CBDトピカルとは?肝臓への影響や薬物相互作用の有無について解説!

CBDトピカルとは?肝臓への影響や薬物相互作用の有無について解説!

非常に多くの効果・効能を持つCBDを皮膚に直接使用したいと考える方も多いかと思います。美容系のCBD製品なども多く販売されており注目されているCBDトピカルですが、CBDの吸収による肝臓への悪影響や薬物相互作用などの心配はないのでしょうか。

CBDやCBDトピカルとは?

CBDクリーム

CBD(カンナビジオール)とはカンナビス ・サティバ ・エル(産業用大麻)やカンナビス ・インディカ(マリファナ)などの植物から抽出されるカンナビノイドと呼ばれる生理活性物質です。

大麻は精神を「ハイ」にする作用があることで知られていますが、これはCBDが引き起こす作用ではなく、大麻に含まれるもう一つの主要なカンナビノイドであるTHC(テトラヒドロカンナビノール)によるものです。

CBDとTHCの体内での作用は全く違うものであるため、CBDだけを摂取することで精神活性作用が現れることはありません。

CBDは私たちの身体に存在するエンド・カンナビノイド・システム(ECS)と呼ばれる身体の機能を一定に保つための仕組みに働きかけることがわかっています。

ECSはもともと体内で分泌されているアナンダミド(AEA)や2-AGなどの内因性カンナビノイドが、CB1やCB2などのカンナビノイド受容体を活性化することで様々な作用をもたらします。

CB1やCB2は全身に発現し、特にCB1は脳や脊髄などの中枢神経系に多く、CB2は皮膚や末梢神経、免疫細胞、皮膚などに多く見られます。

ECSは疼痛や炎症、不安、ストレス、食欲、睡眠などのコントロールに関わっています。

CBDは直接CB1やCB2を活性化する作用はほとんどありませんが、AEAや2-AGを破壊する酵素であるFAAHやMGMLなどを抑制することで体内での分泌量を増加させて作用を活性化します。

また、CB1やCB2以外にも全身の様々な神経伝達物質受容体を活性化したり阻害したりします。

原料となる大麻などの植物から抽出されたCBDは様々な製品に加工されます。その一つが今回の記事のテーマであるCBDトピカルと呼ばれる皮膚に塗って使用するCBD製品です。

CBDトピカルには非常に多くの種類があります。

現在販売されている製品では、CBDバームやCBDクリーム、CBD軟膏、CBDジェル、CBDローション、CBDパッチ、CBDシャンプー、CBD入浴剤、CBD美容液、CBD化粧水など非常に数多くあります。

また、ほとんどの場合は舌下摂取で使用される最もスタンダードなCBD製品であるCBDオイルも、皮膚に塗ってCBDトピカルとして使用することが可能です。

配合される成分によってCBDトピカルの製品名が違いますが「皮膚からCBDを摂取する」ということには変わりがありません。それでは、CBDトピカルにはどのような作用があるのかを見ていきましょう。

CBDトピカルには局所作用がある?身体に作用するメカニズムは?

英語でトピカル(Topical)には複数の意味があります。

トピカル(Topical)では「局所的な」と言う意味があり、Topical medicationでは、外用薬(塗り薬、貼り薬、目薬、坐薬などの内服したり注射したりしない薬)全般を意味します。

製品の名前にトピカルと名前に入っているように、CBDトピカルは局所的にCBDの効果をもたらすという特徴があります。

炎症や疼痛などがある部位の皮膚にCBDバームやCBDクリームなどを塗ると、CBDは皮膚や皮脂腺、末梢神経、免疫細胞などのCB1やCB2に間接的に働きかけて抗炎症作用や鎮痛作用をもたらすとされています。

CBDトピカルの効果を最も有効利用できるのは、CBDを患部に直に塗ることができるニキビや湿疹などの皮膚表面の症状であると考えられています。

過去の症例研究より、CBD軟膏によってアトピー性皮膚炎やニキビの炎症などが改善が見られたことが報告されています。
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また、CBDトピカルは皮膚表面だけでなく関節や筋肉など、皮膚の内側の痛みや炎症などにも作用があるとされています。

CBDトピカルに含まれるCBDは毛穴や汗腺などを通ってCBDが浸透したり、近年ではCBDトピカルに「経皮吸収促進剤」と呼ばれるCBDが皮膚から体内への吸収率をあげるような物質が追加されていることがあります。

2016年の研究では、関節炎を患うマウスにCBDジェルを塗布したところ、患部の疼痛や炎症の軽減が見られたことが報告されています。

今の段階では研究数などが限られていることもあり、実際に人がCBDトピカルを使用した時にどの程度浸透して筋肉や関節など、皮膚の下(筋肉や関節など)の組織の痛みや炎症などを改善するかは未知数です。

CBDトピカルの製品レビューなどでCBDユーザーが効果を感じていると言う書き込みを見ることができますが、正式な研究としての結果はありません。

2017年に行われた320人が参加したCBDジェルの効果の検証では、CBDジェルによる鎮痛作用や抗炎症作用などの有効性はあまり見られなかったことが報告されています。

CBDトピカルによって痛みや炎症の軽減があるないとも断言するにはまだ時期尚早なようです。

CBDやCBDトピカルは肝臓に悪影響をもたらす?

