CBDやCBDオイルは頭痛・偏頭痛に効く?三叉神経痛の改善にも期待!

CBDやCBDオイルは頭痛・偏頭痛に効く?三叉神経痛の改善にも期待!

偏頭痛は前触れもなく急に現れる頭痛のため、痛み止めが手放せないという方は多いと思います。本記事では、そもそも偏頭痛や顔の痛みを伴う三叉神経痛はどのように発症するのか、またCBDやCBDオイルの鎮痛作用はそれらに有効であるのかを解説します。
この記事はこんな方におすすめ!
  • CBDやCBDオイルは頭痛・片頭痛に効果があるのか気になる方
  • 頭痛の軽減にCBD製品やCBDオイルの使用を検討している方
  • CBDオイルの使い方や注意点を知りたい方

日本人の4人に1人が抱える頭痛……。偏頭痛の正体とは?

偏頭痛は拍動性の痛みやめまい、四肢がチクチクする感覚、吐き気、嘔吐、言語障害、痺れ、音や光に対する過敏性などの症状を伴う頭痛の一種です。全年代に発症する可能性があり、成人期以降は女性に多いとされています。

偏頭痛はなぜ起こるのか、様々な説が考察されていますが現段階では発症の作用機序は完全には解明されていません。

偏頭痛を引き起こす要因には以下のような環境や物質があると考えられています。

強い光や音、馴染みのない匂い、暑さ、天候、気圧、アレルギー反応、脱水、肉体疲労、精神的ストレス、睡眠不足、空腹、ホルモンバランスの変化、妊娠、月経、更年期、ニコチン、服薬、遺伝などがあります。

また多くの食品は偏頭痛の原因とされており、チラミン(チョコレートやチーズなど)、ポリフェノール、アルコール、カフェイン、グルタミン酸、硝酸塩(加工肉など)、人工甘味料なども避けた方が良いとされています。

治療には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛剤や血管収縮剤、吐き気止めなどが処方されます。しかし、これらの処方薬は消化器症状などの副作用が多く、長期間摂取することは望ましくありません。

偏頭痛には環境および食事の改善や休息をしっかり取るなども大切です。

CBDやCBDオイルとは?頭痛や偏頭痛に効く可能性も

CBDの頭痛への作用
CBDやCBDオイルという言葉を聞いたことがありますか?近年注目が高まっている成分CBDは、頭痛や偏頭痛に効果があることが期待されています。CBDとは何か、またその安全性についてご紹介します。

CBD(カンナビジオール)とは?

CBDは大麻草などから抽出されるカンナビノイドと呼ばれる成分で、疼痛や吐き気、睡眠などの調節を行うエンドカンナビノイドシステム(ECS)に作用することで身体に様々な効果をもたらします。

ECSはアナンダミド(AEA)や2-AGなどの内因性カンナビノイドが中枢神経系に多く発現するCB1や免疫系・末梢神経系に発現するCB2などのカンナビノイド受容体に作用することで機能します。

CBDは直接CB1やCB2へ作用することはほとんどありませんが、AEAや2-AGを破壊する酵素であるFAAHを阻害することで間接的にECSを活性化させたり、様々な神経伝達物質の受容体に働きかけます。

CBDは日本で合法?摂取しても安全性に問題はないの?

ヘンプ(大麻草)から採れる成分と聞くと、安全なのか心配になる方もいらっしゃると思いますが、CBDは日本でも合法的に使用できます。

なぜCBDが合法成分なのかというと、CBDにはハイになるような精神活性作用がないためです。CBDは、幻覚や幻聴、精神不安定や中毒症状などを引き起こすことがないとされているため、日本でも法の下で安全に使用・摂取できるのです。

THC(テトラヒドロカンナビノール)とは?-THCとCBDの違い-

同じヘンプ(大麻草)から抽出される成分にTHC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれる成分もあります。ただ、THCは精神活性作用を持つとされており、日本では規制対象となっているため、所持・使用は違法となり罰せられます。

つまり、CBDとTHCは同じ原料から採れるものの、性質や作用が異なるため全く別の成分であることがわかるでしょう。

と聞くと、CBD製品の中にTHCが含まれていないか心配になる方もいらっしゃると思います。安全で信頼性の高いCBD製品であれば、ヘンプ(大麻草)からCBD成分のみを抽出するアイソレートCBDという方法で製造されているため、THCなどの違法成分は一切含まれていない可能性が高いです。

また「THCフリー」という表記がある製品も、THCが日本の法律で定められた基準値を下回っている製品であることの証明ですので、安全だと思われます。

2024年にCBDの販売が禁止されるって本当?

