アメリカでは犬や猫にCBD入りのペットフードをあげている?効果や危険性は?

アメリカでは犬や猫にCBD入りのペットフードをあげている?効果や危険性は?

アメリカでは数百にもおよぶCBD製品が作られています。その爆発的な人気を背景に、今ではペット用のCBD製品も開発されています。CBD入りのペットフードの効果や懸念される副作用、アメリカでの規制の方針について解説します。

THCとCBDの違いとは?CBDの効果・効能はなにがある?

THC (テトラヒドロカンナビノール) とCBD (カンナビジオール) は大麻草等に含まれる主要な生理活性物質です。麻薬として知られるマリファナはTHCを多く含み、摂取することで多幸感や酩酊感などを感じ気持ちを「ハイ」にする効果があります。

一方でCBDには、THCのような精神作用や依存性はありません。このことは多くの研究によって証明されています。

他の国と同様にアメリカでもCBDは大麻草の成分の一つとしてTHCと同様に規制を受けてきましたが、規制緩和によりCBDを取り巻く産業が急成長しています。

アメリカでは様々なCBD関連商品が開発され、錠剤やオイル、チンキ剤、外用ローション、化粧品など、その数は数百にも及びます。ペット用のCBD製品も例外ではありません。

調査ではアメリカの家庭の約4割が犬を飼っており、約3割が猫を飼っております。ペット産業の総支出額も毎年右肩上がりで増加しています。ペット産業はアメリカにおいて有望な市場であり、ペット用CBD製品はその牽引役になる可能性があります。

ペット用CBDの動向

アメリカのペットフードのトレンドは、グレインフリー (穀物が使用されていないもの) やオーガニック、スーパーフード入りの飼料など体に良いと思うようなものであれば、ペットオーナーの要望に合わせてペットフードの原料は日々進化し続けています。

2019年1月の全米の調査によると、過去24ヶ月間にCBDを試したアメリカ人は6,400万人にもおよび米国の人々の4分の1以上がCBDを試していることになります。そのうち7人に1人が毎日使用していると答えています。

これまでのペットオーナーのCBDの使用経験をもとに自身のペットにも同様に効果がであると考え、CBDペット製品市場の急速な成長を後押ししています。

アメリカのマーケティング会社のPackaged Facts社の2019年の調査によると、犬の飼い主の39%と猫の飼い主の34%がペットのためにCBDを使うことを肯定的に考えているようです。

また犬と猫の両方の飼い主の29%がCBDペットフードの購入に興味を持っており、犬の飼い主の11%と猫の飼い主の8%がすでにペットにCBDまたはTHCをほとんど含まないヘンプ (麻) 入りのおやつを与えたことがあると報告しています。

アメリカでペット用のCBDを扱うメーカーは、CBDはペットの不安の緩和やスキンケア、関節炎、免疫系のサポートなどさまざまな効果があると売り出しています。

CBDは、犬や猫にも効果があるの?有害な副作用はないの?

ではCBDは人だけでなく犬や猫などにも同様の効果があるのでしょうか。CBDは全身のカンナビノイド受容体 (CB2受容体) などに作用し、その効果を発揮します。

CB2受容体は犬や猫を含む哺乳類に存在しており、CBDは人と同様に効果を示すことが期待されています。

実際に使用しているペットオーナーの中には効果を感じ、口コミでCBDの人気が広がっています。しかし、犬や猫などへのCBDの長期的な安全性データがない中で、CBDを含むペット商品の人気が先行してきました。

ところが、そのような状況が徐々に変わってきており、犬や猫を対象とした科学的に検証された論文が報告されてきています。

健康な犬と猫を対象に、CBDを口から12週間の投与における安全性と副作用の予備的評価が行われています。

その結果、CBD入りのペットフードを12時間ごとに口から投与しても、試験された量で血液検査や生化学的な値に有害な影響はありませんでした。

また猫は、犬と比べて吸収が悪いことも報告されています。研究チームは健康な犬、猫ともに血液検査に変化が見られなかったことは、安心して使用できる判断材料になると考えています。

