CBDやCBDオイルで覚醒?睡眠改善?反対の作用が期待できるワケとは

CBDやCBDオイルで覚醒?睡眠改善?反対の作用が期待できるワケとは

近年話題になっているCBDやCBDオイルには覚醒を促し集中力を上げる効果があるとされています。一方で、不眠を解消する効果もあると言われています。なぜ、覚醒と睡眠改善、双方への作用が期待されているのでしょうか。そのメカニズムについて解説します。

CBDやCBDオイルは覚醒したり集中力がUPしたりする?エビデンスは?

CBDの睡眠への作用
CBDとはカンナビジオール (Cannabidiol) の略称であり、近年日本でも注目を集めている成分です。

主に麻から抽出されるものではありますが、THC (テトラヒドロカンナビノール) とは違って、精神活性作用はなく日本の法律でも違法ではありません。

さらには、CBDには精神をリラックスさせる作用など、様々な心身へのメリットがあると言われています。

そのようなCBDを気軽に摂取できるよう、最近はさまざまなCBD製品が販売されており、CBDをココナッツオイルやオリーブオイルなどのキャリアオイルに配合したCBDオイルは、代表的なCBD製品の一つです。

覚醒を促し集中力のアップさせることは、CBDの効果・効能の一つとして期待されています。

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CBDが覚醒や集中力に貢献する理由とは

一般的に、覚醒や集中力をアップさせる成分といえば、THCのように精神を高揚させるものというイメージがあると思います。

しかし、先述の通りCBDにはそのような作用はなく、むしろ精神をリラックスする作用があります。それにもかかわらず、なぜCBDは覚醒や集中力をもたらしてくれるのでしょうか。

CBDには不安やうつといった気分を解消し、気分を前向きにする神経伝達物質であるセロトニンの脳神経の働きを高めるという報告があります。

2013年に海外で発表された研究によると、マウスを使った実験で、CBDが神経伝達物質であるセロトニンの受容体である5HT-1Aの働きを促進しました。その結果、うつや不安障害への作用、抗パニック効果が示唆されています。

CBDのこのような作用によって、後ろ向きな気持ちが解消され頭がすっきりすることが、覚醒という感覚として実感できると考えられます。

さらに、目覚めよく頭がすっきりすることで、目の前の作業に没頭しやすくなり、そのことによって集中力のアップも期待できます。

また、集中力が削がれる原因には、身体の不調や痛みによって、身体が重かったり怠かったりすることも挙げられます。

CBDは生体の状態を正常に整えたり、痛みや痒みを抑えたりする効果もあります。そのため、そのような悩みによってなかなか集中ができないという方にも、CBDはおすすめできます。
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CBDやCBDオイルが睡眠の質を向上させるのは嘘?

CBDと睡眠

このように、日中の覚醒や集中力に貢献すると考えられているCBDですが、一方で「睡眠改善の効果」もあると言われています。

日中の覚醒と夜間の睡眠は、一見相反しています。

では、CBDの睡眠改善の効果は「偽りの広告」になってしまうのでしょうか?

そんなことはありません。実際に、CBDには日中の覚醒・夜間の睡眠の双方に効果があることが研究でも明らかになっていますのでご安心ください。

なぜ双方へのメリットがあるのかについては、次項で説明します。

とはいえ、睡眠の効果を実感したくてCBDを試してみたけれど、期待したほどの効果がなかった、という方もいらっしゃるでしょう。

実際に、CBDを摂取した時の効果はその人の体質や身体の状態によっても異なるため、人によって感じ方も変わります。

しかしながら、期待通りの効果が現れなかったからといって、自分にCBDが合わないと考えるのは早いかもしれません。

なぜなら、今までのCBDの摂取の仕方が、ご自身にとって適切ではなかったという可能性もあるためです。

例えば、CBDの摂取量が少なすぎて、効果が実感できなかったという可能性です。

その場合はCBD摂取量を増やすとより良い効果が現れるかもしれません。

また、CBDは摂取する時間帯や摂取の仕方によっても、効果の現れ方は変わると言われています。

この点も、後で説明します。

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CBDやCBDオイルはなぜ覚醒と睡眠改善の相反する作用が期待されているのか

