CBDやCBDオイルと肺炎や肺がんに関する研究事例を紹介

CBDやCBDオイルと肺炎や肺がんに関する研究事例を紹介

新型コロナウイルスの流行以降「肺炎」「重症化」「後遺症」などの言葉に敏感になっている方も多いと思います。本記事では、CBDやCBDオイルの肺炎や肺がんへの効果や、煙草の代替としてCBDをベイプで摂取することの身体への影響について解説します。

肺炎や肺がんってどんな病気?現在の治療法は?

肺炎や肺がんはともに肺の病気ですが、肺炎は内科領域の疾患で、肺がんは外科領域の疾患であるため原因や要因、症状、経過、治療法などが大きく違います。

肺炎

肺炎は細菌やウイルスが肺の奥の組織(肺胞)まで入り込んで炎症を起こす肺の炎症性疾患の総称です。肺炎の原因となる菌やウイルスは非常に多く、高齢者や幼児、他に病気がある方などがかかりやすい疾患です。

肺炎の症状は高熱や胸の痛み、息苦しさ、激しい咳など重症化した風邪と似ています。しかし、風邪は鼻から喉まで(上気道)の炎症であるのに対し、肺炎は喉から肺(下気道)にかけての炎症が数週間続きます。

戦後、医療の進歩とともに一時的に激減した肺炎ですが、長寿化に比例して再び増加しています。免疫が低下すると肺炎にかかりやすいため、抵抗力の弱い高齢者が増加すると肺炎が増加することはいわば自然な現象です。

また、高齢者はものを飲み込む機能や気管に入った異物を外に排出しようとする反射機能なども衰えるため、食事や自身の唾液などが気管に入ることで感染する「嚥下性肺炎」も非常に多いです。

他にも、菌やウイルス以外が原因となる「間質性肺炎」があります。間質とは肺胞の壁の部分です。自己免疫疾患や薬剤、粉塵、化学物質などによって間質が硬くなり炎症を起こします。原因不明の場合も多いです。

肺炎は日本の死因として三大死因(がん、脳卒中、心疾患)に次いで多く、病気以外のいわゆる老衰(自然死)で亡くなる方の直接の死因は肺炎であることも珍しくありません。現在の85歳以上の死因としては最多です。

肺炎の治療は原因となる菌に対して抗生物質を投与しますが、一部薬剤に耐性のある菌や薬の効果がないウイルスなどもあります。その場合は咳止めや痰切りなどの薬が投与されます。

肺がん

肺がんは悪性腫瘍の中でも治療が難しく、男女共に死亡率が高い疾患です。男性患者数は女性患者数のほぼ2倍とされています。

肺がんは肺炎などの他の呼吸器疾患と同様の呼吸苦や胸痛などの症状が現れることもありますが、無症状のまま進行することも多く、発見された段階ですでに進行していることも珍しくありません。

肺がんの原因は、リンパ節や他の臓器などからがんが転移することもありますが、肺がんのおよそ70%は煙草が原因とされています。

喫煙習慣の他に、アスベストやPM2.5などに長期間暴露されることや遺伝、食事なども肺がんの要因となります。

治療はがんの進行段階に合わせて手術や放射線照射、抗がん剤治療、また治療の術がない場合は緩和ケアなどを行います。肺がんは他のがんと比べて治療成績は低く、現段階で5年生存率は20%程度とされています。

つまり、およそ80%の患者は肺がんが発覚してから5年以内に亡くなっています。やはり早期に禁煙を徹底して生活習慣を変えることや、検診などで早期発見することが重要になります。

CBDやCBDオイルと肺がんとの関連性は?研究事例も解説!

CBDとは大麻草などから抽出される身体に様々な効果をもたらすカンナビノイドと呼ばれる成分の一種です。CBDオイルは抽出されたCBDをココナッツオイルやオリーブオイルなどのキャリアオイルと混合したものです。

カンナビノイドは現在100種類以上発見されていますが、心身への効果が研究されているものは数種類だけです。CBDには抗炎症作用、鎮痛作用、抗不安作用、抗鬱作用、制吐作用などがあります。

大麻の主成分は向精神作用をもたらすTHCというカンナビノイドです。日本では大麻取締法で規制されているため、治療等にTHCを使用することはできませんが、THCにもCBDのように様々な効果があります。

これまでに行われた研究で、THCやCBDを含む様々なカンナビノイドには抗がん作用があることが報告されています。

しかし、現段階では動物やがん細胞そのものを使用した研究がメインです。実際に肺がんに罹患した男性が被験者となって行われた研究では、CBDオイルを服用することで肺がん細胞の縮小に成功したことが報告されていますが、プラセボ(偽薬)との比較など研究としての有効性を証明する様々な要素が欠けており、CBDオイル以外の要素が影響した可能性も否定できません。

また、同研究が他の肺がん患者に対しても有効であるか検証されておらず、今後さらに大きなグループを対象にして研究を行わなければCBDやCBDオイルが実際にがんの治療に有効であるということは言えません。

このように、まだがんそのものの治療を行うにはエビデンスが不足している状態ですが、CBDやCBDオイルは様々ながんの症状を緩和することに有効であるとされています。

特にがん性疼痛を軽減したり、病気に対する不安やうつ状態などの精神症状を緩和したりすることには効果が見られています。

また、抗がん剤療法や放射線治療は吐き気や食欲不振などの強い副作用がありますが、CBDやCBDオイルはこれらの副作用の症状を改善できることでも知られています。

CBDやCBDオイルを肺がんの治療に取り入れたい場合は、まずは担当の医師に相談した上で使用するようにしてください。

注意
本記事で紹介しているCBDと肺がんに関する研究や論文はあくまで一部であり、現段階でCBDが肺がんに有効であるとされるエビデンスはありません。病気の治療はあくまで主治医の方針を優先し、自己判断で医師から指示された治療を中断しないでください。繰り返しますが、必ず医師の診断や指示に従い、現時点では作用を期待してCBDを使用することは控えてください。

CBDやCBDオイルと肺炎との関連性は?研究事例も解説!

