睡眠の質を高めるチョコレートがある?GABAは実際どうなの?

睡眠の質を高めるチョコレートが ある?GABAは実際どうなの?

睡眠障害は日本人の5人に1人が悩んでいる国民病になっています。本記事では、そのような症状を軽減するためのチョコレートについて解説しています。GABAチョコレートの使用感や効果の有無、GABAとはどのようなものか、またCBDチョコレートを摂取する利点についても説明しています。

睡眠不足の原因には何がある?

現在、日本人の5人に1人が睡眠不足や不眠症状を抱えているほど、睡眠障害は国民病となっています。

なぜ多くの人が睡眠障害を引き起こし、睡眠不足に悩んでいるのでしょうか。

一口に睡眠障害と言っても、その原因は人によって様々です。多くの原因がある中で、主に7つの原因を次に示します。

  • 不安や緊張、痛みやかゆみなどから生じる心身的なストレス
  • 過活動膀胱や前立腺肥大症などの頻尿を引き起こす病気によるトイレに行く回数の増加
  • 光や音、湿度や温度などの環境に対する不快感
  • コーヒーに含まれているカフェインやたばこに含まれているニコチンが原因の覚醒やアルコールによる睡眠の質の悪化
  • 加齢による睡眠の質の悪化
  • 夜勤などで生活のリズムが崩れた結果、引き起こされる自律神経のアンバランス
  • 長期に服用していた睡眠薬を突然止めたことで起こる離脱症状

このようなことが原因で睡眠不足が引き起こされます。また、睡眠不足はさらなる睡眠不足の悪化を引き起こす恐れがあります。

睡眠障害を一度引き起こすと「今夜こそは眠らなければ」という思いが強くなる傾向があるからです。

その結果、就寝時間が怖くなったり、脳が過剰に覚醒したり、筋肉がこわばったりすることにつながり、余計に入眠困難な状態になることもめずらしくありません。

さらに、そのような状態でたとえ入眠できたとしても、眠った感覚がない「熟眠障害」という症状になったり、短時間しか睡眠がとれなくなったりなど急速に睡眠の質が落ちていく悪循環に陥ることもあります。

そもそもGABAとは?睡眠とどのように関係している?

GABAとは、γアミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)のことで、英語表記の頭文字をとってGABAと呼ばれています。

GABAは、植物や動物の体内に存在している天然のアミノ酸の一つです。体内では興奮を抑えるための抑制性の神経伝達物質として働きます。

GABAが含まれているサプリメントやチョコレートのパッケージに、ストレスを軽減することや興奮を鎮めることが書かれているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

このGABAによるストレス軽減やリラックス作用は、GABAの抑制性の効果によるもので、メカニズムは次のようになっています。

GABAが体内のGABA受容体に結合すると、抑制系のイオンが透過します。

この抑制系の働きが、脳や脊髄を抑制して興奮性のホルモンの働きを抑えたり、リラックスしているときに活性化する副交感神経の働きを活性化したりすることにつながります。

その結果、身体のストレスを軽減することができます。

GABAは睡眠と深い関係がある

GABAには睡眠障害を改善する作用もあります。GABAを摂取することで深い眠りであるノンレム睡眠に移行しやすくなる上に、GABAのリラックス効果により寝つきが良くなったりもします。

睡眠障害の原因によってはGABAの効果をあまり感じられないこともありますが、自律神経のアンバランスや不安、緊張で神経が高ぶって眠れないという方は、GABAの睡眠改善効果を実感できるかもしれません。

ちなみに一般的な睡眠薬であるベンゾジアゼピン系睡眠薬や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、GABA受容体を活性化し、GABAの働きを高めることで効果を発揮します。

このことからもGABAと睡眠は密接な関係があるということが理解できるのではないしょうか。

GABAチョコレートの使用感はどんな感じ?よく眠れる?睡眠の質を高めるって本当?