先述したように、CBDは覚醒と睡眠改善双方のメリットが報告されています。

では、どうしてCBDにはこのような相反する作用が期待されているのでしょうか。

その理由の一つとして挙げられるのは、神経伝達物質であるセロトニンと眠りを促す物質であるメラトニンの関係性です。

セロトニンは日中の活力や前向きな気持ちをもたらす神経伝達物質ですが、夜間にはメラトニンという眠りを促す物質に変換されます。

つまり、セロトニンとメラトニンが適切に作用することが、人の日中活動や眠りのサイクルには重要になります。

前述した通り、CBDは脳内のセロトニン受容体の働きを促進するため、セロトニンの効果が上がり、日中は気持ちが前向きになって覚醒や集中力アップにつながります。

夜間はそれらのセロトニンがメラトニンに変換され、良い眠りを促します。

またCBDには不安を改善しリラックスを促したり、痛みを和らげたりする作用があるため、それによって気分が穏やかになることも、より良い眠りの後押しとなるでしょう。

実際に、CBDには不安によって不眠の症状が出ている方の睡眠の質を向上させたという報告もあります。

CBDやCBDオイルにはリラックス効果がある?不安解消にも期待!

また、CBDによって日中活動と休眠の生活リズムが整えられることも、覚醒と睡眠の双方を促してくれる理由の一つといえるでしょう。

CBDの質の良い睡眠をもたらす効果が心身の疲れを取り、朝のすっきりした目覚めや日中の集中力の向上につながっているということです。

即ち、日中のセロトニンの働きと夜間のメラトニン変換のサイクル、夜間気分が穏やかになること、生活リズムが安定することが、CBDの覚醒・睡眠双方に効果がある理由と言えます。

CBDやCBDオイルで覚醒するための摂取の仕方やタイミングは?睡眠改善のために使用したい人も必見!

CBDには日中の覚醒や集中力アップへの効果が期待できます。

しかし、一方では摂取の仕方などによっては期待した通りの効果が得られない可能性もあります。

では、CBDやCBDオイルで、日中の覚醒をもたらしたりや集中力を上げるためには、どのようなポイントがあるのでしょうか?

また、日中の覚醒とは表裏一体の作用ともいえる、睡眠改善のポイントについても紹介します。

摂取する時間帯を振り分ける

まず、CBDを摂取するタイミングが重要です。

なぜなら、CBDは摂取したタイミングによって、生体に与える効果が変わるためです。

そのため、覚醒を促すためには起床した直後、日中に集中力を持続させたい時は昼間、深く眠りたい場合は就寝前、という具合に摂取するのが良いです。

また、CBD製品によっても変わりますが、CBDは摂取してから効果が現れるまでにタイムラグがあります。

例えば、CBDオイルであれば、効果が現れ始めるまでに15分~1時間ほどかかりますので、効果を実感したい時間から逆算して摂取をすると良いでしょう。

そのため、もし覚醒・入眠など複数の効果を期待したいのであれば、CBD摂取を1日1回ではなく、さまざまなタイミングで複数回に分けるのも効果的です。

CBDやCBDオイルはどの時間帯に摂取するのが最適?朝?昼?夜?CBDやCBDオイルはどの時間帯に摂取するのが最適?朝?昼?夜?

CBDの摂取量によっても効果の現れ方は変わる

CBDの副作用として、日中に強い眠気を訴えたりする症状があります。

しかし、これはCBDが単純に身体に合わないというわけではなく、CBDの摂取量に問題があるのかもしれません。

実は、CBDの覚醒や入眠の効果には、その時に摂取するCBDの量も大きく関わると言われており、CBDを多量に摂取すると神経がリラックスして眠気を起こしやすいと言われています。

実際に、高用量 (160mg) のCBDがリラックス作用をもたらし、不眠症の方の睡眠の質を向上させたというデータがあります。

1日に摂取するCBDの適量には個人差があります。一般的に推奨されている方法は、10mg前後から摂取を始めて、週に5mgずつ増やすといったように、効果が実感できるまで徐々に摂取量を変えていくというものです。

このような方法を通じて、結果的に多くの方が1日に摂取するCBD量は数10mgであることが多いです。このことから考えると、160mgというCBD量がとても高用量であることがお分かりいただけると思います。

このように、夜間の睡眠を向上させたい場合は、夜間のCBD摂取量を日中より多くするとより良い効果が実感できるかもしれません。

とはいえ、睡眠の質を向上させるために、100mgを超えるほどの高用量のCBDが必ずしも必要ということではありません。

日頃からCBDオイルを使用する中で、ご自身の適量を知り、その範囲内で時間帯に応じたCBDの摂取量にメリハリをつけてみてください。

それでも効果がない場合は、その製品もしくはCBD自体がご自身の身体に合っていない可能性もありますので、別の製品を検討したり専門家に相談したりする必要があるかもしれません。

ご自身の目的に沿った効果が実感できるよう、CBDの摂取の仕方も少し工夫してみるのが良いでしょう。

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