そもそもCBDやCBDオイルとは?
CBDは、植物の麻(学名:カンナビス・サティバ)などに含まれる有効成分カンナビジオール(Cannabidiol)の略称です。麻に含まれる有効成分を総称してカンナビノイドといいますが、CBDはそのうちの1種で代表的な成分です。CBDには様々な疾患に対する臨床的な効果が期待されており、医学研究が進められている成分です。海外ではCBDを含む医薬品が承認、販売されている地域もあります。
CBDオイルは、キャリアオイルというベースとなるオイルに、CBD成分が配合された製品です。キャリアオイルには、ヘンプシードオイル、オリーブオイル、MCTオイルなどが使われています。
CBDオイルは、CBDを手軽に摂取できる製品として、健康や美容業界で注目度が高まってきています。
基本的な使い方は、舌の裏に数滴垂らして成分を吸収する舌下投与ですが、CBDオイルの味が苦手な方は、コーヒーや紅茶などの飲み物に混ぜて飲むこともできます。
CBDは、エンド・カンナビノイド・システム(ECS)という、私たちの体の中で免疫機能や気分、痛みなどの調節を行っている仕組みに働きかけ、様々な作用を発揮するといわれています。
そのため、CBDには抗炎症作用や抗酸化作用、鎮痛作用、リラックス作用などが期待されます。
CBDやCBDオイルなどのCBD製品をスキンケアに用いてもよい?
CBDの作用について前述しましたが、CBDやCBDオイルはスキンケアには効果があるのでしょうか。結論から言うと、CBD製品はスキンケアとして使用することができます。
最近では、製品の種類も増え、スキンケアに特化したような製品もたくさん販売されています。
CBDには抗炎症作用があり、ニキビなどの炎症が原因の皮膚炎に効果的であるといわれています。また鎮痛効果もあるため、ニキビが悪化し痛みが出ている場合にも効果的であると考えられます。
CBDやCBDオイルは炎症に効果がある?中毒症状や副作用はない?2014年に発表された研究では、ニキビを想定した皮膚細胞に対して、CBDがどのように反応するか実験しました。
この実験では、炎症性物質であるサイトカインを抑制する反応がみられ、ニキビに対するCBDの抗炎症作用が示唆されました。また、脂質代謝経路を阻害する反応も見られ、皮膚細胞での脂質生成が抑制されていました。
実験で確認されたメカニズムを考えると、CBDがニキビに対して非常に効果的であることが期待されます。
さらに、CBDの抗酸化作用は、老化に伴うシミやシワといった肌の悩みに効果的であると考えられます。抗酸化作用により、酸化ストレスからの回復が促されます。
肌は酸化ストレスを受けると、コラーゲンが破壊され、新しい肌への生まれ変わりが妨げられます。CBDはこれを抑制し、アンチエイジングの効果があると考えられています。
CBDスキンケア製品にはどのようなものがある?
CBDの人気が高まるにつれて、CBD製品は多種多様な形で販売されるようになってきました。
もともとはCBDオイルやベイプが主な製品でしたが、最近では、CBDクリームやバーム、カプセル、グミ、キャンディなど、使用方法も様々な種類のCBD製品が販売されています。
また、化粧水やリップグロスにCBDを配合したCBD化粧品、ボディーソープや入浴剤など毎日使用するアイテムにCBDを配合した製品などもあります。
CBD化粧品はスキンケアに効果がある?日本に輸入できる?このように製品のラインナップが増え、普段の生活の中に取り入れやすいCBD製品もたくさん販売されています。
使用を習慣化するのが苦手な方は、リップクリームやソープ類など、毎日必ず使用するものをCBD製品に変更してみるのがオススメです!
どのようにCBDを摂取するのがスキンケアにおすすめ?
それでは、CBDのスキンケア効果を最大限引き出すために、どのように使用すれば良いのでしょうか。ここからは、CBD製品の具体的な使い方を紹介していきます。
ニキビやシミなどの肌トラブルにはCBDクリームがおすすめ!
