれる電子タバコが使用されていたとも報告されました。

専門家による検証の結果、原因はTHCやCBDではなく別の添加物であったという報告もありますが、詳しくはまだ明らかになっていません。

それぞれの事例で使用されていた電子タバコに含まれる成分はさまざまで、具体的な成分が特定しづらいという現状もあります。解明にはより多くの検証が必要です。

いずれにせよ、電子タバコの健康被害が実際に起こっており、その中にCBDが配合されているものもあったことは紛れもない事実です。

嗜好品として自己責任で使用するならともかく、健康を考慮するならやはりCBDリキッドよりもCBDオイルの方を選んだ方が良いでしょう。未成年の方はなおさらです。

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