CBDやCBDオイルはめまいを引き起こす?それとも緩和する?

CBDやCBDオイルはめまいを引き起こす?それとも緩和する?

めまいは、生活の質を著しく下げる辛い疾患です。本記事では、CBDやCBDオイルがめまいを改善することができるか、どのようなめまいを改善する可能性があるのか、めまいにCBDを用いる際の注意点、CBDの副作用としてめまいが起きることはあるのかなどについて説明しています。

CBDやCBDオイルとは?

CBD(カンナビジオール)は、様々な健康・治療効果が期待されているサプリメントで、現在世界中の人の注目を集めている成分です。

CBDの人気が高まっている一方で、CBDが大麻草の茎や種子などから抽出される成分ということから、大麻草とのイメージが重なり、摂取することに抵抗を感じている方も中にはいます。

しかし、そのような方でもCBDが柑橘類からも抽出される事実や、大麻草でイメージされる気分を「ハイ」にする作用が一切ないこと、購入・使用が合法であることを知ることにより安心してCBDを摂取するようになっています。

気分を「ハイ」にしたり、陶酔させたりする作用を持つ成分は、大麻草の葉や花穂から抽出されるTHC(テトラヒドロカンナビノール)というCBDとは全く違う化合物です。

同じ植物から抽出される成分とは言え、性質が全く異なりますので、CBDとTHCを混同しないようにしてください。

CBDを試したいという人の中には、現代医学では治療の難しい疾患の症状改善をCBDに期待する人もいます。

例えばめまいは、その種類によっては現代医療の力では根治が難しく、めまいのせいで買い物に行けない、人にすら会えない、一日中吐き気がするなど日々の生活の質を著しく下げる辛い疾患です。

めまいがある患者には、普段の治療に漢方薬や鍼灸、めまい体操などを取り入れて少しでも状態を良くするために努力している人も少なくありません。

果たしてCBDはめまい改善に効果を発揮するのでしょうか。また、どのような原因のめまいを改善する可能性があるのでしょうか。CBDを摂取する際の注意点などを含めて見ていきましょう。

CBDやCBDオイルはめまいを緩和する?

めまいの原因は数多くあり、原因が特定できるものもあれば特定できないものもあります。どのような原因のめまいにCBDやCBDオイルの効果が期待できるのでしょうか。

めまいの原因

めまいの原因は大きく分けて次のようなものがあります。

  • メニエール病や前庭神経炎、良性発作性頭位めまいなどの耳の中の異常
  • 脳障害や心疾患
  • 薬の副作用
  • 精神的な極度の不安
  • 自律神経のアンバランス
  • 首コリ、肩コリ

上記のめまいの原因を見ると分かると思いますが、身体のあらゆる部位がめまいの原因になっている可能性があるため、めまい患者は一体どの診療科にかかったらよいのかが分からず、苦しむことが多いです。

そのため、多くの患者は耳鼻科、脳神経外科、眼科、心療内科、整形外科など様々な診療科をめまいの症状が続く中、原因が分かるまで転々としなければなりません。

耳の中の異常や脳障害や心疾患、薬の副作用が原因のめまいの場合は、治療薬、治療方法が確立されていたり、原因を取り除く治療ができたりするため、めまいが改善しやすいと言えます。

しかし精神的なものや自律神経が原因であった場合は、いくらMRIを撮っても、耳鼻科のテストを受けても、血液検査を受けてもほとんどのケースでは異常が見られません。

そのため、原因不明のめまいである「めまい症」として診断されてしまい、効果的な治療ができず、患者はめまいの症状が改善しないまま不安な日々を過ごすことが多いです。

首コリ、肩コリが原因であるめまいも、自律神経や不安障害が大きく関わっていることが多いことから、単にコリをほぐすだけではめまいの完治は難しいでしょう。

このように精神的なものが原因のめまいは、その症状だけでも普段の穏やかな生活を奪ってしまうほど辛いのにもかかわらず診断も治療も難しいため、患者をさらに苦しめていくのです。

CBDやCBDオイルが効果を示す可能性のあるめまいとは?

