ワキガになる原因とは?メカニズムを簡単に解説!
腋臭症(ワキガ)は、腋の下から分泌される汗によって不快なにおいが発生する症状です。暑くなると子供から大人まで誰でも汗をかきますが、どうしてにおいがする場合としない場合があるのでしょうか。
人の皮膚にはサラサラした汗を出す「エクリン腺」と、脂質やタンパク質が混じったベタベタした汗を出す「アポクリン腺」があります。どちらも汗を出す汗腺ですが、いくつかの違いがあります。
エクリン腺もアポクリン腺も赤ちゃんのころから全身の皮膚に存在しますが、性ホルモンの分泌が少ない子供の頃はアポクリン腺はあまり活発ではありません。
主に体温調節の役割を果たすエクリン腺から出る汗はほとんどが水分であり、本来はにおいはありません。しかし、汗をかいたまま放置して濡れた衣服に雑菌が繁殖したりすると「汗臭い」状態になります。
一方のアポクリン腺は、腋の下や乳輪、陰部、下腹部、背部、足、耳の中など特定の部位に存在し、それらは性ホルモンの分泌が増える第二次性徴を迎える頃に発達します。
そして、アポクリン腺は必ず「毛穴」と繋がっています。
毛穴には皮膚を保護するために皮脂を分泌する皮脂腺が存在し、常に皮脂が作られています。そのため、アポクリン腺から分泌される汗には、皮脂腺から出た脂質やタンパク質が含まれます。
この汗を皮膚の表面や腋毛に付着した細菌が分解することで、ワキガ特有の汗のにおいに変化します。
ワキガの症状は、アポクリン腺の数や活発の度合いによって強くなります。アポクリン腺の数は遺伝的要素が大きく、生まれた時から変わりません。
日本では人口の10%程度、日本以外では人口の約80%がワキガ体質と言われています。生まれ持った体質であるため、ワキガ体質ではない人が成長して急にアポクリン腺の数が増えてワキガになるということはありません。
しかし、ワキガ体質ではなくても、肉や乳製品が多い食生活や、汗をかかない生活を続けると、汗に含まれるタンパク質や脂質が増えてにおいが強くなることはあります。
また、アポクリン腺は性ホルモンの分泌と関連があるため、男性ではホルモンの分泌が減る壮年期はにおいが軽減することがあります。
一方で女性はホルモンバランスが崩れやすい月経中、妊娠中、更年期においてにおいが強くなることもあります。
他にも、アポクリン腺は緊張によって刺激されるため、ストレスを感じることが多いほどベタベタとした汗が増え、体臭や腋のにおいが強くなることもあります。
ワキガは手術することで、アポクリン腺を取り除く根本治療をすることができます。
しかし、術後は一定期間腕を固定して動かすことができなかったり、傷跡が残ったり、においが再発したりしたりすることもあります。お金と時間をかけて手術をすることを踏み切れない方も多いでしょう。
ワキガのにおいの対策としては「脂質やタンパク質を分泌するアポクリン腺の活性化を抑えること」と「細菌の繁殖を抑えること」の2点と言えます。日常的にできる対策には以下のようなものがあります。
- シャワーをこまめに浴びる
- 除毛をする
- 制汗剤やアルコールなどで皮膚を清潔に保つ
- 食生活を改善する
- ベタベタした汗を出す要因となるストレスを軽減する
- 汗腺を刺激するニコチンやアルコールを控える
- ポリエステルや化学繊維の服をなるべく避け、綿や麻などの通気性の良い服を着る
- 頻繁に運動をして全身に汗をかくことで腋汗に含まれる脂質やタンパク質など(老廃物)を減らす
CBDは自然がくれたナチュラルデオドラント!その作用とは?
