CBDやCBDオイルとは?どのような効果がある?安全なの?
CBDはカンナビジオールの略称で、大麻草などに含まれます。
マリファナ生産に用いられる植物Cannabis sativa (カンナビス・サティバ) からは、カンナビノイドと呼ばれる80種類以上の天然物質が抽出できますが、CBDもその中のひとつです。
ただし「麻薬」として、多くの国で規制対象となっているマリファナとは異なります。
マリファナの主成分は、テトラヒドロカンビノール (THC) と呼ばれる物質であり、CBDとはまた別のものです。CBDにはTHCのように精神を高揚させる効果はありません。
CBDやCBDオイルは本当に安全?副作用や飲み合わせも解説しますまた、CBDは心身のリラックス効果、ストレス防止、不眠改善、鬱防止、疼痛 (痛み) や炎症反応に効果があると研究で示されており、さまざまな心身の問題に効果があると期待されています。
話題沸騰中!CBDやCBDオイルの効果・効能や副作用を徹底解説!関節痛の症状を解説!関節炎になるとどうなる?
平成26年に厚生労働省が発表したデータによると、日本全国の関節症疾病総患者数は125万人に及ぶといわれます。それほど、関節痛・関節炎は私たちにとって切っても切り離せない問題です。
そんな関節痛・関節炎は、加齢や肥満、過度な運動による関節への負担や、その他感染症や疾病などの原因により、関節部が変形したり腫れたりすることで起こります。
例えば「変形性関節症」は、加齢や肥満によって軟骨がすり減り、むき出しになった骨同士がこすれ合うことで、膝や肘に関節痛が生じるものです。また、四十肩・五十肩も、中高年に起こりやすい関節炎症状のひとつです。
さらに、関節組織に最近やウイルスが入り込んで関節痛が生じたり (感染性関節炎) 、痛風などの病気も関節炎を引き起こします。また、心臓病や糖尿病も関節炎と関わりがあるとも言われています。
このように、さまざまな要因で起こる関節痛・関節炎ですが、実際に症状が出てしまうと身体がこわばったり、関節内の動きの低下などが引き起こされ、日常生活に支障が出ます。
また、慢性化する場合も多く、時間とともに症状が悪化する場合もあります。
さらに「気分が落ち込む」「やる気が出ない」など、不安やうつ病といった精神面の問題を引き起こす可能性も非常に高いといわれています。
CBDやCBDオイルが関節痛や関節炎を緩和する?専門家の見解も紹介
関節痛・関節炎は日常生活に支障をきたし、また不安やうつ病の原因ともなり得ます。
そんな関節痛や関節炎に、CBDオイルをはじめとしたCBDを配合した製品が効果的であると考える専門家もおり、またこの説を裏づけるべく多くの実験も行われてきました。
CBDは痛みを和らげる
CBDは疼痛の緩和に役立つというデータが出ています。
例えば、2008年に発表された論文には、CBDを含むカンナビノイドが多発性硬化症や癌などによって引き起こされる痛みに効果的であると示しました。
また、別の実験データでは、線維筋痛症にも効果があることが示されています。
CBDやCBDオイルは痛みを和らげるのに効果的?塗るタイプもある?CBDは関節炎の症状を緩和する
CBDが痛みに対して効果的であることが示されましたが、実際に関節炎やそれに伴う関節痛についてはどうでしょうか。
実は、CBDは関節炎に対しても効果的に働くということも示唆されています。
2000年にマルファイトらによって、免疫反応により関節炎を引き起こさせたマウスに、CBDを腹腔内投与または経口投与する実験を行ったところ、関節炎の進行をブロックすることが分かりました。
また、カナダの研究室では2017年に変形性関節症を引き起こしたラットに対し、CBDがどのように作用するかを調べました。その結果、CBDが関節の炎症を減少させ、神経の保護剤としても役立つということが分かりました。
CBDは関節炎による不安・うつにも効果がある?