CBDやCBDオイルには不安を軽減する作用が示唆されています。

CBDを繰り返し投与することで脳内のセロトニン受容体を刺激して不安を軽減したという報告が2013年にブラジルで行われたラットを用いた実験によって示唆されています。

ちなみに、セロトニンは脳内の神経伝達物質で脳内のセロトニンが少なくなると人間は不安を感じやすくなります。

また、CBDがストレスの解消や心拍数の減少、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を改善したことも2015年に国立薬物乱用研究所での動物実験において報告されています。

これらの実験は人間で行ったものではないため、人間でのCBDの抗不安作用が証明されたわけではありませんが、論理的に考えると、CBDが人間の不安障害も改善する可能性が高いと言えます。

さらに、不安障害を患っている人にCBDを投与した研究では、人前でのスピーチがしやすくなったという結果が2011年にブラジルで報告されています。この結果も、人間においてCBDが抗不安作用を現すという大きな期待に繋がっています。

つまりCBDやCBDオイルは、精神的な極度の不安が原因で引き起こされているめまいに効果がある可能性があるということです。

めまいを患っている人が抱えている不安は、また恐ろしいめまいの揺れを体験するのではないかという恐怖が引き起こす不安がほとんどです。

最初のめまいの原因は、耳の異常など他にあったとしてもその体験がトラウマになり、不安が原因のめまいが合併症として現れます。

CBDやCBDオイルを摂取することによって不安・恐怖を和らげることができれば、不安性のめまいは軽減することが期待できます。

CBDやCBDオイルは不安やストレス解消に効果がある?リスクはない?CBDやCBDオイルは不安やストレス解消に効果がある?リスクはない?

加えて、CBDには抗酸化作用や神経保護作用があるため、神経細胞であるニューロンの損傷を防止し、再生を促進するのではないかと考えられています。

このことから、CBDは自律神経のアンバランスが招くめまいも改善する可能性があると言えます。

CBDやCBDオイルをめまい改善で使用する際の注意点

精神的なものや自律神経が原因のめまいを患っている可能性がある方は、CBDを試してみたいと思うかもしれません。

この項目ではCBDをめまい改善で使用する際の注意点について説明していきます。

今まで服用している薬を急にやめない

精神的なものや自律神経が原因のめまいを発症した多くの患者は、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を定期的に服用しています。

例えばベンゾジアゼピン系抗不安薬であるエチゾラムやロラゼパム、ジアゼパムなどを服用すると、薬の効果が続いている間はめまいの症状が軽減するという人も多いでしょう。

そのままベンゾジアゼピン系抗不安薬を飲み続けていれば普段の生活に支障がないという人も中にはいるのではないでしょうか。

ただし、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は飲み続けていると効果が感じられなくなり、結果的に用量を増やさなければいけないなどの短所もあります。

また、記憶障害の一種である健忘などの副作用が気になるとのことで、あまり長期間服用したくないというのが実際のところかもしれません。

今服用しているベンゾジアゼピン系の抗不安薬をやめてCBDに切り替えることができれば、長期服用の問題もなくなりますし、副作用の心配も軽減できるでしょう。

しかし、だからと言ってご自身の判断だけで急に抗不安薬をCBDに切り替えるというのは絶対にやめてください。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は、長期に渡って服用し続けた後に急に中断すると離脱症状が出るという特徴があります。

この「長期」というのは人によって違うので期間を特定することはできませんが、1、2か月抗不安薬を服用した後に急に中断した場合でも離脱症状のようなものが出ることもあります。

