CBDやCBDオイルとは?危なくない?
CBDは、大麻草などの植物から抽出されるカンナビノイドという成分の一種です。CBDをオリーブオイルやココナッツオイルなどのキャリアオイルと混合した製品がCBDオイルと呼ばれます。CBDは私たちの身体に存在するエンドカンナビノイドシステム(ECS)という身体機能の調節を行う仕組みを活性化します。ECSは疼痛や炎症、ストレス、不安、睡眠、食欲など現代人が抱える多くの悩みに作用します。
ECSはもともと体内で分泌されているアナンダミド(AEA)や2-AGという内因性カンナビノイドが、全身に発現するCB1やCB2などのカンナビノイド受容体を活性化することで機能しています。
CBDは直接CB1やCB2に作用しませんが、AEAや2-AGを破壊する酵素を抑制することで分泌量を増加させたり、様々な神経伝達物質の受容体に作用します。
また、植物由来のCBDにはビタミンCやビタミンEよりも強力と言われる抗酸化作用があります。そのため、老化や様々な病気を引き起こす原因となる活性酸素を除去できる嬉しい効果もあります。
日本では大麻そのものは大麻取締法において所持が禁止されていますが、その成分の一つであるCBDには危険性はないのでしょうか。
CBDの原料である大麻草には陶酔作用や向精神作用を引き起こすTHCというカンナビノイドが含まれています。
CBDとTHCの体内での作用は全く違うため、抽出されたCBDのみを摂取しても「ハイ」になったり、依存性が引き起こされたりすることはありません。
そして、CBDやCBDオイルは病院処方される薬や薬局などで購入できるの薬などと比較すると副作用が非常に少ないです。
これまでにCBDの副作用として下痢や口渇感、強い眠気、食欲や体重の増加などが報告されていますが、適量を摂取する限りは健康を損なうような重篤な症状は起こりづらいとされています。
女性に嬉しい!CBDの驚くべき作用6選
CBDやCBDオイルには様々な効果・効能がありますが、本記事のテーマである「女性に嬉しい作用」とはどのようなものがあるのでしょうか。
1. 様々な痛みを緩和する
「女性だけが経験する痛み」といえば、月経前症候群(PMS)で知られる子宮や卵巣の痛みや胃痛、腰痛、頭痛などがあります。そして、特別な機会ではありますが出産時や産後の痛みもあります。
また、女性特有ではなくても女性患者の方がかかりやすい、激しい痛みを伴う疾患もたくさんあります。
日常的に片頭痛を抱えている男女の割合は、女性患者が男性患者の4倍と言われています。また、関節の変形や激しい痛みで知られる関節リウマチでも女性患者が圧倒的に多いです。
他にも原因不明の難病で激しい疼痛を引き起こす線維筋痛症の患者も80〜90%が女性です。そして、僅差ではありますが、治癒後も長年に渡って痛みを伴う帯状疱疹も女性患者が25%ほど多いです。
一般的に女性の方が痛みに強いと言われていますが、生理や妊娠、出産のように「女性特有」であったり、「女性の方がかかりやすい」と言われる病気や症状などが多いことが根底にあるのではないでしょうか。
CBDやCBDオイルは全身に生じる炎症や痛みを軽減できる作用があり、基礎疾患がない場合の頭痛や生理痛などの痛みに対して鎮痛剤として使用することができます。
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また、CBDやCBDオイルは激しい痛みを伴う疾患である関節リウマチや線維筋痛症、帯状疱疹などに対して、これからさらなる研究が必要ではありますが、有効性があることが示唆されています。
2. 美肌効果やアンチエイジングの作用がある
学生時代にはニキビで悩んだり、社会人になるとストレスや疲労で肌荒れしたり、また30代以降ではシワやシミなどが気になったりと、どの年代でも女性は常に肌の悩みが尽きないものです。
また、炎症は軽減されてもケロイドやニキビ痕などが残ってしまったことを気にされている方も多いのではないでしょうか。
おそらく多くの方が肌を綺麗にするために百貨店やドラッグストアなどで購入した化粧水や美容液、皮膚科で処方された薬などを試したことがあると思います。
しかし、化粧品や薬などはアトピー性皮膚炎やアレルギーなどがあると、ますます皮膚の状態を悪化させてしまったり新たな皮膚トラブルを引き起こしたりすることもあるため肌が弱い方は使用できないこともあります。
CBDやCBDオイルには美肌のために有効な作用がいくつもあります。
例えば、CBDはニキビの原因となる皮脂の過剰な分泌をコントロールしたり、抗炎症作用によってニキビの炎症を軽減したりします。反対に、加齢によって皮脂の分泌量が低下すると皮脂の分泌を増やすように働きかけます。
それによって皮膚の乾燥によってできる小じわなどを予防できると考えられます。
また、CBDの持つ抗酸化作用は皮膚を組成するコラーゲンを作り出す線維芽細胞や生成されたコラーゲンそのものを活性酸素によるダメージから守ります。
そして、間接的な作用ではありますがCBDやCBDオイルは活性酸素が増加する原因となるストレスや睡眠不足の改善にも有効あることが知られています。
CBDやCBDオイルはアトピーなどの敏感肌や化粧水などでアレルギー反応が出る方が使用しても問題はないとされています。
