CBDは熱で分解されてしまう?防ぐ方法と保存や使用上のコツと紹介!

CBDは熱で分解されてしまう?防ぐ方法と保存や使用上のコツと紹介!

CBDやCBDオイルは熱や空気、光に弱く、劣化しやすいため使用や保管にちょっとしたコツが必要です。本記事では、CBDが生成される過程で行われる脱炭酸やCBDやCBDオイルを劣化させない保存方法および使用方法などについて解説します。
この記事はこんな方におすすめ!
  • CBDは熱で分解されるのか気になる方
  • CBDオイルの正しい保存・保管方法を知りたい方
  • ご使用中のCBD製品やCBDオイルが劣化しているか心配な方

CBDはどのように生成される?脱炭酸とは?

CBD(Cannabidiol:カンナビジオール)とは主に大麻草から抽出されるカンナビノイドと呼ばれる成分の一種です。心身ともに多くのメリットをもたらすことから、近年日本や世界で爆発的な人気を博しています。

日本では、大麻は大麻取締法の元で違法物質として扱われます。それは、THC(Tetrahydrocannabinol:テトラヒドロカンナビノール)という精神活性作用のあるカンナビノイドが含まれているためです。

CBDとTHCの体内での作用は全く違うものであり、CBDには精神を興奮させたり陶酔させたりするような作用は一切ありません。

CBDやTHCなどのカンナビノイドは、大麻の茎や葉、花、種子などから生成されますが、最初からCBDやTHCとして植物内に蓄積されるわけではありません。

CBDやTHCはそれぞれCBDAやTHCAといった化合物から作られます。「A」は、Acid(酸)を表しています。

CBDAやTHCAにも多くの効果・効能があることがわかっていますが、その作用はCBDやTHCとは同じものではありませんし、CBDやTHCほど強いものでもありません。

そのため、生の状態の大麻や乾燥させた大麻を食べたとしても、精神活性作用をもたらす唯一の成分であるTHCはほとんど含まれていないので「ハイ」になることはありません。

脱炭酸(Decarboxylation)とは、CBDAやTHCAから、酸(A)を取ってCBDやTHCに変化させることです。脱炭酸をさせる方法は複数あります。

その一つは、自然に植物自体が脱炭酸を起こすのを待つ方法です。CBDAやTHCAは、大麻草が日光や空気に晒されることで徐々にCBDやTHCに変化します。

しかし、この方法では非常にゆっくりとCBDやTHCに変化するためたくさんのCBDやTHCが作られるためには非常に時間がかかります。

そこで、もう一つの方法としてCBDAやTHCAを人工的に加熱することで即座に脱炭酸を発生させる方法があります。CBDAが脱炭酸してCBDになる温度は110℃ですので、それ以上の高温の熱を加える必要があります。

人工的に加熱をするにもいくつかの方法があります。その一つが大麻が合法な国ではメジャーな、タバコのように火をつけて大麻を吸引する方法です。

また「大麻ブラウニー」などで知られている焼き菓子の中に大麻の葉などを混ぜ込んで、それらを焼く際に脱炭酸をさせる方法もあります。

そのほかには、加熱したオイルの中に大麻を入れて加熱しながら大麻の成分を溶解する方法もあります。

また、近年においてCBDの抽出方法として最も一般的になりつつある超臨界二酸化炭素抽出法では、超低温の二酸化炭素と高圧力によって大麻の成分を破壊することなく抽出できます。

この超低温でCBDを抽出する方法では、加熱が一切行われていないと思われるかもしれません。

しかし、蒸留して成分を分離する際に、特殊な機械で気圧を下げることで沸点を110℃よりも低くして、低温で脱炭酸が行われているのです。

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CBDは熱によって分解されてしまう?調理に使えるの?

CBD料理
CBDを活性化させるには加熱による脱炭酸が必要ですが、一度脱炭酸されたCBDはある温度に達すると気化してしまいます。

カンナビノイドによって気化する温度は様々ですが、CBDの場合は160〜180℃で気化します。また、気化した段階でCBDの効果は残っていますが、220℃に達すると完全に燃焼してCBDが消失してしまいます。

そのため、CBDやCBDオイルを扱う際には高熱に注意する必要があります。

例えばCBDやCBDオイルを調理に利用する場合、オーブン料理や揚げ物などの高温での調理をしてしまうとCBDやCBDオイルが完全に燃焼して全く効果がなくなってしまう可能性もあります。

また、キッチンにはガスコンロや電子レンジ、オーブンなど高温になりやすい調理器具が数多くあります。そのような物の近くにCBDやCBDオイルを放置することも劣化を招く要因となります。

そして、CBDやCBDオイルは高温ではなくても劣化する可能性があります。37℃の室温に放置したCBDパウダーが24時間以内に平均で10%が劣化したことが2020年にスペインで行われた研究で報告されています。

また2020年にイタリアで報告された文献では、37℃で30日間放置したCBDリキッドでは、平均で20%のCBDに劣化が見られたということです。

そのため、夏場であれば冷房が付いていない部屋や車内などに置いておくだけで劣化する可能性もあります。冬場でも、暖房器具のすぐ側に保管することは望ましくないでしょう。
CBDやCBDオイルの適切な保管・保存方法は?賞味期限はある?CBDやCBDオイルの適切な保管・保存方法は?賞味期限はある?

CBDやCBDオイルの劣化の原因は熱以外にもある?

