CBDやCBDオイルとは?「ハイ」にならない?
CBD(カンナビジオール)とは、様々な健康・治療効果があると期待されている成分で、現在世界中の人から注目されているサプリメントです。
CBDは大麻草の茎や種子などから抽出されます。そのためマリファナなどを思い浮かべて、CBDを摂取したら気分が「ハイ」になるのではないか、大麻取締法違反になってしまうのではないかと不安になる人も中にはいます。
「気になる症状を緩和するためにCBDを試してみたいけれど、大麻草の成分なので摂取したくない、怖い」と感じている人も少なくないのではないでしょうか。
多くの有名人が大麻取締法違反で逮捕されるニュースなどを普段から目にしていると、CBDが大麻の成分の一つであるというだけで不安になってしまう気持ちは分かります。
しかし、実際にはCBDは安全性が証明されている化合物であり、摂取しても気分が「ハイ」になることは決してありませんし、もちろん大麻取締法違反にもなりません。
そもそも大麻草を使用して気分が「ハイ」になるのは、大麻草の葉や花穂から抽出されるTHC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれる成分が原因で、大麻草が持つ精神活性作用にはCBDは全く関わっていないのです。
確かにCBDとTHCは同じ大麻草という植物から抽出される成分ではありますが、それぞれの化学構造式も性質も全く別物ということは頭に入れて置いてください。
間違った知識のまま必要以上にCBDに不安を抱くよりも、正しい知識を身に着けてCBDの恩恵を最大限手に入れたほうが得策だと言えます。
CBDオイルとはCBDをココナッツオイルやキャリアオイルに溶かした製品のことです。
CBDを含む製品は様々なものが発売されていますが、その中でもCBDオイルは摂取のしやすさや持ち運びのしやすさ、身体への吸収率の高さなどによって、多くの人々に選ばれています。
CBDやCBDオイルは緑内障に作用する?
CBDやCBDオイルは様々な健康・治療効果があることで知られていますが、果たして緑内障には効果を示すのでしょうか。
緑内障とは
緑内障とは、眼圧の上昇などが原因となり視神経が障害されることで視野が狭まる病気で、失明の原因の第一位になっています。
緑内障は進行がゆっくりなことが多く、たとえ視野が狭まっていても、もう片方の目が異常をカバーし支障なく生活できてしまうことが多いという特徴があります。
そのため、視野が狭まっていることに気付いたときには緑内障が相当悪化してしまっているということも少なくありません。
緑内障には、初期には自覚症状のない慢性緑内障と頭痛や吐き気、目の痛みなどが症状として出る急性緑内障があります。
自覚症状がなくても眼科で定期検診を受けたり、インターネットの緑内障のチェックサイトなどで片目ずつ確認して見たりするなど普段から目のケアをしていると手遅れにならずに済むでしょう。
緑内障に対してCBDは効果がある?
結論を先に申しますと、CBDやCBDオイルは緑内障に効果があるわけではありません。
ただし、CBDには鎮痛緩和作用や嘔吐の抑制作用があるため、急性緑内障の症状である頭痛や吐き気、目の痛みを緩和できる可能性はあります。
しかしながらCBDやCBDオイルが直接緑内障に効果を示すわけではないため、急性緑内障の不快な症状を和らげる目的でCBDを使用するのは避けてください。
目の痛みや視野の異常などいつもとは違う症状がある場合にはすぐに眼科にかかり、適切な検査や処置、治療をしてもらいましょう。
むしろ逆効果?CBDオイルは緑内障を悪化させる?
インディアナ大学は、2018年にCBDがマウスの眼圧を高めたことを報告し、CBDが緑内障の症状悪化の原因となる可能性があることを示唆しました。
緑内障の主な原因は、眼圧の上昇によるものです。CBDによってむしろ眼圧が上昇してしまうということは、CBDが結果的に視神経の障害をより悪化させてしまうかもしれないということです。
緑内障の中には眼圧が正常値なのにもかかわらず、視神経に異常が起こる正常眼圧緑内障というものもあります。
そのため、CBDが全ての緑内障の症状を悪化させるとは言えませんが、特に眼圧上昇が原因である緑内障を患っている方はCBDやCBDオイルの摂取を避けるようにしてください。
また、正常眼圧緑内障を患っている方であっても、CBDやCBDオイルの摂取を考えるときには、CBDを使用する前に必ずCBDを摂取したい旨を眼科の主治医に伝え、意見を聞きましょう。
万が一CBDによって眼圧が上昇してしまった場合に、それが緑内障の症状に影響を与える可能性がないかなどを確認する必要があるからです。
CBDやCBDオイルは緑内障の新しい治療法になりうるか?
CBDやCBDオイルは、前述したように眼圧を上昇させる可能性があるため、緑内障には逆効果になってしまうかもしれません。
一方で、大麻草の精神活性作用をもつ成分であるTHCには眼圧を低下させる作用、視神経の保護作用があると言われていることから、緑内障の症状を改善する可能性があります。
しかし現段階では従来の緑内障の治療法の方が効果が高いということや、そもそも日本でTHCの所持が大麻取締法違反になることなどを考えると、日本においてCBDやTHCが緑内障の新しい治療法になる可能性は低いと言えるでしょう。
ただし、CBDやCBDオイルは緑内障にかかる前の予防としては役立つかもしれません。
緑内障の発生の危険性を高める要因として高血圧や糖尿病が挙げられます。CBDは血圧を低下させたり、2型糖尿病の発症につながる炎症を軽減させたりすることが期待されているため、緑内障にかかるリスクを下げられる可能性があるのです。
とはいえ、緑内障をすでに発症している場合は症状の悪化を防ぐためにもCBDの摂取は基本的に避けるべきでしょう。
自分の症状や緑内障の原因に対してCBD摂取ができるのか知りたい場合には、必ずかかりつけの眼科医に相談するようにしてください。
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