しかし念のため、すでにステロイドなどの薬を使用している場合はCBDやCBDオイルを使用する前に必ず医師に相談するようにしてください。
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3. ホルモンバランスを調整する
男女問わず体内では様々なホルモンがバランスを保って分泌されていますが、その量は非常に少ないものです。
血液中のホルモン量は、50メートルのスイミングプールに水をいっぱいに張って、ティースプーン1杯分のホルモン量を混ぜたくらいの薄さと例えられます。
それほどに微量であるため、「身体にとって些細なこと」であってもそのバランスはあっという間に崩れてしまします。
ホルモンに影響を与える要因は日常で数多くあります。ダイエットや食欲の低下による体重減少、過食、偏食、飲酒、喫煙、薬品、過労、ストレス、睡眠不足など様々です。
そして、女性はエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンのバランスの変動によって毎月PMSに悩まされたり、閉経後は女性ホルモンの分泌量が減少して更年期障害を抱えることとなったりします。
CBDやCBDオイルを摂取することでホルモンの分泌に有意な影響を与えるかどうかは、まだ研究数が少ない状態です。
これまでにCBDはストレスを感じた時に増える副腎皮質から分泌されるコルチゾールというホルモンを減少させることが報告されていますが、他のホルモンを増やしたり減らしたりする作用があるかどうかは不明です。
しかし、先述したようにCBDはホルモンバランスに影響を与えるストレスを軽減したり睡眠障害を改善したり、また食欲をコントロールすることで体重の増減を落ち着かせたりすることが可能です。
さらに、ホルモンを分泌する臓器である脳や甲状腺、卵巣、副腎などにもCBDが間接的に作用するカンナビノイド受容体が発現しているため、それらが活性化されることで臓器の機能が向上することは十分に考えられます。
4. 胃腸障害を改善する
PMSの症状の一つには便秘や下痢、食欲の増加などの胃腸障害があります。また、ダイエットなどで食事量を減らしたり、過度なストレスなどがきっかけとなったりして慢性的に便通異常がある方は少なくないと思います。
通常は心身が緊張状態になり交感神経が優位になると胃腸の活動性は低下します。したがって、緊張した状態で食事をすると食欲が無くなったり、消化不良などを起こしたります。そして腸の動きが低下するため便秘になります。
その後、便秘を解消するために薬に頼ると効きすぎて下痢になったり、薬が手放せなくなり便秘と下痢を延々と繰り返す人も少なくありません。
緊張するとお腹が痛くなることで知られる過敏性腸症候群(IBS)も実は女性患者の数が男性患者の約2倍近くとされています。
IBSの患者も同様に、常にお腹を下しやすいというイメージがあるかと思いますが様々なタイプがあり、便秘型や下痢と便秘の両方が交互に起こる混合型などもあります。
CBDやCBDオイルは多くの女性にとって身近な問題である胃腸障害にどのように作用するのでしょうか。
まず、CBDは食欲を抑制して生理前などの暴飲暴食を予防することができます。そして、副作用としても挙げられますが、CBDは食欲がない時には食欲を増進する作用もあります。
また、CBDは副交感神経を優位にして腸の動きを活発化させたり、反対に大腸の神経が過敏になっている場合は抑制したりします。そのため、下痢や便秘の両方のタイプの胃腸障害の改善にも有効である可能性が高いです。
5. 冷えを改善する
心身が緊張した時に優位になる交感神経は、心臓や脳などの重要な臓器への血流量を増加させるために手足の末梢血管を収縮させます。そのため、手先や足先の血流が悪くなり冷えが生じます。
秋や冬は特に気温も相まって冷え性が酷くなることもあるのではないでしょうか。
冷えを改善するには、手袋や靴下などで保温をすることに加えて、副交感神経を活性化させることが有効です。副交感神経が優位になると心身がリラックスして血管が拡がり血流が改善されます。
CBDやCBDオイルは副交感神経を優位にさせると説明しましたが、血流を改善する効果が報告されています。
6. ダイエットをサポートする
加齢とともに代謝が落ちて体脂肪が増えたり、いくら運動したり食事量を減らしたりしても年々痩せにくくなったと感じた経験はあるのではないでしょうか。
私たちの身体で血液中の糖をエネルギーに変換するのはミトコンドリアですが、加齢とともにミトコンドリアの機能が低下します。そのため、血液中の糖をうまく取り込んでエネルギーを産生できなくなるとされています。
エネルギーとして使われない血液中の糖は、脂肪組織や内臓などの組織に定着して体外へ排出されない形になってしまいます。
ダイエットに有効であるCBDやCBDオイルの作用は、食欲を抑えることとミトコンドリアの機能を回復してエネルギーの燃焼を助けることでしょう。
韓国の大学で行われた研究では、CBDによって脂肪組織がエネルギーとして燃焼しにくい白色脂肪から、燃焼しやすい褐色脂肪に変換されたことが報告されました。
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CBDやCBDオイルを購入する際の注意点は?