CBDについてネット検索していると「2024年にCBDの販売が禁止されるのはなぜ」と書かれているかもしれません。しかし、「改正される大麻取締法に違反しているCBD製品の販売が禁止になる」というのが正解であり、世の中の全てのCBD製品が使用禁止になるわけではありません。

【2024年12月大麻取締法改正】CBD製品内のTHC規定が厳格化されました

2024年12月12日に大麻取締法が改正され、CBD製品内のTHC残留度の規制が強化されました。

CBD製品であるにもかかわらず、THCが基準値よりも多く含まれている製品は、以後違法製品となり販売・所持・使用した場合は罰せられる可能性があるため、注意しましょう。

ちなみに、CBDオイルの場合はTHC含有量が10ppm(0.001%)以下である必要があります。

商品を選ぶ側の立場にある消費者が確認すべきことは、製品紹介欄や成分表示にしっかり目を通すことです。THCフリーの表記があったり、THCが含まれていないことが分かる検査証明書の記載がある製品を選びましょう。

CBDがもたらす頭痛・偏頭痛・三叉神経痛への効果

CBDはTHCなどの違法成分とは異なり安全な成分であるということが分かったところで、CBDの具体的な効果についてご紹介しましょう。

CBDには不安・ストレス軽減、睡眠の質改善や運動後の疲労回復など様々な症状に効果がありますが、当記事では頭痛や神経痛に関してどのような効果が期待できるのかご説明します。

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CBDは頭痛や偏頭痛の症状緩和に有効か?

先述の通り、CBDは体内のECS(エンドカンナビノイドシステム)に働きかけ、神経や免疫系に影響を与えることで痛みを和らげることができます。この鎮痛作用が頭痛や偏頭痛の辛い痛みを軽減すると言われています。

また、鎮痛作用以外にも抗炎症作用があるため、頭痛や偏頭痛の原因とされる脳や周辺部の腫れを減らす効果も期待できるでしょう。

さらに、偏頭痛が起こる要因として挙げられる不安やストレスに関しても、CBDがリラックスを促進することで不安やストレスの減少につながり、頭痛の発生を抑制できるかもしれません。

海外でのCBDを活用した頭痛・偏頭痛の治療例をご紹介します

これから取り上げる治療法は海外で行われたものであり、THCを含む薬剤や医療用大麻が使用されているため、日本では違法となり不可能です。そのため、参考程度にご紹介します。

ちなみに、現在までにCBDのみを服用して偏頭痛の治療効果を検証した実験は行われておらず、全ての研究でTHCが含まれています。

なぜなら、THCはCB1やCB2に直接作用するため、鎮痛作用や制吐作用においてはCBDよりも高い効果があるからです。

そのため、日本では違法ですが、アメリカなど医療用大麻が合法である国や地域では、鎮痛目的の場合はCBDのみを服用するよりもTHCを含有する薬がより支持されています。

事例1:医療用大麻を使用した研究

2016年、アメリカ・コロラド州で行われた研究において48人の患者を対象に医療用大麻の偏頭痛への効果を検証したところ、およそ40%の患者で偏頭痛の発作の頻度が減少したと報告されました。

副作用としては強い眠気が最も多く、他には適切な摂取量の判断が難しかったと被験者から報告されました。また、エディブル(経口摂取)の被験者は吸入摂取よりも多くの副作用を感じました。

2018年には、偏頭痛や頭痛、関節炎、様々な疾患の症状である慢性疼痛の患者を対象に研究が行われました。その結果、従来の処方薬の代わりに医療用大麻を服用することで疼痛を緩和することに成功しました。

特に強い鎮痛作用を持ちながらも依存性のあるオピオイドを内服している患者において効果が高く現れました。偏頭痛の患者では、THCの含有量が多くCBDの含有量が少ない製品が最も効果が高かったとのことです。

