そもそもCBDとは?どのような効果が期待できる?
CBD (カンナビジオール) は大麻草などに含まれる天然の化合物です。マリファナの主要な生理活性物質である THC (テトラヒドロカンナビノール) とは異なり、多幸感や酩酊感などを感じ気持ちを「ハイ」にする効果はありません。
このようにCBDには、THCのような精神作用や依存性がないことは多くの研究によって証明されており、日本やアメリカのほとんどの州をはじめ多くの国や地域で使用が認められています。
CBDは、難治性のてんかん (レノックス・ガストー症候群およびドラベ症候群) に効果があることが明らかになったことが転機になり、これまで規制により滞っていたCBD研究が急速に進められました。
今ではCBDはてんかんを抑える薬や痛み止めなどに応用され、処方薬として認可している国もあります。
これまでの研究により、CBDには痛みを抑える効果や不安を和らげる効果、リラックスさせる効果、眠気を誘う効果、皮膚の健康を保つ効果などが分かってきました。
最新のCBD美容製品
2018年の農業法案 (Farm Bill) の改定により多くの州でCBDの製品化やヘンプ (麻) の栽培が合法化され、CBD製品はアメリカ人にとって非常に身近な商品になりました。
CBDの効果を実感した多くのユーザーの肯定的な口コミによりCBD製品が爆発的に拡がりました。今では開発されたCBD製品は数百にもおよびます。
CBDオイルやCBDエディブルなどの直接口からCBDを摂る製品以外にも、皮膚に塗って使用するローションやクリームも人気の商品です。
ニキビなどの症状を緩和させるローションから日焼け止めに至るまで、CBDを配合したスキンケア製品やボディケア製品が次々と誕生しています。
CBDが配合されたスキンケア製品の美容効果は?シミやニキビにも効果的?
最近ではCBDを含むヘアケア製品のCBDシャンプーやコンディショナーなどが開発されアメリカでは人気を集めています。
髪や頭皮に使用するCBD製品もいろいろありますが、CBDを配合したシャンプーやコンディショナーを使用することで手間をかけず、日常的にCBDの恩恵を受けることができるかもしれません。
CBDを塗ることで期待される効果は?
CBDを摂ることで、主に全身のエンドカンナビノイド受容体であるCB2受容体などに働きかけます。このような働きにより免疫抑制作用および抗炎症作用、痛みの緩和などの作用があることが分かっています。
またCBDは、口から摂ることだけでなく皮膚や頭皮に塗ることでも効果を発揮します。
CBDは、脂溶性 (油に溶けやすい性質) のため皮膚に塗布することで患部に浸透し、CB2受容体や炎症や痛みに関わるTRPV1受容体、皮脂分泌などに関わるTRPV4受容体などに作用します。
CBDがCB2受容体やTRPV1受容体に働きかけることで炎症を抑制し、TRPV4受容体に作用することで皮脂細胞の増殖を妨げ、皮脂の分泌を抑制する効果があることが示されています。
CBDを外用 (皮膚に塗って) で用いた研究によると炎症を伴う皮膚症状である乾癬や皮膚炎、アトピー性皮膚炎、さらに皮脂を抑制することでニキビの治療にも有望であることが示唆されています。
CBDクリームやCBDオイルはアトピー性皮膚炎や乾癬に効果がある?
まだ規模の大きい臨床研究の結果が出ておりませんが、CBDにはさまざまな皮膚症状を緩和させる可能性があります。
最新の研究では、皮膚細胞にCBDを作用させると酸化ストレスに対抗する遺伝子を活性化させることが分かりました。
さらにマウスの皮膚にCBDを塗布した実験により酸化ストレスを抑える遺伝子の他に皮膚の元となる角化細胞であるケラチノサイトの増殖や創傷の治癒に関連するケラチン16とケラチン17の遺伝子の発現量も増加させることが明らかになっています。
これら基礎的な研究の成果は、CBDがさまざまな皮膚疾患に効果を示す裏付けとなります。
CBDシャンプーの期待できる効果は?