ドラッグストアやインターネット上では多くの種類のデオドラントが販売されています。毎日欠かさずそれらを使用してにおい対策をしている方も多いのではないでしょうか。
腋の皮膚は非常に薄くて敏感です。においを気にするあまり頻繁にカミソリや脱毛器などを使って除毛をしたり、刺激が強いデオドラントを毎日使用することで皮膚トラブルを起こしてしまう可能性があります。
汗止効果が高いほとんどの制汗剤には、塩化アルミニウムが含まれています。塩化アルミニウムが汗と結合することで結晶化して汗腺を塞ぎ、物理的に汗を出さないようにする作用があります。
しかし、塩化アルミニウムは皮膚への刺激が強く炎症や湿疹などの皮膚症状が出る場合があります。
また、ワキガに効果があるとされる制汗剤には、殺菌作用のあるケミカル成分が含まれています。
これらを使用し続けると皮膚の必要な常在菌まで殺菌したり、細菌フローラが崩れたり、いずれは殺菌成分が効かなくなる「耐性菌」が発生する可能性もあります。
肌に優しい製品は効果が弱い一方で、においを抑える効果が強い製品は肌に刺激が強い成分が含まれておりトラブルが起きてしまうのでワキガの対処を諦めている方も多いのではないでしょうか。
特に夏になると多くの方が悩む「におい問題」を解決してくれると期待が高まっている成分が、CBD(Cannabidiol:カンナビジオール)です。
CBDは大麻などの植物から抽出されるカンナビノイドと呼ばれる生理活性成分です。大麻に含まれる成分ではありますが心身に悪影響を与えることはなく、健康や美容に多くのメリットをもたらすことで注目されています。
では、CBDはどのようにワキガにも作用するのでしょうか。
先述したように腋のにおいを抑えるには、細菌の発生を抑えること、タンパク質や脂質を含む汗を抑制することが鍵となります。
まずは、CBDの殺菌作用について見てみましょう。
ワキガのにおいを作り出す常在菌には、黄色ブドウ球菌、ジフテロイド菌、キセロシス菌などがあります。
これらの常在菌は「グラム陽性球菌」という種類の細菌で、CBDはグラム陽性球菌に作用することが報告されています。
また、殺菌作用のある化学物質を使用し続けるといずれ耐性菌が生まれることがありますが、CBDは使い続けても耐性菌ができにくい成分とされています。
次に、CBDの「汗」への作用をみてみましょう。脂質やタンパク質を含むベタベタした汗はワキガのにおいの元となりますが、CBDは汗を減らしたり汗の質を改善したりする効果があるのでしょうか。
現段階では、CBDが発汗の量を促したり抑制したりするというエビデンスはありません。
発汗は自律神経系によってコントロールされています。そのため心身の緊張を緩和することができるCBDは、自律神経バランスを整えることで発汗量を調節する可能性はあると言えるでしょう。
CBDやCBDオイルは自律神経を整える?自律神経失調症に作用する?
あるいは発汗量を減らすことはできなくても、CBDは「汗の質」を改善することはできるかもしれません。2014年に発表された文献によると、CBDには皮脂の量を調節する作用があることが示唆されています。
文献によると、CBDは皮脂腺に存在する皮脂の素となる「脂腺細胞」に働きかけて、皮脂の分泌量を調節する作用が確認されています。
同研究では、CBDオイルによるニキビ治療に焦点を当てていますが、腋下の皮膚においても同じようにCBDが皮脂腺に作用して汗に含まれる皮脂やタンパク質の量を減少させる可能性はあります。
また、CBDには抗炎症作用があり、頻回な除毛やデオドラントの使用によって肌荒れしている腋下の皮膚の状態を改善可能性もあります。
CBDは多くの方を悩ませる腋のにおいと肌荒れを同時に解決する可能性がある製品です。しかし同時に、食事の見直し、衣類の素材、運動で全身に汗をかくなどの日常的な対策も大切です。
CBDデオドラントには色々なタイプが存在します!
ドラッグストアなどで見かける様々なタイプの制汗剤のように、CBDデオドラントにも様々な種類があります。現在販売されているCBDデオドラントのラインナップを紹介します。
現在のところ、いくつかあるタイプのうちどのタイプのCBDデオドラントが特に高価ということはありませんが、一般的なCBD製品同様にCBDの含有量や添加物の少なさ、ヴィーガン製品といった条件によって価格の変動があるようです。
スティックタイプ
スティックタイプのデオドラントは、わきが体質の人が多い海外では最もスタンダードであり、CBDデオドラントにおいてもスティックタイプの種類が最も多いようです。スティックタイプは手を汚さない上、液だれせずにすぐにサラサラになります。
ロールオンタイプ
スティックタイプと同じく手を汚さないで皮膚に密着させることができるのがロールオンタイプのCBDデオドラントです。しかし、制汗剤自体は液体なので乾くまでの時間はスティックよりもかかります。
ウォータースプレータイプ
ウォータースプレータイプは、広範囲に塗布することができるため、腋下だけでなく汗をかきやすい足や背中など広範囲にCBDデオドラントを使用したい場合に適しています。
ただし、密着性は他の製品と比べるとやや劣るでしょう。
ボディバター(ペースト)タイプ