しかし、持病を抱える犬や猫への投与には持続的な経過観察が必要であり、より長期的な使用に対する安全性を判断するためには、さらなる研究が必要としています。

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犬の変形性関節症などへの効果の試験結果

2020年現在までにCBDにはリラックスさせる効果や睡眠を促す効果、てんかん発作を抑える効果、関節痛の痛みの緩和などに効果がある可能性が明らかになってきました。

ペットの中には同じ様に、このような悩みにさらされています。犬の変形性関節症やてんかん発作に対するCBDの効果を検討した研究結果が報告されています。

変形性関節症を患う犬を対象に、CBDオイルの安全性と鎮痛効果の評価が行われています。4週間CBDオイル(体重1kgにつき2mgのCBD)を12時間ごとに投与した結果、CBDオイルを投与することで有意な疼痛の減少と犬の活動量の増加が認められました。

また飼い主からは副作用の報告はありませんでしたが、血液検査の結果、CBD治療中に肝臓や胆嚢の障害などを調べる検査項目一つのALP (アルカリホスファターゼ) の増加が認められました。

今のところ、その意義は分かっていませんが、より長期的な安全試験の結果が出るまでモニターする必要があるかもしれないとしています。

それ以外の数値に問題はなく、目立った副作用もないことから研究チームは変形性関節症を持つ犬の快適性と活動性を高めるのに役立つだろうとしています。

カナダとイギリスで多発性硬化症の筋肉硬直(痙縮)や痛みを緩和に認可されているCBDを含む医薬品のサティベックスを犬の治療にも使用することを目指して、投与量を決定するための基礎的な研究がされています。

犬のてんかん発作の予防への効果の試験ではコロラド州立大学で行われた小規模な臨床試験では、CBDオイルによりてんかんを持っている犬の89%で発作の頻度を減少させたことがわかりました。

それを受けてより信頼性の高い臨床試験が行われています。この臨床試験の結果、CBDが有意にてんかん発作を抑制することは今のところ示されませんでした。研究チームは投与量を上げるなどして有効性を明らかにするためさらなる検討の必要があると報告しています。

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他にも科学的な検証はまだされていませんが、ペットオーナーの外出時や引越し、旅行、獣医に診てもらう時など、状況に応じてペットが不安を感じる時にCBDはペットに落ち着きをもたらすことを使用経験のあるオーナーは実感しています。

またCBDオイルやクリームは、火傷、ひっかき傷、噛み傷、その他の皮膚症状の解決に役に立っているようです。

このように犬や猫などのペットを対象とした知見が増えてきましたが、まだペットを対象としたCBDの研究は、始まったばかりです。

現在の根拠のないマーケティングの主張よりも、科学的根拠のある製品に進化していくでしょう。そして将来的には、CBDが特定の病気に効果があることが明らかになることが期待されています。

アメリカにおけるペット用CBD製品の規制の状況

CBDの規制解除によりペット用のCBD製品が開発されてきました。法律が曖昧なところがあり製品の開発が先導してしまっている状況です。

FDA (アメリカ食品医薬品局) はCBDの安全性が確認されるまで、CBDを食品に添加することを承認していません。人だけでなくペット用の食品や飲料も同様でCBDを添加することは許可されていません。すでに市場で販売されている製品の規制を強めています。

現在、例えばCBD製品を販売しているTreatibles社ではCBD入の機能的なチューズ (噛んで摂取できるおもちゃのようなもの) やCBDオイルのペット用のスポイト、カプセル、外用 (塗って使う) クリームを製品として提供しています。

もし自分の愛犬が薬を服用している場合は、CBDが服用している薬と悪影響を及ぼさないように獣医師に相談する必要があります。

またペット用のCBD製品を選ぶときは、CBDの配合量だけでなく、重金属や農薬などの有害物質が含まれていないことや、THCが含有していないまたはなるべく少ないものか確認する必要があります。

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