CBDシャンプーを実際に用いた研究報告はまだありませんが、CBDの抗炎症作用や皮脂を抑える効果、酸化ストレスを抑制する作用により、頭皮のさまざまなトラブルを抑える可能性は十分にあるでしょう。
なぜなら多くの頭皮トラブルには炎症や皮脂の分泌過剰、酸化ストレスが関わっています。頭皮のトラブルである脂漏性皮膚炎や湿疹、頭皮のかゆみは炎症や酸化ストレスが原因の1つに考えられています。
白髪や抜け毛などの髪のトラブルへの効果はどうでしょうか。
髪のトラブルに対するCBDシャンプーの実証実験もまだ十分に行われていませんが、トラブルの原因を考慮すると試す価値は十分にあるでしょう。
白髪の原因は色素を作るメラニンを作り出す鍵となる酵素が酸化ストレスを受けることで、その機能が弱まり、色素を上手く作れなくなり白髪になることが分かっています。
CBDには、酸化ストレスを抑制する遺伝子を活性化する機能があることから効果が期待できるかもしれません。
また円形脱毛症でも酸化ストレスのレベルが高くなっていることが知られています。その他の原因による抜け毛も酸化ストレスや炎症により健康的な髪の成長を阻害している可能性が考えられています。
他にもCBDシャンプーには、健康な髪の毛の成長を助ける栄養素が含まれています。
CBDオイル (特にヘンプシードオイルやオリーブオイルなどのキャリアオイルにCBDが配合されている製品) には、アミノ酸や抗酸化物質、脂肪酸が豊富に含まれており、これらは人の髪の毛の強度と弾力性を向上させることで知られています。
CBDオイルに含まれるアミノ酸は、タンパク質の主要な構成要素であり、毛根を強化し保護する働きがあります。
CBDやCBDオイルは薄毛改善に効果がある?選び方や使い方を解説またCBDオイルは髪の毛に潤いを与え、乾燥した冬の時期の乾燥やパサつきから髪の毛を守ります。
さらにCBDオイルにはビタミンA、C、Eなどのビタミンの他にも抗酸化物質、リン、マグネシウム、カリウムなどのミネラルも含まれています。
CBDオイルには、血行を改善したり炎症を抑える効果があるオメガ3、オメガ6およびオメガ9不飽和脂肪酸も含んでいるだけでなく発毛を促進することが確認されているガンマリノレン酸 (GLA) も含まれています。
CBDシャンプーの安全性と注意点は?
CBDをシャンプーなどで、外用で使用する際はCBDは局所的すなわち皮膚や頭皮で効果が発揮され、CBDは血中にはほとんど移行しないためCBDの全身作用はほとんどありません。
CBDを体に取り込みたくないと考えている人にも、CBDシャンプーは安心して使用できます。
またCBDの効能を期待してCBDシャンプーを選ぶときは、CBDオイルが注入されているものを選びましょう。似たような商品にヘンプシードオイルが注入されたシャンプーもあります。ヘンプシードオイルには基本的にCBDが含まれておりません。
まだCBDの髪や頭皮に与える効果は正確には分かっておりません。しかしこれまでの有望な研究報告から、さらなる研究の進展が期待されます。
またこれまでCBDを外用で使用しても目立った有害な作用は報告されていません。日を追うごとに有効性が明らかになってきているCBDの配合されたシャンプーを試してみてはいかがでしょうか。
CBDシャンプーの口コミの紹介
使用してしる人の口コミを探してみると肯定的な口コミを多く目にします。ここでは一部を紹介します。
このように特にかゆみや痛み、乾燥によるパサツキなどに対して効果を感じている人が多くいるようです。
関連文献
- Acute effects of a single, oral dose of d9-tetrahydrocannabinol (THC) and cannabidiol (CBD) administration in healthy volunteers
- The Cannabinoid CB2 Receptor as a Target for Inflammation-Dependent Neurodegeneration
- Cannabinoids in dermatology: a scoping review
- Cannabidiol induces antioxidant pathways in keratinocytes by targeting BACH1
- Oxidative stress in alopecia areata: a case-control study
CBDシャンプーの作用に関して皆様から頂いた質問
CBDシャンプーは頭皮トラブルや髪質改善に効果がありますか?(20代女性)
CBDシャンプーが頭皮・髪に効果的であるという研究報告はまだありません。しかし、CBDには抗炎症作用や皮脂を抑えること・酸化ストレスを抑制することが海外の研究では示唆されています。ただし、まだ研究段階であり、CBDシャンプーを実際に用いた研究報告はないため、今後の研究に期待しましょう。
CBDシャンプーは育毛に効果はありますか?(30代男性)
CBDが育毛に効果的であるかどうかは実証されていませんが、ストレスによる抜け毛や髪の毛トラブルには作用するのではないかということは研究によって示唆されています。CBDの育毛への作用に関する研究は十分でないため、育毛についての悩みがある方がCBDシャンプーを使用したい場合は、まずは医師に相談し医師の指示に従うようにしましょう。
CBDシャンプーは安全なのでしょうか?(10代女性)
CBD自体はWHOによって「CBDは乱用や害を及ぼさない」と言及されているほど安全な成分です。また、CBDをシャンプーなどで使用する際はCBDは皮膚や頭皮のみで、血中にはほとんど移行しないためCBDの全身作用はほとんどありません。CBDを身体に取り込みたくないと考えている人にも、CBDシャンプーは安心して使用できます。