肺炎は炎症性疾患であり、CBDの持つ抗炎症作用や鎮痛作用は肺炎の症状を緩和することに有効であると言えます。

CBDやCBDオイルは炎症に効果がある?中毒症状や副作用はない?CBDやCBDオイルは炎症に効果がある?中毒症状や副作用はない?

そして、抗炎症作用以外にもCBDやCBDオイルには肺炎に対して様々な効果が期待できます。

まず、肺炎の原因となる菌やウイルスは数多く存在しますが、CBDは原因として最も多いグラム陽性桿菌(肺炎球菌)に対する抗菌効果があります。

そして、CBDやTHCなどのカンナビノイドには気管支拡張作用があり、さらには肺の機能自体も向上させると報告されています。

過去にアメリカで大麻を常用しているグループとしていないグループで、一度に体内に取り込める酸素量(一回換気量)を計測して比較すると、日常的に大麻を常用しているグループの方が一回換気量の平均が上回っていました。

酸素は肺胞の毛細血管から血液中へ吸収されますが、肺炎を起こすと炎症部位の肺胞が酸素を取り込むことができなくなります。

喘息や慢性呼吸器症候群(COPD)などで呼吸器系に疾患のある患者は元々の一回換気量が少なく、肺炎を起こした際に体内に取り込める酸素量がさらに少なくなるため重症化しやすくなります。

このように平常時の一回換気量は肺炎の重症化の目安と言えるため、CBDやCBDオイルを常用することで呼吸機能を向上できれば、肺炎の重症化を予防できる可能性はあります。

またCBDやCBDオイルの原料となる植物には、CBD以外のカンナビノイドやテルペンという成分が多く含まれており、それらも肺や気管に作用して呼吸を助ける働きがあります。

カンナビノイドの一種であるCBGは肺炎の症状である炎症や胸痛、吐き気、疲労などに対して効果があります。さらに、ピネンやリモネンといったテルペン類にも気管支拡張作用や抗菌作用などがあります。

肺がんの治療と同様に、肺炎治療においてもCBDやCBDオイルを摂取する場合は必ず医師の承諾を得てから摂取するようにしてください。

喫煙者向け!ベイプで吸うタイプのCBDは身体に悪影響?

大麻を常用しているグループの方が大麻を吸ったことのないグループと比較して呼吸機能が良いと説明しましたが、CBDをベイプで吸入することとタバコを吸うことは肺や身体へ及ぼす影響が全く違います。

煙草の害についてはおそらく多くの方がすでにご存知だと思いますが、吸い続けることで肺の組織が破壊されることはもちろん、ニコチンや一酸化炭素、シアン化水素などが心臓や消化器官など全身に障害を引き起こします。

一方で、CBDを吸入する際に使用するCBDリキッドには体にとって害となる成分は含まれていません。むしろ、CBDのベイプで吸入するとCBDの体内への吸収が速く、効果をすぐに感じることができるというメリットがあります。

ただし、喘息になったことがあったり気管支炎などを発症して気道粘膜が敏感になったりしている状態では蒸気が刺激となり、咳を誘発することもあるようなので控えた方が良いでしょう。

また、CBDをベイプで吸入することは煙草への依存性を抑制する可能性があるという報告があります。

一日に煙草を10本以上吸っていたグループを対象に3週間に渡って行われた研究で、喫煙したくなった時に一方のグループにはCBDを、もう一方のグループには偽薬をベイプで吸入するように指示が出されました。

3週間後、CBDを吸入したグループは喫煙量を40%減らすことに成功しました。これは偽薬グループと比較すると大幅に差があります。

しかし、禁断症状や不安などの精神症状は、両グループともに一時的に消失したということですが、3週間後の判定日までには再び現れ始めたということです。

煙草の依存症は単なるニコチン依存ではなく、「煙草を吸う」という習慣を断ち切られることによる禁断症状や不安を乗り越えることが大きな課題となります。

そのため、不安やストレスなどの精神症状の改善にも効果のあるCBDベイプを喫煙習慣の代わりに使用を続けることは、禁煙によって生じる禁断症状や精神症状の改善に対して有効であると考えられています。

CBDやCBDオイルは禁煙に効果的?タバコの代わりになりうる?CBDやCBDオイルは禁煙に効果的?タバコの代わりになりうる?

CBDやCBDオイルと新型コロナウイルスの関連性は?

CBDやCBDオイルは心身へのメリットがたくさんありますが、新型コロナウイルスに関してはまだ解明されていないことが非常に多く、CBDやCBDオイルが効果があるかどうか断言できる状態ではありません。

詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

CBDやCBDオイルはウイルスに効果がある?新型コロナには作用する?CBDやCBDオイルはウイルスに効果がある?新型コロナには作用する?

関連文献

CBDと肺がんに関して皆様から頂いた質問

CBDが肺がんに対して作用するというエビデンスはありますか?(20代女性)

現時点では動物やがん細胞を対象にした実験が主であるため、残念ながらヒトの肺がんに対してCBDが作用するというエビデンスはまだまだ不足している状況です。これから研究が進展していくことが期待されています。

ベイプを使用してみたところ、どうしても咳込んでしまいます。なにか良い方法はありますか?(30代男性)

ベイプはタバコとは違ってそれほど危険ではないので、基本的には問題ありません。しかし、どうしても気になるという方はCBDオイルを摂取してみてはいかがでしょうか。専用の器具も必要なく、手軽に摂取することができるので非常におすすめです。

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