そもそも、CBDやCBDオイルは劣化するとどのような状態になるのでしょうか。品質の劣化の現れとして最もわかりやすいのは味や匂いの変化でしょう。

通常、フレーバーを加えられていないCBDオイルは麻独特の「草っぽい」ような匂いが特徴です。人によってはこの風味が苦手と感じることもあります。

劣化したCBDやCBDオイルとなると、明らかに鼻をつくような不快な匂いや味に変化します。

そして見た目の変化としては、CBDオイルが濁ってきたり購入した当初よりも粘性が高くなったりします。

しかし、CBDやCBDオイルが濁る要因は劣化以外にもあるため注意が必要です。例えば、CBDオイルが冷蔵庫内などの低温で保管されていた場合はキャリアオイルが固まって白っぽく濁ることがあります。

もしも、CBDオイルを数分間室温に置いて元の透き通った状態に戻るのであればそれは劣化ではありません。

また、CBDやCBDオイルは無色透明な製品だけでなく、CBDブロードスペクトラムなどCBD以外の麻の成分を含むCBD製品であれば初めからCBDオイルが黒っぽい色をしていることがあります。

しかし、CBDブロードスペクトラムなどCBD以外の麻の成分を含むCBD製品にとってこれは正常な色です。

あくまでも、購入時から時間が経って色に変化が見られ、さらに味や匂いが悪くなった場合にのみ劣化の可能性がでてきます。
CBDオイルが変色?その原因と使用上の注意点を紹介!CBDオイルが変色?その原因と使用上の注意点を紹介! すでに熱による劣化についてはお話ししましたが、CBDやCBDオイルは空気(酸素)と光も劣化の要因となります。

先ほど紹介した2020年にスペインで行われた研究によると、CBDは空気に触れ続けた状態では1.77日で劣化が見られました。

また「光だけ」では他の要素と比べて劣化の要因としては大きくありません。しかし、熱や空気などの他の要素に光が加わることで劣化を加速するとされています。

他にも、CBDそのものには問題がなくても製品によっては雑菌が繁殖する可能性があることを2021年にチェコ共和国で行われた研究で示唆されています。

基本的に油分のみで構成されているCBDオイルやCBDバームなどは水分が含まれていないため雑菌の繁殖はありません。

製品に水分が含まれているCBDクリームなどは雑菌が繁殖する可能性があるため清潔な手やヘラなどを使用して雑菌の繁殖に気をつけましょう。

CBDやCBDオイルの分解・劣化を防ぐコツは?購入時・使い方の注意点も!

これまでに説明した通り、CBDやCBDオイルの天敵は熱、空気、光です。これらを徹底的に避けることでCBDの分解や劣化を防いで長期間保存することができます。

結論として、最も簡単に、そして確実に熱や空気、光の三要素を予防できるのは一年中冷蔵庫の中で保管することではないでしょうか。

先ほど紹介した2020年にスペインで行われた研究によると、室温で保存した場合は112日で劣化したのに対し、5℃で保管した場合は1年近く劣化が起こらなかったと報告されています。

しかし自宅で使用するだけでなく、CBDやCBDオイルを外出時に持参したい場合もあるでしょう。

CBDやCBDオイルを持ち歩く場合は、CBDの入った容器を直射日光に長時間当てないように注意し、心配な場合はアルミホイルで容器を保護したりするなど、熱、光、空気に触れさせる機会を最低限にしましょう。

また、CBDやCBDオイルは製品によって色や匂い、味、賞味期限などが違うため、購入時にはそれらの情報を確認して必ず賞味期限以内に使い切るようにしましょう。

調理にCBDやCBDオイルを使用する場合は、160〜180℃以下でなければCBDが破壊されてしまいます。しかし実際のところ、わざわざ温度計で温度を確認しながら調理することは手間ではないでしょうか。

また、料理によっては部位によって温度差があることもあり、温度のコントロールは簡単ではありません。

このようなことを考えると、CBDやCBDオイルはできるだけ限り加熱をする料理への使用は控えることが望ましいでしょう。

もしも暖かい料理にCBDやCBDオイル加えたい場合は、火を止めてから加える、電子レンジやオーブンで温めないようにすることを意識しましょう。

CBDやCBDオイルを使用したレシピの例は「CBDやCBDオイルは料理に取り入れられる?おすすめレシピを紹介!」で紹介していますので、参考にしてください。

CBDやCBDオイルは料理に取り入れられる?おすすめレシピを紹介!CBDやCBDオイルは料理に取り入れられる?おすすめレシピを紹介!

関連文献

CBDの品質に関して皆様から頂いた質問

CBDは劣化しますか。(30代女性)

CBDは熱、空気、光などが原因で劣化してしまいます。

CBDが劣化していることを判断する方法を教えてください。(40代男性)

品質の劣化の現れとして最もわかりやすいのは味や匂いの変化でしょう。劣化したCBDやCBDオイルとなると、明らかに鼻をつくような不快な匂いや味に変化します。そして見た目の変化としては、CBDオイルが濁ってきたり購入した当初よりも粘性が高くなったりします。これらの変化が見られた場合、直ちに使用をやめてください。

CBDオイルを持ち歩く際の注意点を教えてください。(40代女性)

CBDの入った容器を直射日光に長時間当てないように注意し、心配な場合はアルミホイルで容器を保護したりするなど、熱、光、空気に触れさせる機会を最低限にしましょう。