CBDやCBDオイルの摂取は女性にとって利点ばかりとも言えるぜひ取り入れたい健康習慣ではありますが、CBD製品を購入する際に注意すべきポイントがいくつかあります。
まず、CBDやCBDオイルは必ずメーカー直営のサイトやメーカーの実店舗などで購入するようにしてください。
多くの方にとってラクマやメルカリなどのフリマアプリは馴染みがあると思いますが、CBD製品を購入することは避けてください。
また、アマゾンや楽天などにはCBD製品に類似した「ヘンプオイル」が販売されています。CBDオイルとヘンプオイルは別物であるため、間違いを避けるためにもこれらの通信販売サイトでの購入もお勧めしません。
そして、製品の確認項目には以下のようなものがあります。
第一に、購入するCBD製品にTHCの混入がないことです。海外では大麻が禁止されている地域でも0.3%以下のTHCは合法とすることが多く、微量に含まれていてもTHCフリーとして販売されていることもあります。
実際に大手メーカーのCBD製品で、日本で販売する基準をクリアしたCBD製品からごく微量のTHCが検出されて回収となったこともあります。
次に、CBDの原料を栽培する際に危険な農薬が使用されていたり、土に重金属など含まれていたりすると、CBD製品も汚染されている可能性があります。
購入の前には必ず、これらTHCや重金属などの身体にとって有害な物質が含まれていないことが「第三者機関」によって検査されていることを確認してください。
他にも、CBD製品は成分の表記に関するルールが規定されていないため、大切な情報が抜けていたりミスリードされることも多々あります。
例えば、海外から輸入したCBDを使用して日本で加工したものを「原産国:日本」と謳っていることもあります。しかし日本では麻の栽培が制限されているため、これは正確な情報ではありません。
中にはCBDの含有量すら書かれていないCBD製品も存在します。過去には、商品名に「CBD」と書かれているにも関わらず一切CBDが入っていなかったことも報告されています。
CBD製品は安価なものではない上に、偽物や品質が悪いものは健康被害が起きる危険性があります。ありとあらゆる情報を確認し、少しでも曖昧である場合は購入を避けるようにしましょう。
関連文献
CBDやCBDオイルの女性特有の症状への作用に関して皆様から頂いた質問
CBDやCBDオイルは生理痛に作用しますか?(20代女性)
CBDやCBDオイルは全身に生じる炎症や痛みを軽減することで頭痛や生理痛などの痛みへ作用するのではないかと考えられ研究が行われています。さらに、今後研究が進むことで関節リウマチや線維筋痛症、帯状疱疹などへの作用も明らかになるかもしれません。
CBDやCBDオイルはホルモンバランスに作用しますか?(30代女性)
CBDやCBDオイルを摂取することでホルモンの分泌に有意な影響を与えるかどうかは、まだ研究数が少ない状態です。しかし、CBDはホルモンバランスに影響を与えるストレスを軽減したり、睡眠障害を改善することができるのではないかと期待され、現在海外では研究が行われています。
CBDやCBDオイルには肌質改善やアンチエイジング作用はありますか?(40代女性)
CBDは抗炎症作用によってニキビの炎症を軽減したり、皮脂の分泌を増やすように働きかけることで皮膚の乾燥による小じわを予防できたりするのではないかと言われています。ただし、まだ研究段階である部分も多いため、今後の研究に期待しましょう。