事例2:ナビロン(Nabilone:合成THC)を用いた研究

2012年のイタリアの研究において、鎮痛剤を過剰に服用したことで生じた頭痛を改善させる効果を検証する研究が行われました。

26人の被験者は50mgのNabiloneと400mgのイブプロフェンをそれぞれ8週間ずつ摂取して効果の比較が行われました。

両方とも鎮痛効果はありましたが、Nabiloneを摂取している期間の方が痛みが軽減され、頭痛の発症の頻度も減少したとのことです。

CBDやCBDオイルのみを用いる治療の可能性

THCが含まれていないCBDやCBDオイルのみでも、直接的・間接的に偏頭痛を軽減できる可能性は高いです。

グリシン受容体に作用して疼痛の信号を伝える経路を調節する、セロトニン受容体やアデノシン受容体への作用により偏頭痛の要因となる睡眠不足を改善する、嘔吐中枢の調節による吐き気の抑制などが考えられます。

CBDやCBDオイルのみを服用する疼痛コントロールに関しては今後さらなる研究が必要な状態ではありますが、CBDは副作用が少ない物質であるため処方薬の代わりに服用したい場合は医師に相談するようにしてください。

偏頭痛以外にも持病があったり、すでに内服薬があったりする場合は必ず医師の指示に従うようにしてください。

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CBDやCBDオイルは顔の痛みを伴う三叉神経痛などにも効果的?

頭部に引き起こされる痛みで、偏頭痛の他に顔面に痛みが生じる三叉神経痛があります。

三叉神経は、脳幹という部位から顔面に向かって伸びる脳神経の一種です。名前が表すように眼神経、上顎神経、下顎神経の3本に分岐した形をしており、額から顎までの顔面全体の感覚を支配しています。

三叉神経痛とは、通常痛みとして認知しないような少しの刺激が顔面に生じるだけで電気刺激のような痛みを感じる病気です。例えば、顔を洗ったり化粧をしたりといった日常生活での行動も刺激となります。

また食事や歯磨きなど顎を動かすことや水などの冷たさによる刺激も痛みが生じるリスクとなります。

顎や頬、歯、歯茎、唇などが特に痛みが生じやすい部位になり、顔の左右どちらかのみに痛みが生じることが特徴です。

この三叉神経痛と症状が似ている疾患に帯状疱疹があります。帯状疱疹はウイルスが炎症を引き起こすことで神経が損傷し、炎症が治癒した後も長期間にわたって炎症部位に痛覚過敏が生じる疾患です。

一方で、三叉神経痛が生じる原因のほとんどは脳の静脈や動脈、腫瘍が神経を圧迫することで引き起こされます。

三叉神経自体に損傷が生じるわけではなく物理的な圧迫であるため、神経を圧迫する原因を除去する外科的治療が最も効果的な治療法となります。

疼痛改善の治療効果の高い手術ですが、神経や血管の状況によっては手術によって他の神経を損傷し、手術後に聴力や視力に障害が生じたり、痺れや麻痺などが残ったりするなど合併症が引き起こされる可能性があります。

また、抗痙攣薬により神経の伝導を抑制する治療もあります。内服により疼痛をコントロールできる場合もありますが服薬を中止すると痛みは再発し、全身の炎症や臓器不全など重篤な副作用が起こる可能性があります。

現段階では治療のリスクが非常に高い三叉神経痛ですが、副作用が少なく神経に働きかけて疼痛をコントロールする作用があるCBDやCBDオイルによる治療に注目が集まっています。

前述した通り、CBDやCBDオイルの鎮痛作用は体内で幅広く作用することによるものです。そのため三叉神経痛においても効果をもたらすと考えられていますが、やはりCBDやCBDオイルのみを使用した研究はありません

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偏頭痛と同様に、医師に相談した上でCBDやCBDオイルの服用を開始するようにしてください。

CBDやCBDオイルの使用による副作用はある?

当メディア(麻田製薬)が2024年12月に実施したアンケート調査では、実際にCBDを摂取している方にCBDの副作用について伺いました。

一般的にCBDは比較的安全な成分とされており、重篤な副作用を引き起こすことはありません。上記アンケートでも、約95%の方が副作用を感じたことがないという結果となっています。

ただ、人によっては、口の渇きや眠気、低血圧になる方もいらっしゃいますので、初めてCBDを摂取する際は摂取量に気をつけましょう。

CBDを摂取すると頭が痛くなったり眠くなる場合には

CBDを摂取した後に頭痛や強い眠気を感じた場合には、直ちに摂取を控えて水分を取りましょう。頭痛や眠気は脱水によって悪化することがありますので、充分に水分補給を行うことでCBD摂取後の頭痛や眠気を防止することができるかもしれません。