関節痛や関節炎におけるさらなる問題とは、不安やうつ病が引き起こされる可能性があることです。
しかし、CBDは不安や抑うつにも効果があるとされています。
実際に、2014年に発表されたブラジルの研究結果によると、動物実験でCBDが不安や抑うつに効果的であることが示されています。
以上のことから、CBDには「痛みを緩和する」「関節炎にも作用する」「不安・うつを軽減する」働きがあることが示されました。
このことから「CBDが関節炎治療に効果があり、関節炎が原因で起こるうつ症状の改善も期待できる」と、多くの専門家が考えています。
関節痛や関節炎を和らげるためにどんな方法がある?CBDやCBDオイルを摂取するメリットは?
関節痛・関節炎を和らげたり、治療したりするために、現在では「薬物療法」「運動療法」が用いられています。
薬物療法で使用される薬剤には、内服薬、外用剤があり、痛みの緩和に効果があります。また、痛みが激しくなった時など、ステロイドやヒアルロン酸を患部に注入することもあります。
ただし、薬には副作用があります。特にステロイド系薬剤は副作用が強く、使い過ぎには要注意です。また使用し続けると効果が薄くなるというデメリットもあります。
また、運動については、適度に行うことはとても重要ですが、関節痛・関節炎の主要原因のひとつは過度な運動とも言われています。
「適度」と「過度」の見極めを個々人で行うことは難しく、場合によっては効果が得られなかったり、かえって逆効果になってしまうこともあるかもしれません。
そのため、上記のような治療法に代わるか、並行して補助的に行えるものがあれば、より効率のよい治療が期待できるでしょう。
そこで、注目されるのがCBDです。
説明したように、CBDは痛みを和らげたり、炎症などの免疫反応にプラスに働くことが、研究によって明らかになっています。
また、CBDは不安の軽減、うつ病の防止など、さまざまなメンタルヘルスの面でも利点があると言われています。関節炎が原因で起こる不安や抑うつといった症状にも効果が期待されます。
以上のことから、CBDが関節炎治療にメリットがあると言われています。
また、そんなCBDを効果的に摂取できる製品がCBDオイルです。
抽出したCBDを、パーム油やオリーブオイルなどと混合したCBDオイルは、手軽にCBDの効果が得られるサプリメントとして、現在注目されています。
薬や運動と併せて、CBDオイルを効果的に摂取することで、より関節炎の改善がもたらされるかもしれません。
しかしながら、薬とCBDを併用することについては、次項に示すようなリスクも存在します。必ず事前に医師や薬剤師に相談するようにしてください。
CBDやCBDオイルを摂取するリスクはある?副作用は存在するの?
関節痛・関節炎の予防・治療にCBDが効果的に働き得ると示されました。
とはいっても「本当にCBDを摂取しても大丈夫なのか」「CBDオイルにリスクはないのか」と疑問に思う方も多いかも知れません。
実は、CBDの安全性についてはこれまでにも多くの研究が行われており、使用しても安全と言われています。中毒性はなく、副作用もほとんどありません。
ただし、使用にあたっては、やはりある程度の注意点を踏まえる必要があります。以下に、予め踏まえておくべきCBDやCBDオイルのリスクについて紹介します。
CBDを摂取するリスクは?~様々な条件での影響を考慮すること~
CBDにおけるリスクのひとつは、飲み合わせの相互作用です。
CBDと他の成分が相互作用する可能性があるということです。
特に「肝臓によって変化して分解される」薬と関連しやすいと言われており、またカフェインやニコチンなどもCBDと相互作用し得るという説もあります。
CBDやCBDオイルは本当に安全?副作用や飲み合わせも解説します 次に踏まえなくてはならないリスクは眠気を引き起こす可能性があることです。気持ちを落ち着け、リラックス効果が期待されるCBDですが、睡眠導入剤や眠りに効果的なサプリメントを服用している場合、相乗効果的に眠気が引き起こされてしまう可能性もあります。
自動車の運転や重機の操作など、高い集中力が求められる作業を行う方は、注意が必要です。
CBDは眠気を誘う?エナジードリンクとCBDはどちらが良い?心身に良いとされるCBDですが、様々な条件下で及ぼし得る影響は変化します。自身の生活環境を鑑みながら、適切な使い方を知り、正しく使うことが大切です。
CBDオイルのリスクについて~製品の安全性を確かめて~
また、CBD製品であるCBDオイルも、注意しなくてはならない部分はあります。
ひとつは、THCが微量に含まれている製品があるということです。
