CBDやCBDオイルって?どんな効果があるの?
CBD(カンナビジオール)とは、大麻草の茎や種子などから抽出される化合物で、大麻草の主成分の一つとしても知られています。
CBDには疼痛緩和作用や抗不安作用、抗けいれん作用など様々な健康・治療効果が期待できるため、現在、健康を維持するためのサプリメントとして世界中の多くの人がCBDを摂取しています。
しかし、CBDが大麻草の成分であることから気分を「ハイ」にする作用があるのではないかと心配する人も中にはいるのではないでしょうか。
大麻草の有名な主成分には、CBDの他に大麻草の葉や花穂から抽出されるTHC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれる化合物があります。
大麻草の気分をハイにさせたり陶酔させたりする作用を持つのはこのTHCであり、CBDではありません。
CBDもTHCも同じ大麻草から抽出される化合物ではありますが、化学構造式も性質も全く違う物だということを頭に入れておいてください。
CBDは心配されるような精神活性作用はなく、安全な化合物であることが分かっています。
ちなみにCBDオイルとはCBDをオリーブオイルやココナッツオイルなどのキャリアオイルに溶かした製品のことです。
CBDオイルは、摂取が比較的簡単であることや持ち運びがしやすいということ、身体への吸収率が良いことなどから人気の製品になっています。
CBD自体には副作用がある?摂取する際の注意点とは?
WHO(世界保健機構)が2017年11月に発行した報告書には「CBDは公衆衛生上の問題も濫用の危険性もなく、非常に安全で、幅広い用量で忍容性が良好である」と記されており、その効果と安全性についても論じられています。
また、大麻取締法第一条には「この法律で「大麻」とは、大麻草及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く)並びに大麻草の種子及びその製品を除く」と明記されています。
つまり、大麻草の茎や種子などから抽出されるCBDは大麻ではなく合法的に摂取できるものだということが分かるでしょう。
このように安全性がかなり高いとされているCBDですが、心配すべき副作用などはあるのでしょうか。
CBDのほとんどの副作用は軽度
どんなに安全な医薬品にも必ず副作用があるのと同様に、CBDにも副作用がいくつか報告されています。CBDの代表的な副作用として挙げられているのは、口喝、吐き気、下痢、強い眠気などです。
CBDにはたしかに上記のような副作用があると言われていますが、だからと言ってCBDの安全性が低いのかと言うと決してそうではありません。
例えば、皆さんがよく飲むであろう風邪薬にも、発疹(ほっしん)、胃痛、めまい、けいれん、下痢(げり)などの副作用症状が懸念されることが、パッケージに記載されています。
このようなドラッグストアでも簡単に購入できるような薬と比較しても副作用を発症するリスクは少ないです。また、CBDの副作用として挙げられる口喝、吐き気などは、いずれも症状が軽度かつ簡単に対処可能な副作用であるため、安全性が高いことが分かるのではないでしょうか。
例としてCBDの副作用の一つである口喝は、水分を多く摂ることで消えてしまう程度の副作用のため、万が一副作用が起こったとしても簡単に対処できるでしょう。
また、吐き気はCBDの摂取量が多くなると起こりやすくなる副作用です。CBDにより吐き気を感じた場合には摂取量を減らしたり、CBDオイルを摂取後に水を飲むことで解決することができます。
CBDやCBDオイルに嘔吐や吐き気の副作用がある?
CBDオイルによる下痢の症状は、CBDが直接的な原因でなくお使いのキャリアオイル(ベースに使用されているオイル)が原因である可能性があります。CBDで下痢が起きてしまった場合はキャリアオイルの種類を変えてみるのも良いでしょう。
CBDを摂取する際の注意点
CBDは安全性の高いものであることをここまでお伝えしてきましたが、CBDを摂取する際に注意すべきことはあるのでしょうか。
万が一不快な副作用が起こった場合
CBDの副作用のほとんどは軽度なものですが、CBDには効果の現れ方や効果の現れる用量が人によって違うという特徴があることから、不快な副作用が現れてしまうことも稀にあります。
万が一不快な副作用が現れた際には、速やかにかかりつけの医師の診察を受けて対処するようにしてください。不快な副作用が起こったとしても対処が早ければ症状が軽く済む場合がほとんどです。
CBDに限らず医薬品やサプリメントを服用する際には、副作用が起こった場合にすぐに医師の診察を受けるなどの対処方法を覚えておくことが何より大切です。
対処法を知っておくことで、医薬品やCBDなどのサプリメントをより安心して摂取できるようになります。
摂取すべきCBDの用量が分からない場合
CBDの効果が現れる用量は人によって違うため、自分自身で最適なCBD用量を見つけていくことになります。
初めてCBDオイルを試す場合は、例えば、CBDが1,500mg配合されている濃度15%のCBDオイルを摂取する際は、最初はスポイト半分〜一本分程度摂取するのがよいでしょう。
期待する作用が現れるかを観察してみてください。感じた効果に応じて、摂取量を調節し摂取すべき量を明確にしてみてください。
初心者必見!CBDやCBDオイルの摂取量は?含有量の計算方法も解説!持病があり医薬品をすでに服用している場合
CBDは肝臓の酵素を阻害する作用があると言われているため、それが原因で既に服用している医薬品やサプリメントと相互作用を起こす可能性があります。
服用している医薬品やサプリメントがCBDと相互作用を起こすものであった場合、効果や副作用が過剰に現れてしまったり、効果が必要以上に長引いたりするかもしれません。
CBDやCBDオイルは薬の効果を妨げる?飲み合わせや相互作用は?