ボディバタータイプのCBDデオドラントは、シアバターやミツロウ、ココナッツオイル、などの植物由来の固形油分にCBDとベーキングソーダやスターチを混合したものです。
形態は違いますが、成分自体はスティックタイプと似ています。
クリームタイプ
クリームタイプはボディバターと同じように油分とスターチに加え、水やグリセリンが入っているため伸びが良いことが特徴です。さらに、冷涼感を与えるユーカリプスやミントなども含まれています。
オイルタイプ
あまり日本で見かけることはありませんが、オイルタイプのCBDデオドラントも販売されています。CBDオイルデオドラントと他の製品の大きな違いとして、スターチが入っていないため皮膚への刺激がより少ない点です。
CBDデオドラントのメリットとデメリットを口コミとともに解説
CBDデオドラントの実際の使い心地や効果はどうなのでしょうか。通常の制汗剤と比べて大きく違うことはあるのでしょうか。
海外のウェブサイトには、CBDデオドラントのユーザーによるリアルな口コミが多く寄せられています。良い意見も悪い意見も含め様々なレビューがありますので、購入の際の参考にしてください。
メリット
CBDデオドラントのメリットとしては、以下のように、皮膚への刺激の少なさや、一般的な制汗剤に比べて効果が高いと感じる声が目立ちました。
- アルミニウムや発ガン性物質が入っていないので安心して使用できる
- 無香料、または自然な香りが良い
- 他の製品では肌が赤くなったが、CBDデオドラントでは肌荒れがなかった
- 効果が他のケミカルな制汗剤よりも高いように感じた
- 気温が30度以上の日に汗をたくさんかいたが、一日中においがしなかった
- 一度塗るだけで一日中効果が持続した
- 最初は効果をあまり感じなかったが、一週間ほど使用を続けると(においが抑えられる)効果を感じた
デメリット
品質に関しては好意的な意見が多い中で、CBDデオドラントのデメリットとしては値段が効果であることや製品に油分が含まれているため溶けやすいことが挙げられていました。
また、効果や安全性に対してポジティブな意見も多い中で、人によっては肌荒れしたり効果がなかったという意見も見られました。
- スターチが入っていない製品は腋に塗った後になかなか皮膚が乾かず、汗をかいていないのにずっと濡れているように感じた
- スティックが溶けやすいため、毎回皮膚に塗ってからスティックも乾かす必要があって不便だ
- 容器の中で溶けるため冷蔵庫で保管する必要がある
- 衣類の腋の部分へ製品の油分が付着して変色した
- 値段が高い(スティック一つで2000円相当など)
- 制汗・消臭効果はあったが肌の赤み、痒み、皮めくれなどのトラブルがあった/皮膚が黒ずんだ
- 草のような香りが気になった
- 一日に一回の塗布では効果がなかった、など
デメリットの中で、皮膚トラブルに関してはCBDによる作用ではないと考えられます。CBDには炎症を抑制する作用があるため、肌荒れを起こした場合は製品に含まれる他の成分の可能性があります。
一例として、スティックなどに使用されるスターチは皮膚をサラサラに保つ上で優れていますが、スターチが皮膚に細かい傷をつけたり乾燥させたり、接触性皮膚炎(かぶれ)を起こすことがないわけではありません。
CBDデオドラントは一般的なデオドラントよりも安全性は高い傾向にありますが、絶対に安全な製品はありません。しっかりと成分を確認して選ぶようにしましょう。
また、肌荒れした場合はCBDデオドラントの使用を中止し、炎症が改善しない場合は皮膚科にかかるようにしましょう。
CBDデオドラントはこんな方におすすめです!
CBDデオドラントは、性別に関係なく子供からお年寄りまで全ての方におすすめできる製品です。
特に、肌が弱い方やデオドラント・除毛による炎症に悩んでいる方、一般的なデオドラントでは効果を感じられなかった方はぜひ使用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、現在初潮の平均年齢が12歳頃であることから小学生でもワキガの症状に悩むお子さんもいるでしょう。除毛やデオドラントによる皮膚トラブルを避けるためにも、保護者の方は適切なケア方法を教えることが大切です。
このような場合も、一般的なデオドラントよりも肌に優しいCBDデオドラントを使用しても良いかもしれません。
子どもがCBDを使用する上での注意点として、CBDは基本的には安全性が高い成分ですが、子どもが摂取することへの安全性に関するエビデンスは少ない状態です。
「CBDやCBDオイルを子どもが摂取しても安全?製品の選び方は?」の記事内で小児のCBD摂取に関して解説していますので、お子さんにCBDデオドラントを使用させる際の参考にしてください。
CBDやCBDオイルを子どもが摂取しても安全?製品の選び方は?
また、CBDデオドラントには人工香料が含まれておらず、香りはエッセンシャルオイルによるものです。そのため、人工的な香りが苦手な方にもおすすめします。
最後に、安心してCBDデオドラントを使用するためにも、現在医薬品を使用している方や持病がある方は医師や薬剤師にCBDデオドラントを使用しても問題がないことを確認してから使用を開始するようにしましょう。
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