CBDやCBDオイルは薬の効果を妨げる?飲み合わせや相互作用は?

CBDやCBDオイルは薬の効果を妨げる?飲み合わせや相互作用は?

日本でも話題になりつつあるCBDオイルは、大麻から抽出して作られるオイルです。今回はこのCBDやCBDオイルは他の薬の効果を妨げたりするのか、注意すべき薬があるのかについてご説明します。飲み合わせの可否をしっかりと確認した上で、安心して使えるようにしましょう。

薬に相互作用を与えるシトクロムP450(CYP450)とは?

CBDの肝臓への影響

CBDやCBDオイルが薬の効果を妨げるのかをご説明する前に、薬を妨げる場合のメカニズムについて解説します。

複数の薬や食品を使用する場合に注目すべき点は、体の中でその薬や食品などがどのような経路で代謝(排泄しやすいように体の中で変換させること)されていくかと言うことです。

飲み合わせによっては、片方の薬や食品がもう片方の物の代謝を妨げる、あるいは促すことがあります。その場合、必要以上に薬の効果が現れてしまったり、逆に十分な効果が得られないことがあります。

このように互いまたはどちらかが、代謝や薬効に良くも悪くも影響を与えることを「相互作用」と言います。

代表的な相互作用は「代謝の経路が同じで、代謝が追いつかなくなってしまう」「どちらかが代謝に必要な酵素を阻害することで、代謝が出来なくなってしまう」というような原因が挙げられます。

この原因になる要因として、代謝を行う際に必要な酵素「シトクロムP450」が挙げられます。

シトクロム(CYP450)には複数の種類がある

前述したシトクロムP450(CYP450)とは、医薬品などの成分を代謝する際に必要となる酵素の一種です。

CYP450には複数の種類があり、代表的なCYP450には「CYP1A2・CYP2D6・CYP2C9・CYP2C19・CYP3A4」などがあり、それぞれ代謝出来る物が異なります。

これらの代謝酵素を医薬品が阻害または誘導(促進)したり、同じ種類の酵素で代謝されることで、酵素が足りなくなってしまうことがあります。その結果、相互作用が引き起こされて薬の効果に思わぬ影響を与えてしまうことがあります。

CBDはどのように他の薬の効果を妨げる?どのような薬が危険?

CBDと医薬品の併用は?

CYP450による相互作用のメカニズムについてお分かりいただけた所で、実際にCBDを代謝する酵素はどんな物があるのか、また影響のある薬にはどのような種類があるのかについてご紹介します。

CBDはCYP3A4を阻害する

CBDやCBDオイルはCYP450の一種であるCYP3A4を阻害すると言われています。

CBDやCBDオイルがCYP3A4を阻害すると、簡単に言えば代謝酵素の量が減ってしまいます。

もしCYP3A4が減ってしまうと、CYP3A4によって代謝される薬の成分は代謝しきれずに、通常よりも長く体に留まってしまうことになります。

そのため、薬の効果がいつもより長く続いてしまったり、想定以上の効果が出てしまう場合があります。

効果が長く、かつ強く出るのであればそれは良いことだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、想像してみてください。

確かに効果があることは良いことです。しかし、必要以上の効果は副作用として現れてしまうことがあります。あるいは、効果が強く出すぎてしまうことによる弊害というのも考えられます。

例えば、抗がん剤は安全に治療できる範囲が非常に小さく、患者さんの体重や体表面積、性別などに合わせ、その投与には細心の注意が払われています。

それでも、重い倦怠感や脱毛、免疫力の低下、皮膚や爪が爛れるなどの副作用が出てしまうことはあります。

そのような中で代謝酵素が阻害されてしまったりすると、さらに強い副作用が出てしまう危険性があります。

また、CYP3A4で代謝される薬の中には降圧薬(高血圧の患者に使う薬)もあります。この薬の効果が強く出すぎてしまった場合、必要以上に血圧が下がってしまいます。

血圧が下がるとふらつきや転倒の原因にもなり、思わぬ事故を招く可能性もあります。このように、決して効果が強いことが良いことではないのです。

CYP3A4によって代謝される薬はたくさん存在する

前述でCYP450は種類によって代謝出来る薬は異なるとご説明しましたが、このCYP3A4は実に全医薬品中の約60%の代謝に関わっています。

代表的な医薬品として、先に説明した抗がん剤や降圧薬の一種だけでなく、抗ヒスタミン薬、向精神薬、鎮痛剤、高脂血症薬、免疫抑制薬など多数存在します。

上に挙げた医薬品類の全ての薬がCYP3A4で代謝される訳ではありません。また、複数の代謝酵素で代謝されることで、相互作用による代謝阻害を補うことが出来る場合もあります。

いずれにしても相互作用を起こす可能性のある医薬品はたくさん存在するため、CBDやCBDオイルを医薬品と併用したい時には、必ず医師に相談するようにしましょう。

CBDやCBDオイルを摂取する際の注意点は?

