CBDやCBDオイルは中国で合法?CBD市場の歴史と広がり

CBDやCBDオイルは中国で合法?CBD市場の歴史と広がり

中国がCBD市場の参入への準備段階にあり、CBD市場を独占する勢いがあると報じられています。本記事では、CBDとTHCの違い、中国においてCBDやCBDオイルが合法なのか、中国における大麻の歴史、中国で買ったCBD製品を日本に持ち込めるかなどについて解説しています。

CBDやCBDオイルとは?THCとは違う?

CBDとは大麻草の種子や茎などから抽出される化合物で、CBDオイルとはCBDのオイル製品です。

CBDは大麻草から抽出される成分と言うことで、気分をハイにさせたり陶酔させたりする作用があるのではないかと心配される方もいますが、CBDには精神活性作用は一切ありません。

大麻草の有名な成分の中に大麻草の葉や花穂から抽出されるTHCがあります。大麻草の精神活性作用はこのTHCに由来するものです。

CBDもTHCも同じ大麻草から抽出される成分ではありますが、構造式も性質も全く違う別物です。THCは精神活性作用があることから摂取することが違法となっているのに対し、CBDは安全な化合物で合法になっています。

CBDとTHCの違いは?相乗効果はある?そもそも日本で合法なの?CBDとTHCの違いは?相乗効果はある?そもそも日本で合法なの?

また、CBDには健康・治療効果があることが注目されていて、最近ではその効果を得るために多くの人がCBD製品を買い求め始めています。

中国の大麻市場の広がり

日本でも注目され始めているCBDの大部分は産業用大麻から抽出しています。世界中で急成長している産業用大麻市場ですが、中国の大麻市場はどのような広がりを見せているのか見ていきましょう。

実は中国は、世界最大級の産業用大麻の生産国であり、世界の産業用大麻に関する特許のうちその半数以上を所有しているほどの産業大麻主要国です。

アメリカに輸入されている産業用大麻の半数は中国産であるとも言われています。

このような背景がある中国は、CBD市場の参入においても着々と準備をし、産業用大麻市場の拡大に現在全力で取り組んでいます。

中国がCBD市場の拡大に取り組んでいる理由とは

なぜこれほどまでに中国が産業用大麻市場やCBD市場の拡大に意欲を見せているのでしょうか。

それは、CBDに様々な健康効果があり、治療目的で使われているということや、CBDを主成分とするてんかん治療薬の『エピディオレックス』が多くの国で認められているということなどからCBD市場が急成長をしているからです。

また、世界中で大麻の合法化が進んでいますが、その事実からも産業用大麻市場の急成長が感じ取れるでしょう。

2018年、世界のCBD市場は約3,300億円と評価され、2026年までには約22兆円までに達すると言われています。

これほどまでに急成長しているCBD市場を独占することができれば、世界の中で経済的に優位に立てることは間違いありません。

産業用大麻の生産や大麻関連製品の多くが今も中国産であることから、中国こそがこのCBD市場を独占することが可能と言えるでしょう。

また、中国は文化的にお金を稼ぐことに対して他の国以上に積極的なところがあります。これらのことを総合的に考えると、中国がCBD市場の独占し、経済的に優位になるチャンスを見逃すわけがありません。

中国は、CBD市場の参入準備はすでに完了しつつある段階で、CBD市場独占を首を長くして待っている状態なのです。

ちなみに、現在中国で販売されているCBD製品は、CBD配合の敏感用シートパックやアンチエイジング用のシートパック、ボディ用のマッサージクリーム、多機能化粧水などで、販売店によっては売上高がすでに黒字になっています。

今後のCBD市場の参入によって、他にも様々なCBD製品が発売されていくことでしょう。

中国における大麻の歴史

中国は大昔から大麻草を薬として使用してきました。2700年前の発掘品からもマリファナが薬として使われていたことが証明されています。

また、中国最古の薬物学書には大麻草を薬草として使っていたことも記されており、大麻草の種子などを使った漢方薬も以前からありました。

このように大麻草が非常に身近だった中国ですが、その後違法薬物の乱用を取り締まるため、大麻やマリファナ、産業用大麻が条例や法律によって厳しく規制されました。

マリファナや大麻を違法に所持すると中国では重罪とされ、極刑が課せられることもあるほどです。

そのような中、2017年5月に薬物禁止条例の改正により産業用大麻の栽培、生産、加工の規制が緩和され合法化されました。中国の学術機構であり研究センターである黒竜江省科学院が政府を3年かけて説得し、条例を改正したのです。

世界の大麻市場拡大の背景から、この規制は今後も緩和されていくのではないかと言われています。

現在ではTHCが0.3パーセント以下の大麻は産業用大麻と呼ばれ、届け出によって誰でも栽培できるようになりました。

同じ広さの土地で農作物を栽培するよりも、産業用大麻を栽培したほうが10倍以上稼ぐことができることから多くの農家が産業用大麻を栽培するようになりました。

こうして、中国の産業用大麻市場は驚くほど拡大しました。そして今後もいっそう拡大し続けることが予想されています。

CBDやCBDオイルは中国では合法?

中国はCBDやCBDオイルの市場への参入の準備段階のため、現段階では化粧品のみが公的に利用可能となっています。

また、産業用大麻の栽培は一部の省のみで可能になっており、届け出・許可制をとっています。

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中国で買ったCBD化粧品は日本に持ち込める?

中国ではTHCが0.3パーセント以下の製品は合法とされています。つまり、0.3パーセント以下のTHCを含んだ化粧品が販売されているということです。

日本の大麻取締法ではTHCは違法であり、たとえ0.3パーセント以下の微量のTHCでも国内に持ち込めないことになっています。

THCが少量でも入っている可能性のある製品は、空港でトラブルのもとになります。内容成分表示にTHCと書かれていなくても、実際にTHCが含まれていれば違法です。

内容成分の詳細が分からない、または内容成分表示が信頼できない中国のCBD製品は持ち込まないようにしてください。