CBDやCBDオイルは目の諸症状に効果的?CBD入りの点眼薬って?

CBDやCBDオイルは目の諸症状に効果的?CBD入りの点眼薬って?

CBDやCBDオイルの効果が認知されるにつれ人気は急速に拡大していますが、人や動物が生きる上で非常に重要な臓器の一つである「目」にはどのような効果があるのでしょうか。本記事ではCBDやCBDオイルが目に与える効果や安全性について解説します。

CBDやCBDオイルは目にどのような効果をもたらすの?

CBDやCBDオイルの目への作用
CBDは大麻草などの植物から抽出されるカンナビノイドという成分です。CBDは私たちの身体に備わっている神経や免疫システムなどの機能を調節するエンド・カンナビノイド・システム(ECS)に働きかけます。

ECSとは内因性カンナビノイドと呼ばれるアナンダミド(AEA)や2-AGが全身に発現するCB1やCB2などのカンナビノイド受容体に作用することで疼痛、炎症、ストレス、不安、吐き気などの調節が行われます。

CBDはCB1やCB2へ直接作用することはほとんどありませんが、AEAや2-AGを破壊する酵素を抑制したりECS以外の神経伝達物質の受容体に働きかけることが分かっています。

またCBDには抗酸化作用があります。活性酸素は脳神経や細胞などにダメージを与えてがんや脳神経疾患などの重篤な疾患の原因となるとされていますが、CBDやCBDオイルはそれらを除去する効果があります。

大麻にはTHCという向精神作用をもたらすカンナビノイドが発現します。THCはCB1やCB2へ直接作用し、様々な効果がありますが日本では所持が禁止されている成分です。

THCとCBDは体内で全く違う働きをし、CBDには精神を興奮させる作用はありません。

このように様々な効果が期待できるCBDやCBDオイルは目にどのような効果をもたらすのでしょうか。

眼圧への効果

現段階でCBDやCBDオイルによる治療が可能となるのではないかと考えられている目の疾患は緑内障です。

眼球の内側(硝子体)は液体(房水)で満たされており、目の表面にあるシュレム菅という房水の出入り口から自動で房水量を調節することで、姿勢や動作、環境などが変わってもある程度一定の圧(眼圧)に保たれています。

眼圧は姿勢などで一日のうちでも変動が見られます。しかし、目の病気の一つである緑内障はなんらかの理由でシュレム菅が塞がれたり房水が過剰に作られたりすることで眼圧の調節ができず、眼圧が高い状態が持続します。

眼圧が上昇すると、眼球の奥の視神経が圧迫され不快感や目の痛み、頭痛、吐き気、視野欠損などが生じます。長期間眼圧が高いまま治療を行わなければ視神経は完全に障害されて失明する可能性が高くなります。

1970年頃から緑内障を患った患者が高濃度のTHCを含有する大麻を吸引すると、緑内障の症状である眼圧が改善され、目の奥の痛みや不快感が軽減されることが知られてきました。

カンナビノイドと眼圧については過去に多く研究されており、その一つである2006年の研究では、THCはCB1とGPR18に作用することで眼圧を下げると報告されました。

しかし、同研究ではCBDは眼圧を上昇させたことが確認されています。CBDにはCB1を阻害する働きがあるため、THCとは真逆の効果をもたらしたのではないかと考えられています。

ところが、1980年代のうさぎと猫の眼球を使用した研究では、THCとCBDの両方が眼圧を低下させたという報告があります。

そもそも眼圧の正常値や変動に関しては個人差があり、眼科医にとっても判断が簡単なことではありません。

また日本人は、眼圧が正常であるにも関わらず緑内障が進行している人も多く、現段階では眼圧への影響だけでCBDが緑内障を悪化させるとも断言できない状況です。

CBDやCBDオイルには抗酸化作用による神経保護作用があり、緑内障の最重要課題である視神経の保護には有効であったり、鎮痛作用や制吐作用があったりすることなどから緑内障の症状を改善できる可能性は高いです。

しかし眼圧についてはまだ研究が必要であることから、CBDやCBDオイルが緑内障に有効であると断言するには時期尚早であると言えるでしょう。

CBDやCBDオイルは緑内障に作用する?むしろ逆効果になる?CBDやCBDオイルは緑内障に作用する?むしろ逆効果になる?

網膜への効果

CBDやCBDオイルは眼球の奥に位置する網膜にも作用することが分かっています。

網膜は眼球の中でスクリーンに例えられる部位です。私たちが見たものが網膜に映し出され、その映像が視神経を通って脳へ送られて初めて「景色」として認識します。

そのため、網膜剥離や糖尿病性網膜症、出血などで網膜に何らかの異常が生じると視野にも異常が生じます。近年の研究より、網膜にはカンナビノイド受容体であるCB1とCB2が発現することが確認されました。

今後さらにCBDやCBDオイルと目に関する研究は必要ではありますが、将来的に視力低下の予防や眼の疾患の治療に使用できるようになるかもしれません。

角膜への効果

角膜とは瞳孔を覆う黒目部分を指します。角膜の神経は全身の中で最も敏感であり、指などで直接触ることはもちろん、煙や温度変化、化学物質などの様々な刺激に対して痛みが生じます。

この過敏性のおかげで私たちは刺激から反射的に目を閉じて角膜を守ることができます。しかし、角膜に外傷を受けたり手術をした場合などはさらに過敏になるとされており、些細な刺激でも痛みを感じるようになります。