現れる離脱症状は人によって違います。例えば、動悸が収まらず心拍数が異常に上昇したり、極度の不眠症になり数日間一睡もできなくなったりする例も少なくありません。

ベンゾジアゼピン系の薬を中断する場合には、医師に相談しながら徐々に減らしていくという方法をとってください。

CBDを試す前にかかりつけの医師に相談する

めまいのための薬をすでに服用している場合も服用していない場合も、CBDをめまい改善に使用したい場合は、摂取する前に必ずかかりつけの医師に相談をしましょう。

現在服用している医薬品とCBDが相互作用を起こす可能性もありますし、CBDが医師の治療方針と異なる場合もあります。

自己判断でCBDを始めるのではなく、一言医師に声をかけておくことも重要です。

CBDを摂取することで不安が和らぐかめまいが改善するかよく観察する

CBDの効果は人によって現れ方が違います。従ってCBDが自分のめまいを改善するのかについて注意深く観察することが大切です。

同じ精神的なものが原因のめまいを患っていても、CBDがとてもよく効く人もいれば残念ながら効果が得られない人もいるからです。

また、不安障害や自律神経の問題だけでなく、耳の異常や脳障害など他の疾患を合併しているめまいの場合はCBDでは効果が感じられない可能性が高いということも付け加えておきます。

いずれにせよ、CBDをめまい改善の目的で摂取し始めても効果が見られなかった場合には、医師に状況を伝え、新たな治療方針を立ててもらう必要があるでしょう。

自律神経の治療は、現代医学においても適切な治療薬を見つけて完治させるのに時間がかかることも珍しくありません。

しかし、できる限り早く症状を改善する薬や治療法を見つけて治療していくことが、つらい自律神経の症状を長引かせないことにも繋がります。

CBDが自分のめまいに効果があるのかをよく見極め、自分のめまいに最善の治療法を医師と共に探ってください。

めまいは、日常の穏やかな生活を奪うほど辛い疾患なのにもかかわらず、見た目は健康に見えるため、周りの人には理解されづらくそれが余計に患者を苦しめます。

CBDの効果の有無だけでなく治療による症状の変化、不安など、どんなに些細なことでも医師や薬剤師に相談し、一日でも早くめまい症状を改善させてほしいと思います。

CBDやCBDオイルにめまいを引き起こす副作用がある?

CBDやCBDオイルには副作用として軽いめまいがあるという報告が2020年にオーストラリアでされています。

めまいの改善を期待して摂取するCBDにめまいを起こす副作用があるとなると不安になる方もいるのではないでしょうか。

しかし、CBDの副作用であるめまいは立ち眩みのようなめまいと報告されているため、その症状は一時的であり精神的なものや自律神経が原因のめまいのような四六時中続く辛いめまいとは違うと言えます。

実際に自律神経のアンバランスが原因のめまいの治療で使われる抗うつ薬にもめまいの副作用があるものがあります。

また、書いてある副作用が全ての人に起こるわけではありませんから、副作用にめまいがあるからと言って過剰に心配する必要はありません。

ただし、万が一立ち眩みが起こった時のことを考えて、自動車の運転や精密作業などの前にはCBDの摂取を控えるようにしてください。

CBDやCBDオイルに副作用はない?吐き気は?エビデンス付きで解説!CBDやCBDオイルに副作用はない?吐き気は?エビデンス付きで解説!

関連文献

CBDとめまいに関して皆様から頂いた質問

めまいの薬とCBDを併用して使用しても大丈夫ですか。(30代男性)

めまいのための薬をすでに服用していてCBDを使用したい場合は、摂取する前に必ずかかりつけの医師に相談をしましょう。現在服用している医薬品とCBDが相互作用を起こす可能性もありますし、CBDが医師の治療方針と異なる場合もあります。自己判断でCBDを始めるのではなく、医師に相談することも重要です。

CBDの副作用でめまいは引き起こされますか。(40代女性)

CBDオイルは副作用でめまいを引き起こす可能性があることが2020年にオーストラリアで報告されています。全ての人に起こるわけではありませんが、万が一立ち眩みが起こった時のことを考えて、自動車の運転や精密作業などの前にはCBDの摂取を控えるようにしましょう。

寝不足や疲れにによるめまいにCBDは使用しても大丈夫ですか。(20代男性)

2018年にアメリカで報告された論文によると、CBDは眠りを促すアデノシンという物質の経路を調節する作用があることが報告されています。CBDにはリラックス作用やうつ・不安を解消する作用があり、心身の緊張を和らげ安眠をもたらすのではないかということで、海外では研究が行われています。まだ研究段階ではありますが、気になる方は一度CBDを使用してみるのも良いかもしれません。