巷では、ストレスを軽減させるためのGABAチョコレートや睡眠の質を高めることを目的としたGABAチョコレートが販売されています。

果たしてこれらのチョコレートは本当に睡眠に効果があるのでしょうか。

GABAチョコレートはその名の通り、チョコレートにGABAが含まれているものですが、味は普通のチョコレートと変わりありませんので、おいしく食べることができます。

睡眠に対してですが、GABAチョコレートと睡眠のために作られたGABAチョコレートをベッドに入る1時間前に摂取した結果、GABAが含まれたチョコレートを摂取した方が眠るまでの時間が短くなったという報告があります。

また、睡眠の質を上げることを目的としたGABAチョコレートに関しては、眠るまでの時間だけでなく睡眠時間や深さなどによって計算される睡眠スコアの点数も上がったと報告されています。

このような結果から、チョコレートに含まれているGABAに多少なりとも睡眠を改善する効果があることが期待できると言えるでしょう。

ただし、GABAチョコレートは医薬品ではないため、GABAチョコレートを食べたからと言って強い眠気が出ることは考えにくいですし、GABAチョコレートによって睡眠障害が必ず改善するという保証はありません。

GABAの効果には個人差があるということや、睡眠不足の原因によってはGABAが効果を示さないことがあることも重ねて覚えておきましょう。

また、何日も一睡もできないなど深刻な不眠症状がある場合は、早急に医薬品が必要なこともありますので、まずは医師の診察を受けてください。

不眠の状態が続けば、躁状態や幻覚・幻聴を引き起こしたり、頻脈によって心臓に負担をかけたりすることもあります。

効果が緩やかなGABAチョコレートを試している間に不眠症が悪化することも考えられるため、自分の症状の重さをよく観察することが重要です。

CBDチョコレートとGABAチョコレートとの違いは?どちらがおすすめ?

GABAチョコレートに睡眠の質を改善する可能性があることが分かりましたが、同じく睡眠の質を高めると言われているCBDチョコレートはGABAチョコレートと比べてどのような違いがあるのでしょうか。

CBDの抗不安作用

CBDにはGABAと同じように抗不安作用、いわゆるリラックス効果があります。

GABAのリラックス効果がGABA受容体を介しているのに対して、CBDのリラックス効果はセロトニン受容体を刺激することで不安を軽減すると言われています。

抗不安作用のメカニズムは違うものの、心配事や緊張での興奮状態を鎮めて眠りに導くという点ではGABAもCBDも同じです。

このことから気持ちが高ぶって眠れない時にCBDチョコレートを摂取すれば、GABAチョコレートを摂取するときのようなリラックス効果を身体に与えることが期待でき、睡眠の質を高めることが期待できるでしょう。

CBDの疼痛緩和作用

CBDは、エンドカンナビノイドシステム(ECS)とよばれる睡眠や免疫、痛みを調節する機能を高める作用があります。

ECSは、身体にウイルスやバクテリアなどに感染した状態や炎症が起きている状態などを元に戻すシステムのことです。CBDは、ECSを活性化することによって抗炎症作用や疼痛緩和作用を現すと考えられています。

この疼痛緩和作用はGABAには見られない作用です。

睡眠障害の原因によってはGABAチョコレートが効かないことがあると上述しましたが、疼痛が原因で引き起こされている睡眠障害も、GABAチョコレートが効かない可能性が高い睡眠障害の原因の一つです。

以上のことから、痛みや炎症があり、眠りにつきにくいという方にはGABAチョコレートよりもCBDチョコレートを試してみることをお勧めします。

CBDに頻尿を改善する可能性がある?

睡眠障害の原因の一つに、過活動膀胱や前立腺肥大症などによる頻尿の病気があるということはすでに述べました。

夜中に何度もトイレに起きなけれなならないため睡眠時間が必然的に短くなりますし、起きたあと寝付くのに苦労するという声も非常に多く、頻尿が原因で不眠症を引き起こす例は少なくありません。

このような頻尿を引き起こす疾患をCBDが改善する可能性があることが示唆されています。

2010年の研究では、CBDが作用するカンナビノイド受容体が排尿機能障害に影響を及ぼすことから、泌尿器の疾患の治療に役立つ可能性があることが報告されました。

CBDと泌尿器疾患については現在調査中ですが、今後の結果によりCBDが頻尿に効果があることが証明され、頻尿の治療に役立つ日が来ることが期待されています。

ただし、CBDを頻尿の治療に使える証明はできていないものの、論理的にはCBDの受容体の働きが泌尿器疾患の改善に役立つことは十分考えられます。

頻尿が原因で睡眠障害を引き起こしているという方は、主治医にご相談の上、CBDチョコレートを試してみてはいかがでしょうか。

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