現在服用している薬がある場合には、かかりつけの医師やかかりつけ薬剤師に相談し、CBDと一緒に摂取しても問題ないかどうかアドバイスをもらってください。
ただし、服用している医薬品がCBDと相互作用を起こす可能性があると指摘された場合にCBDを摂取したいがために服用している医薬品を中断することだけはしないでください。
必要な医薬品の服用を中断して病状が悪化してしまっては元も子もありません。
CBDやCBDオイルは吐き気や疼痛などの症状を緩和する?
CBDやCBDオイルは吐き気や疼痛の症状などを緩和する働きがあります。CBDがどのようにそれらの症状を緩和しているのか見ていきましょう。
CBDが吐き気を緩和するメカニズム
CBDが吐き気を抑える効果があると言われていますが、実はCBDがどのように吐き気を抑えているのか解明するための研究はまだあまり行われていません。
ただし、吐き気を催すのにセロトニンという物質が関わっていることから、研究者たちはCBDの吐き気を緩和する作用にもセロトニンが関わっている可能性が高いと考えています。
CBDにはエンドカンナビノイドシステム(ECS)という身体を調節する機能を高める作用があることが証明されています。
ECSとはウイルス感染などの外部の環境の変化が起こっても、体内の環境を一定に保とうとするシステムのことで、ECSがあるからこそ身体を健康な状態に戻すことができます。
CBDはカンナビノイド受容体に結合してECSを高めますが、カンナビノイド受容体はセロトニン放出にも関わっていると考えられています。
CBDがカンナビノイド受容体に結合することで、吐き気を起こす原因になるセロトニンの放出を減少させ、その結果、吐き気が緩和されているのではないかというのが現在考えられているメカニズムです。
また、CBDが化学療法を受けている患者の吐き気の治療に有効であることも示唆されています。一般的に化学療法の吐き気を抑えるために使われる医薬品はセロトニンの作用を抑えるものが使われることが多いです。
CBDが吐き気を抑えるメカニズムはまだ証明されたわけではありませんし、吐き気のメカニズム自体もまだよくわかっていない状態です。
しかし、吐き気とセロトニンが密接な関係にあることやCBDが化学療法後の吐き気の副作用に有効である可能性があることから、CBDがセロトニンの放出を制御して吐き気を抑えている可能性は高いと言えます。
CBDが疼痛を緩和するメカニズム
CBDは、癌、神経障害、線維筋痛症、関節炎などの疼痛を緩和できると言われています。
CBDがECSを高めるためにカンナビノイド受容体に結合することは先ほど述べましたが、カンナビノイド受容体は痛みを伝える神経である脊髄神経にも存在していると考えられています。
現在CBDの疼痛緩和のメカニズムとして考えられているのは、CBDが脊髄神経のカンナビノイド受容体に結合することで痛みが和らぐのではないかということです。
また、CBDには神経保護作用があることが分かっています。この神経保護作用が神経障害性疼痛の緩和に役立っているという可能性もあります。
必読!安全なCBD製品の選び方とは?
精神活性作用もなく、ほとんどの副作用が軽度であるということで安全性が高いと言われているCBDですが、購入する製品によっては安全とは言えない可能性もあります。
例えば、「THCフリー」とボトルに表示されているのにもかかわらず、微量のTHCが含まれている製品や、記載されているCBDの濃度や量が間違っている製品も中にはあります。
このような製品は外国産のCBD製品だけでなく日本発ブランドのCBD製品にも残念ながら存在しているため、日本のブランドだからと言って安心できるわけではないということは覚えておいてください。
せっかく安全性の高いCBDを摂取しようとしても、製品自体が信頼できない場合、安全性は確保されません。
安全なCBD製品を購入するためには、信頼できるメーカーの製品かどうかをまず確認しましょう。
信頼できるメーカー自体を知らないという場合は、第三者機関に検査を頼んでいるかどうかを調べてみてください。誠意あるメーカーは第三者機関に製品の安全性検査を頼み、消費者が安心できる情報を惜しまず提供しています。
CBDは長年愛用する人も多い製品です。ぜひ安心できる安全な製品を選んでください。
関連文献
CBDやCBDオイルの副作用に関して皆様から頂いた質問
CBDには副作用はありますか?(20代女性)
CBDの代表的な副作用として挙げられているのは、口喝、吐き気、下痢、強い眠気などです。しかし、これらの副作用が出る可能性は低く、また対処可能であるため、過度に心配する必要は無いでしょう。また、WHO(世界保健機構)が2017年11月に発行した報告書には「CBDは公衆衛生上の問題も濫用の危険性もなく、非常に安全で、幅広い用量で忍容性が良好である」と記されており、安全性が高いことがわかります。
不快な副作用が起こった場合どのように対処すれば良いでしょうか?(30代女性)
前提として、副作用に関してはほとんど心配する必要はないですが、稀に不快な副作用が現れてしまうこともあるかもしれません。そのような場合には、速やかにかかりつけの医師の診察を受けて対処するようにしてください。不快な副作用が起こったとしても、多くの場合対処が早ければ症状が軽く済みます。
CBDオイルはどの程度摂取すればよいでしょうか?(40代男性)
CBDの作用が現れる用量は人によって違うため、自分に適するCBD用量を見つけていくことになります。摂取開始時はCBD量を多めに摂取することで心身に良い作用を実感しやすくなるため、CBDが1,500mg配合されている濃度15%のCBDオイルの場合、スポイト半分〜一本分程度を推奨しています。