また、一回の摂取量を減らしてみることも有効でしょう。先ほども説明した通り、CBDは比較的安全ではありますが、一度に大量に摂取した場合、副作用として頭痛や眠気、だるさが生じる可能性が高いです。特に、CBD製品を使い始めてすぐの方は摂取量を少なめにすることが大切です。

さらに、摂取するタイミングを変えてみることで改善される場合もあるかもしれません。例えば、朝や日中にCBDを摂取して強い眠気を感じる際は就寝前に摂取してみるとよいかもしれません。寝る前に眠気を感じることで良い眠りへと導くことができるでしょう。

その他にも、服用中の薬がある方は薬の飲み合わせの影響で頭痛などのCBDの副作用を感じることもあります。常用薬をお持ちの場合はかかりつけ医に相談した後、CBD摂取の判断をしていただければと思います。

妊娠中の方や運転前の方はCBDの摂取をやめましょう

多くの方にとって安全に効果を体感できるCBDですが、摂取を推奨できない方もいらっしゃいます。

例えば、妊娠中や授乳中の方です。その理由は、CBDの人間に及ぼす影響や効果についての研究は進んでいるものの、妊娠中や授乳中の方への安全性を確立できるための臨床的な証拠が未だ不十分であるためです。つまり、妊娠中・授乳中の場合にCBDを摂取することが100%安全とは言い切れないため、CBDを推奨できません。

また、母乳を通じた乳児へのCBDの移行に関しても研究途中であり、乳児の体内にどのような好影響・悪影響を及ぼすのかが分からないことからもCBD製品の使用は避けましょう。

ちなみに、運転前や運転時にCBDを摂取することもおすすめできません。CBDにはリラックス効果を促進させ、眠気を誘発する作用があるため、運転時に注意散漫になったり、反射神経が劣ることで事故を引き起こす可能性が高まる恐れがあります。日常的に運転をされる方は、毎晩就寝前にCBDを摂取するなどタイミングに注意を払いましょう。

CBDやCBDオイルを飲む際の注意点は?

CBDやCBDオイルは肝臓内のシトクラム450(CYP450)と言う酵素を阻害することで、CYP450によって代謝・排泄される薬剤を長時間体内に留まらせ、薬効を増強する作用があります。

そのため、薬の飲みあわせには注意する必要があります。何か薬を内服されている場合や持病がある場合などはCBDやCBDオイルの服用を開始する前に医師に指示を仰ぐようにしてください。

また、女性はホルモンバランスの変化により偏頭痛を起こしやすい傾向にありますが、妊娠中のCBDやCBDオイルの服用はアメリカ食品医薬品局(FDA)によって中止するように警告されています。

妊娠中、もしくは妊娠の可能性がある場合などはCBDやCBDオイルの服用は中止してください。

そして、偏頭痛や三叉神経痛の改善のためにCBDやCBDオイルを服用する場合は、脳神経内科や脳神経外科などの専門の医師を受診し、脳腫瘍や脳梗塞などすぐに治療が必要な病気ではないことを確認してください。

手術が最善の選択である場合もありますので、自己判断でCBDやCBDオイルによる治療を開始することは避けてください。

関連文献

CBDやCBDオイルの頭痛・偏頭痛への作用に関して皆様から頂いた質問

CBDやCBDオイルは頭痛・偏頭痛に作用しますか??(20代女性)

CBDのみを服用して偏頭痛の治療効果を検証した実験は行われていません。しかし、CBDは疼痛や吐き気、睡眠などの調節を行うエンドカンナビノイドシステム(ECS)に作用することで身体に様々な作用をもたらすことが示唆されています。ただし、まだ研究段階であるため、今後の研究に期待しましょう。

CBD濃度は偏頭痛の症状緩和に影響しますか?(30代女性)

そもそもCBDと偏頭痛の症状緩和の関係性も研究段階であるため、濃度との関係も明らかになっていません。症状緩和を目的とした使用は控え、まずは医師に相談しましょう。一般的なCBDオイルの使用には、5%以上が望ましいとされています。参考にしてみてください。

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医療用大麻をしたアメリカの研究においては、48人の患者を対象に医療用大麻の偏頭痛への効果を検証したところ、およそ40%の患者で偏頭痛の発作の頻度が減少したと報告されました。しかし、エビデンスは十分ではなく今後も更なる研究が必要であるため、偏頭痛に関するお悩みを持った方がCBDを使用したい場合は医師に相談するようにしましょう。