CBDやCBDオイルと肝臓

CBDを体内に摂取した場合はCBDによる肝臓への影響は全く無いわけではありません。血液中のCBDの濃度が「極端」に高くなると、肝臓に影響があることはわかっています。

一つ目の症例では、複数のマウスを高濃度のCBDを一日で大量に与えるグループと、低〜中濃度のCBDを10日間連続で与えるグループに分けて観察が行われました。

それぞれのグループでプラシーボ(偽薬)の他に3種類のCBDが準備されました。前者は体重1kgあたり246mg、738mg、2,460mg、後者は体重1kgあたり61.5mg、184.5mg、615mgです。

どちらのグループでも、肝臓の機能低下を示すASTやALT、総ビリルビンなどの値が悪くなったことが報告されています。特に615mg/kgを与えられたマウスは途中で瀕死の状態になったということです。

また、アメリカなどで正式な小児のてんかんの処方薬として使用されている、CBDを主成分とする薬であるエピディオレックス(Epidiolex)でも肝機能の低下が報告されています。

Epidiolexを摂取している子供で処方量が10mg/kgの場合は、肝機能の低下が起こって治療を一時的に中断しなければならなかったのは3%でしたが、20mg/kgに増量すると12%に上昇しています。

このように、CBDと肝機能の低下は関連がありますが、上の2つのCBDの摂取量に注目しましょう。

マウスの場合とてんかんの症例のどちらのケースも1日に摂取しているCBD摂取量がとても多いです。

例えば、マウスに10日間連続で投与された615mg/kgのCBDの量を体重50kgの人で換算すると、単純計算で30,750mgのCBDを10日間連続で摂取することになります。

通常CBDオイルは、15%・10mlのオイルであった場合、容器一本に含まれるCBD量は1,500mg程度です。

30,750mgという過剰なCBDの量を毎日摂取すると、いくら安全性が高いCBDであっても身体になんらかの影響があることは想像が難しくないでしょうし、上記の量を摂取することはまずないと考えられます。

サプリメントとしてCBD製品を使用した場合に報告されている副作用には肝機能の低下はありません。

したがって現在のところは、CBDの摂取によって肝臓に悪影響を与えるのではないかと初めからあまり心配する必要はありません。

しかし極端に多量のCBDを急激に摂取したりすると、やはり肝臓に悪影響を与える可能性はあるため、過度な摂取を控えることが大切です。
CBDやCBDオイルは肝臓に悪影響?目安摂取量や肝臓の疾患への影響は?CBDやCBDオイルは肝臓に悪影響?目安摂取量や肝臓の疾患への影響は? CBDの経口摂取に関してはこのような結果でしたが、CBDトピカルの場合はどうでしょうか。

そもそも、CBDが肝臓を含む全身に作用をもたらすにはCBDが血管内に吸収され、血液循環によって肝臓を含む全身の組織にCBDが行き渡る必要があります。

人の皮膚は元々ウイルスや薬剤などの刺激から体内を守るために非常に強くできており、簡単には外部からの物質を吸収しないような構造になっています。

例えば、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック以降、70%などの高濃度アルコール消毒液などで手指の消毒を頻繁に行いますが、そのアルコールが皮膚を通じて体内に吸収されることは通常あり得ません。

手荒れや乾燥、火傷などで皮膚のバリア機能が低下している場合はアルコールによって末梢神経が刺激されて痛みが生じるようなこともありますが、それでもアルコールが血管内に吸収されて全身に回るようなことはありません。

CBDを皮膚から吸収させることにしても同じことです。CBDトピカルに含まれるCBDの一部は皮膚の毛細血管から血管へ吸収されるでしょう。しかし、通常は全身に作用をもたらすほどのCBDの量は吸収されません。

したがって、CBDトピカルを用量や用法を守って摂取する限りはCBDが肝臓へ悪影響を及ぼすことは考えにくいと言えるでしょう。

ただし、CBDトピカルであってもCBDが血管へ吸収されることが全くないわけではありません。

そのため、CBDを舌下摂取したり経口摂取したりする場合と同様で、極端に多量のCBDトピカルを一度に皮膚に塗ったりすると血管内に吸収されるCBDの量も増えるため、肝臓に負担がかかる可能性はあります。

また、皮膚に貼るタイプのCBD製品であるCBDパッチはCBDトピカルと似ていると思われるかもしれませんが、CBDトピカルとは違って全身に作用をもたらすので注意しなければなりません。