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仮に医師から併用しても大丈夫と許可が出た場合、摂取する際の注意点についてご紹介します。

医師から何か注意事項があった時には、もちろんその内容を優先してください。これからお話することはそのプラスアルファとして気を付けていただくと良いでしょう。

飲む前に薬の情報とパッケージラベルをまず確認する

飲む前には処方された薬に付属している医薬品情報の書類と、CBDやCBDオイルのパッケージや箱に記載されている内容を熟読するようにしましょう。

また、服用していて体に異常が見られたら、すぐに使用を中止して速やかに医師へ相談してください。

代表的な副作用として、軽度の疲労感や食欲減退、下痢などがあります。

CBDやCBDオイルを薬と併用して摂取する場合の工夫

CBDやCBDオイルを摂取する際の注意点として、特に併用する薬とのタイミングについて工夫してみましょう。

出来るだけ相互作用が生じることの無いように、敢えて摂取するタイミングを変えると良いです。

処方されている医薬品の用法は変えずしっかり守り、その用法を基準にその合間でCBDやCBDオイルを摂取するとわかりやすいです。

is-cbd-oil-safeCBDやCBDオイルは本当に安全?副作用や飲み合わせも解説します

なぜ危険?グレープフルーツとCBDの相互作用について解説します!

よく「血圧の薬を飲んでいる人はグレープフルーツジュースを飲んではいけない」という話を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

薬局で記入する問診票に「グレープフルーツジュースをよく飲みますか?」というような質問が記載されていることもあります。

では、なぜわざわざグレープフルーツについて聞かれるのでしょうか?

グレープフルーツもCBD同様にCYP3A4を阻害する

CBDが代謝酵素の一種であるCYP3A4を阻害するのと同様に、実はグレープフルーツもCYP3A4を阻害します。

グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分がその原因で、これはグレープフルーツの他にオレンジやザボンなどの柑橘類にも含まれています。

このフラノクマリンが小腸上皮のCYP3A4を阻害することで、腸管から血管内に吸収される薬の成分を多くしてしまいます。

CBDやCBDオイルはもちろんのこと、グレープフルーツは食べ物としても飲み物としても好まれる果物なので、より注意が必要です。

セントジョーンズワートはCYP3A4を誘導する

これまで、CBDやCBDオイル、グレープフルーツはCYP3A4を阻害するとご説明しました。阻害する物とは対照的に誘導する物もあります。

CYP3A4を誘導する代表的な物として「セントジョーンズワート」があります。

セントジョーンズワートは別名セイヨウオトギリソウとも呼ばれており、抑うつ症状や睡眠障害、不安障害などの精神的な不調に効果があるとされています。

セントジョーンズワートはCYP3A4だけでなく、CYP1A2も同時に酵素誘導するとされており、より相互作用を起こす可能性が高いと考えられます。

効能の性質上、サプリメントや健康食品として手軽に摂取することが可能であるため、多くの人が摂取しています。

今回はCBDやCBDオイルと医薬品における相互作用をメインにご紹介しましたが、グレープフルーツやセントジョーンズワートなどの、何気ないサプリメントや健康食品の中にも相互作用を引き起こす物があることを念頭におきましょう。

関連文献

CBDと薬の飲み合わせに関して皆様から頂いた質問

現在鎮痛薬を服用していますが、併用してCBDを摂取することは可能でしょうか?(30代女性)

そのような場合は、CBDを服用しない方が良いでしょう。CBDには、医薬品の成分を代謝する際に必要となる酵素を阻害してしまう作用があると言われています。その結果、相互作用が引き起こされて薬の効果に影響を与えてしまいます。相互作用を引き起こす可能性のある医薬品はたくさん存在するため、CBDやCBDオイルを医薬品と併用したい時には、必ず医師に相談するようにしましょう。

CBDと相互作用が引き起こされる可能性のある薬は、どのような種類がありますか?(40代男性)

代表的な医薬品として、抗がん剤や降圧薬、抗ヒスタミン薬、向精神薬、鎮痛剤、高脂血症薬、免疫抑制薬などがあります。紹介しきれないものもありますので、CBDやCBDオイルを医薬品と併用したい時には、必ず医師に相談するようにしましょう。

CBDを他の薬と飲み合わせてしまった際、どんなことが起こるのでしょうか?(30代女性)

薬の効果がいつもより長く続いてしまったり、想定以上の効果が出てしまう可能性があります。想定以上の効果は副作用として現れてしまうこともありますので、CBDと医薬品を併用したい際は、必ず医師に相談しましょう。

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