CBDクリームは、肌に直接塗ることに特化したCBD製品です。ニキビやシミなどのトラブルが気になる部分に直接塗布することができ、クリームが患部に留まって作用を発揮します。
CBDオイルやCBDクリームはにきびや湿疹に効く?塗り方は?このように患部に直接使用する方法を局所投与といいます。使用した患部から成分が吸収されていくため、肝臓などで成分の一部が代謝されてしまうということはありません。
また、血液循環に乗って成分が素早く全身に作用してしまうということもないため、全身的なアレルギーや様々な副作用は、一般的に起こりづらいと考えられています。
副作用が全くないわけではなく、塗布したところに痒みや赤みが出るなどの副作用が発生する可能性はもちろんあります。
原因はCBDだけでなく、他に添加されている成分である可能性もあるため、成分表示は使用前に確認するようにしましょう。初めて使用する際は目立たない部分で少量ずつ試すことをおすすめします。
また、いきなりCBDクリームを使うのではなく、化粧水などで肌を整えてから使用する方が、肌になじみやすく使い心地が良くなるのでおすすめです。自分の好きなスキンケアと組み合わせて使い方を工夫してみてください。
全身の美肌効果や健康効果を期待するならCBDオイルがおすすめ!
CBDオイルは舌下投与や経口投与が主な使い方です。舌下や消化器官からCBDが吸収され、血液循環に乗って全身に行き渡ります。
舌下投与は肝臓での代謝や消化吸収にかかる時間の影響を受けないため、経口投与よりも効果を素早く感じやすいという特徴があります。
CBDオイルは、サプリメントのように定期的に摂取することで、前述した抗炎症作用や抗酸化作用を期待することができ、全身的な健康・美容の管理に役立つと考えられています。
これまでにCBDオイルを摂取する臨床試験がいくつか行われていますが、大きな副作用は報告されていません。しかし、副作用が全く起こらないとは断言できませんので、過剰に摂取しすぎないようにしましょう。
舌下投与や経口投与では、他の医薬品やサプリメントとの飲み合わせが問題になることもあります。CBDにも、CYP450という代謝酵素を阻害する作用が確認されており、このために医薬品の代謝排泄を遅らせる可能性があります。
自分で飲み合わせについて判断することは難しいですし、CBDを摂取して体調が悪くなった場合には速やかに医師に相談することをおすすめします。CBDの効果を最大限引き出すためには、正しく使用することが最も重要です。
CBDはアトピーや乾癬にも効果あり?
CBDは一般的な肌の悩みだけではなく、アトピーや免疫機能の異常が原因とされる乾癬といった皮膚疾患にも効果的であると考えられています。
実際に2019年に発表された研究では、20人のアトピーや乾癬の患者にCBD入りの軟膏を3ヶ月間塗ってもらい、使用前後の皮膚症状を評価しました。
この臨床研究の結果では、皮膚症状を数値で現す指標や水分量、弾力性といった皮膚状態の各数値が改善したと報告されています。アトピーや乾癬による皮膚の傷跡にも使用しており、改善が見られました。
また、CBD入り軟膏を使用している間、アレルギーや刺激感といった副作用反応は見られませんでした。この結果からは、CBDが外用剤としても安全に使用できることを示していると考えられます。
しかし、これまでにCBDの皮膚疾患に対する効果が大規模な臨床試験で示されたわけではありませんので、エビデンスとしてはまだまだ不十分といえます。
アトピーや乾癬などの皮膚疾患は治癒が難しく、上手く症状をコントロールしながら生活することが求められます。さらに研究が進められ、CBDが症状のコントロールに役立つことが証明されることが期待されています。
関連文献
CBD入りのスキンケア製品に関して皆様から頂いた質問
CBDクリームを塗ったら肌が赤くなってしまいました。どんな対応をすればよろしいでしょうか?(20代男性)
1度使用を中断してみて、治るかどうかを経過観察してください。もし治らなかったらかかりつけの医師に相談しましょう。また、CBDではなく他に含まれている物質が原因である可能性があるので、他の製品を試してみるなどしてみましょう。
肌が弱くて身体に合うか心配です(20代女性)
CBD製品はCBDクリームなどの肌に塗るタイプだけではなく、CBDオイルのように口から摂取するタイプもあります。もし心配でしたらそちらを使用してみるのも一つの手です。
スキンケアに良いCBD製品を教えてください(30代女性)
CBDクリームとCBDオイルがおすすめです。ニキビやシミなどのトラブルに局所的に作用させたい場合はCBDクリーム、全身的な健康・美容の管理をしたい場合はCBDオイルというように使い分けることをおすすめします。