CBDパッチはCBDトピカルと同じように皮膚からCBDを吸収させますが、一定の濃度のCBDが一定の速度で継続的に血管内に吸収されるような構造になっています。

いわば静脈内注射や点滴などと同じイメージで、CBDをほぼ直接に近い形で血管に送り込む仕組みです。そのため、CBDは血液の中に吸収されて全身を循環するため当然肝臓にも届きます。

基本的にはCBDパッチは一定の血中濃度以上にならないようにはなっていますが、CBDトピカルと同様で一度に必要以上に何枚も使用したり他のCBD製品を同時に服用したりすると血中濃度が高くなることがあります。

CBD製品はどのような場合でも使用量や使用方法を正しく守りましょう。

CBDやCBDトピカルの薬物相互作用について解説

CBDと医薬品

薬を飲む際に、同時に摂取してはいけない食品や薬剤などがあることを聞いたことがあるかと思います。

代表的な例では、血液をサラサラにする薬であるワーファリンを飲んでいる間は納豆やグレープフルーツを食べないように注意されます。

納豆に含まれるビタミンKがワーファリンの効果を無効にしたり、グレープフルーツが薬剤を分解するために必要な酵素であるシトクラム450(CYP450)の一種を阻害することで薬効を増強してしまったりするためです。

食品と薬の飲み合わせに注意が必要なように、CBDと薬剤も組み合わせが悪ければ薬の効果や副作用などを増強してしまう可能性があります。

経口摂取におけるCBDとの薬物相互作用

CBDが薬効に影響を与える原因は、グレープフルーツと同様にCYP450が関わっていることがわかっています。

そのため、まずはグレープフルーツとの同時摂取が禁止されている薬剤はCBDと摂取することを避けなければなりません。

CYP450は現在病院などで処方されるおよそ90%の薬の代謝に関わっているとされる重要な酵素です。
CBDは特に多くの薬の代謝に必要なCYP3A4をはじめ、数種類のCYP450を阻害します。

そして、CBD自身も複数のCYP450などの酵素によって分解されるという特性があります。

CBDによって薬剤代謝酵素が阻害されると、血液中の薬剤がなかなか排泄されやすい形に分解されず、薬剤が長時間体内に滞在するため同時に摂取した薬剤の効果が長時間持続します。

しかし、CBD製品には様々な種類があり服用方法が違うため、全てのCBD製品において薬物相互作用が引き起こされるわけではありません。

現段階でCBDの薬剤相互作用が引き起こされる可能性が非常に高い条件として「高濃度のCBDが肝臓での代謝を受ける」ということがあります。

CBDカプセルやCBDエディブルなどを経口摂取すると、CBDが血管内に吸収される前に肝臓を通過します。その時点でCYP450と相互作用が引き起こされ、CBDが不活化されたりCYP450を阻害したりします。

経口摂取によってCBDが薬物相互作用を引き起こした例をいくつか紹介します。

同レポートでは、CBDの摂取量が増加するとそれに比例して薬剤の血中濃度も高くなったとのことです。つまり、少量のCBDでは薬物相互作用が起きる可能性は少ないと言えるでしょう。

二つ目は、血栓症の予防のためにワーファリンを内服している患者が、CBDとワーファリンの同時による薬物相互作用をあえて利用することで、ワーファリンの摂取量を減量することに成功したことが報告されています。

副作用の少ないCBDによって副作用の強い薬の摂取を減らせることは非常にメリットが大きいです。

しかしこれはあくまで専門家の監視のもと行われたケーススタディですので、自己判断で薬とCBDを同時に摂取することは絶対に避けてください。
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CBDトピカルにおける薬物相互作用

CBDを経口摂取した場合は薬物相互作用が起きる可能性が高いことがわかりましたが、CBDトピカルではどうでしょうか。先述した通りCBDトピカルは局所的な作用をもたらします。

正しいCBDトピカルの使用方法を遵守している限りはCBDが肝臓に到達して代謝を受けるということが考えられないため、CBDの薬物相互作用の心配はほとんどないでしょう。

また、一つ前の項目でCBDパッチからCBDが血管に吸収される仕組みは注射や点滴と同じと説明しました。

基本的に静脈内注射をすると薬は肝臓での代謝を受けないため、薬物相互作用が起きる可能性は限りなく低いとされています。

最初に説明した薬剤がグレープフルーツと相互作用を引き起こされるのも、両方とも経口摂取をした場合のみです。

薬剤を静脈内注射で血管に直接投与した場合は、CYP3A4によって代謝される薬であってもグレープフルーツと相互作用が引き起こされたことは報告されていません。

CBDパッチの場合も、CBDは肝臓での代謝を避けられるためおそらく薬物相互作用の心配はないと考えられています。

しかし、現在のところCBDの薬物相互作用に関するエビデンスは限りがあり、肝臓での代謝を受けないCBDの摂取方法でも可能性は限りなく低いだけで、絶対に薬物相互作用が起こらないというエビデンスもありません。

したがって、持病があってすでに内服している場合やサプリメントなどを日常的に摂取している方は、どのようなCBD製品であっても使用する前に医師や薬剤師などに相談をするようにしてください。

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