CBDの抽出に使われる植物やその方法によっては、ごく微量にTHCが混合している場合があります。
アメリカでは、THCの含有率が0.3%以内という基準を満たしていれば、規制対象にはならず、安心して使用できます。また、アメリカの一部の州では、基準値に関係なくTHC自体が合法となっている州もあります。
日本ではTHCの基準値が定められていないため、THCフリー(THCが含まれていないもの)のCBD製品を必ず購入するようにしましょう。
また、CBD製品の中にも粗悪なものがあり、CBDが報告されているよりもはるかに少ないか、まったく含まれていないものもあります。さらに、農薬や汚染の上限基準を満たしていないものが出回っている可能性もあるといいます。
製品が本当に安全かをきちんと調べてから購入・使用することが重要です。そして日本で利用する場合は、必ずTHCフリーのCBD製品を購入するようにしてください。
このように、基本的に安全と言われているCBDやCBDオイルですが、使用の上でのリスクも存在します。しかし、用法・容量をきちんと守れば、安心して使えるサプリメントといえるでしょう。
CBDやCBDオイルはそもそも合法なの?
CBDやCBDオイルは使い方を間違えなければ安全なものであると分かりました。
しかし、それでもまだ疑問は残ります。「そもそもCBDは合法なの?」という疑問です。
大麻にTHCが含まれていることを考えると、同じカンナビノイドであるCBDについて、違法性を疑うのは当然のことです。
結論から言うと、日本では現在、CBDという成分に対して規制はありません。
そのため、現在流通しているCBD製品は安心して使用することができます。
しかしながら、すべての国や地域で同様の措置が取られているかというと、そうではありません。
例えば、日本よりもCBDの注目度が高まっているアメリカでも、州によっては厳しく規制されている場合もあります。
したがって、日本で違法ではないからといって、外国で使用すると逮捕されたり処罰の対象になったりする可能性があるので注意が必要です。
もし仕事や旅行で外国に行かれる際は、その国や地域の法律をきちんと確認するようにしましょう。
日本であっても、将来CBDに対する規制が強められないとは限りません。今まで合法だった使用法が急に違法になる、という可能性もないわけではありませんので用心ください。
また、いくらCBDが規制対象でないといっても、大麻草を直接栽培・所持するのは当然ですが違法になります。
関節痛・関節炎の治療も含め、さまざまなメリットがあるCBDですので、法律の意味でも健全に使いたいものですね。
関連文献
- Cannabinoids in the management of difficult to treat pain
- Cannabis Use in Patients with Fibromyalgia: Effect on Symptoms Relief and Health-Related Quality of Life
- The nonpsychoactive cannabis constituent cannabidiol is an oral anti-arthritic therapeutic in murine collagen-induced arthritis
- Attenuation of Early Phase Inflammation by Cannabidiol Prevents Pain and Nerve Damage in Rat Osteoarthritis
- Antidepressant-like and Anxiolytic-Like Effects of Cannabidiol: A Chemical Compound of Cannabis Sativa
CBDの痛みへの作用に関して皆様から頂いた質問
運動にCBDを取り入れようと考えていますが、いつ摂取するのがおすすめですか?(20代男性)
CBDオイルの場合、効果が出るまでの時間は15分〜1時間ほどになります。そのため、運動する30分前あたりに摂取すれば運動後だけではなく運動中にもCBDの利点を享受することができるでしょう。
最近、長時間歩いたり運動したりすると足が痛くなります。CBDはこのような痛みに作用しますか?(30代女性)
CBDは全身に分布しているカンナビノイド受容体に作用することによって痛みを緩和すると言われています。実際、関節リウマチや筋繊維痛症にもCBDが作用するということは様々な研究によって報告されています。