刺激物などで目に痛みを感じた後にしばらくは空気に当たることすら刺激となって痛みで目を開けることができなくなったり、何度も瞬きを繰り返したりした経験がある方は多いのではないでしょうか。

海外の大学ではCBDと動物の角膜に注目した研究が行われました。

角膜の表面にはカンナビノイド受容体であるCB1とCB2が発現します。CB1とCB2は両方ともAEAや2-AG、THCなどによって活性化することで疼痛がコントロールされることが知られています。

カナダのハリファックスにあるダルハウジー大学で行われた研究では、この研究に用いられるマウスの眼球の表面を焼灼し、さらに唐辛子粉(カプサイシン)を塗布することで無理やり疼痛を生じさせました。

その後、CBDクリームで経皮的にCBDを吸収させることでどの程度痛みが軽減されるか調査されました。

痛みの程度の判断は瞬きの回数で判断され、CBDの投与後は瞬きの回数が減少したことから疼痛が軽減したと報告されました。

また同研究では最初の研究結果を踏まえて、角膜表面のCB1とCB2のどちらが疼痛コントロールにおいてより需要な役割を果たしているかが調べられました。

1件目の研究と同じようにマウスの角膜表面にカプサイシンを塗布しましたが、2種類のマウスが用いられました。

第一グループは角膜にCB1とCB2の両方を持つマウスで、第二グループは人工的に角膜の表面からCB2を取り除いたマウスです。

CBDを投与後、第一グループは1件目の研究結果と同じようにCBDによって大幅に痛みの軽減が確認されました。

しかし、角膜の表面にCB2を持たない第二グループのマウスは、第一グループのマウスと比較するとCBDの投与によって多少の痛みの軽減は見られましたがその程度が少なく、CBDの効果があまり見られませんでした。

この研究により、角膜に炎症が生じた際の目の痛みには、角膜表面のCB2の活性化がより重要であることが証明されました。

CBDやCBDオイルは目を充血させる?その原因は?

目の充血は目の表面の毛細血管が拡張することで引き起こされます。これまでにCBDやCBDオイルが目の充血をもたらすということは報告されていません。

万が一CBDやCBDオイルを使用して目の充血が見られた場合はTHCが混入していることによる影響と、原料である麻などの植物に対してアレルギー反応を示した可能性が考えられます。

THCは血管を拡張させて血圧を低下させる作用があります。実際に人の目に低濃度のTHC入りミネラルオイルを点眼すると、血圧と眼圧の低下は見られましたが結膜の炎症が生じたと報告されています。

また、アレルギーは身体の免疫システムが引き起こす炎症反応で、血管を拡張して組織の血流量を増加させることで代謝を活性化して異物を体内から早く排出しようと働きます。

CBDやCBDオイルを使用して目に充血が見られた場合は一旦使用を中止して、眼科医に相談してください。

CBD入りの点眼薬がある?CBDを目に入れても安全?

CBDオイルを舌下摂取したりCBDクリームなどを皮膚に塗ったりすることには抵抗が少ない方が多いと思います。しかしCBDを目に直接入れるとなると本当に大丈夫かどうか心配することもあるかもしれません。

CBDアイソレートと呼ばれるCBDの粉末は、市販の保湿クリームやキャリアオイルなどに混ぜて皮膚などに塗布することができます。しかしCBDは親油性であり、水には溶けにくいとされています。

そのため、仮にドラッグストアなどで生理食塩水などを入手して点眼薬などを自作しても、CBDの粉末が溶けずに残留する可能性が高く、それを直接目に入れてしまうと角膜や結膜を損傷する可能性もあります。

目薬などを使用する際に最も懸念すべきことは角膜への刺激です。

現在すでにアメリカなどの海外ではCBD入りの点眼薬が販売されています。また、CBDの溶解液として、角膜への浸透率が高い液体の開発などがされているようです。

前述したように、角膜にはCB1やCB2が発現するため、CBDを目に使用しても角膜に対し刺激となることはなく、むしろCBDが結膜の血管などから吸収されて炎症や痛みを早く抑制できる可能性はあります。

しかしCBD入り目薬は現在日本では入手できないため、使用したい場合は海外で購入する、もしくは海外から輸入することになります。

鎮痛効果や抗炎症作用についての個人的な体験以外の正式なエビデンスはないため、使用する際には十分にご注意ください。また、異常が見られた場合はすぐに眼科を受診するようにしてください。

CBDの眼に効果的な摂取方法とは?その際の注意点もご紹介!

CBD製品の種類
前述したマウスを使用した研究では目の痛みに対して経皮的にCBDを摂取させ、鎮痛効果が現れています。

現段階では目の症状に対して、CBD入りの目薬を使用するメリットは証明されておらず、通常のCBDやCBDオイルなどを舌下摂取や経口摂取することでも目の痛みや炎症は十分に改善できると考えられています。

実際にアメリカなどでは医療用大麻が緑内障の治療に使用されていることもありますが、あくまで「民間療法」であり、正式に処方される治療薬ではありません。

そして多くの海外の眼科医の間でもCBDを目の治療に使うことはまだエビデンス不足であり推奨されていません。

もしも目に症状が現れた場合はCBDやCBDオイルを使用する前に眼科を受診し、治療薬の処方を受けた上でCBDやCBDオイルの併用ができるかを医師に確認するのが良いでしょう。

目の病気は治療が遅れると失明の危険があります。見え方などに異常がある場合は、必ず早めに眼科の受診をするようにしましょう。

関連文献