- ヘンプシードオイルの原料や成分、効果が気になる方
- ヘンプシードオイルとCBDオイル、アマニ油の違いを知りたい方
- ヘンプシードオイルの1日の適正な摂取量や摂取方法を知りたい方
話題のスーパーフード「ヘンプシード」とは?気になる原料や成分を解説!
ヘンプシードとはヘンプ(産業用大麻)の種子で、数年前から若い方を中心に美容や健康に良いスーパーフードとして人気が高まっています。
日本では、ヘンプシードは七味唐辛子に含まれる香辛料の一つである「麻の実」として昔から使用されており、一度は食べたことがあるという方がほとんどではないでしょうか。
東京では、ヘンプシードをメインにした「ヘンプカフェ」も数年前にオープンし、SNSなどで目にする機会も少なくありません。そのヘンプシードの魅力とは何でしょうか。
栄養価
ヘンプシードはタンパク質(必須アミノ酸、非必須アミノ酸)、必須脂肪酸(オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸)、ミネラル、食物繊維など、現代の食生活で不足しやすい栄養素をバランスよく含んでいます。
ヘンプシード100g当たりの栄養価は以下のようになります。
- カロリー:463kcal
- タンパク質:29.5g
- 飽和脂肪酸:2.91g
- 一価不飽和脂肪酸(オメガ9脂肪酸):3.45g
- 多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸):19.35g
- 食物繊維:22.7g
- カリウム:340mg
- カルシウム:130mg
- マグネシウム:390mg
- 鉄:13.1mg
- 亜鉛:6.0mg
- 銅:1.32mg
タンパク質を構成するアミノ酸には、体内で合成することができないため必ず食事から摂取する必要がある9種類の「必須アミノ酸」と、体内で別のアミノ酸から作ることができる「非必須アミノ酸」があります。
ヘンプシードには、9種類の必須アミノ酸が全て含まれており、さらには20種類もの非必須アミノ酸も含まれています。
また、多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸)の含有量にも注目です。オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は体内で合成することができないため、食事からの摂取が必要な必須脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取にはバランスが必要ですが、現代の食生活で私たちはオメガ6脂肪酸を多く摂りすぎており、心臓病やアレルギーなどのリスクが上がってしまうことが問題となっています。
厚生労働省やWHO(世界保健機構)は、オメガ6脂肪酸のデメリットをカバーするために、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を1:4の割合で摂取することを推奨しています。
ヘンプシードには、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が1:3の割合で含まれており、まさに理想的な栄養価となっています。
味
ヘンプシードは味に癖がなく、くるみやカシューナッツのようなナッツ類の味がします。ヘンプシードの大きさはごまよりも少し大きめです。
ヘンプシードは和食や洋食、中華など、どんなジャンルの料理とも相性が抜群です。そして、白米からおかず、デザートなど様々なお好みの料理に加えることができます。
大麻とヘンプの違い
ヘンプは大麻草の一種になります。日本で大麻といえばマリファナ(麻薬)のイメージが強く、大麻の種子を健康のために食べることに驚かれるかもしれません。
結論からいうと、日本で昔から食べられているヘンプシード(麻の実)と、精神を高揚させる物質として使用されるマリファナは同じ種類の植物から採取されますが、ほとんど関係がないものと考えていただいて大丈夫です。
まず、マリファナには精神活性作用をもたらすカンナビノイドであるTHC(テトラヒドロカンナビノール)という物質が非常に多く含まれています。しかし、ヘンプシードが採取されるヘンプにはほとんどTHCは含まれていません。
そして、THCなどのカンナビノイドは大麻が日光や酸素を浴びながら成長するにつれ、大麻の葉や茎、花穂、根などで合成されます。
種子であるヘンプシードは、精神活性作用があるもの(THC等)もないもの(CBD等)も含め、カンナビノイド類は一切含有されていません。
CBDオイルと間違えやすい?CBDオイルとヘンプシードオイルの違い!
CBD(カンナビジオール)はヘンプから抽出されるカンナビノイドのうち、精神活性作用を持たないものになります。近年CBDの作用が注目を集めており、健康や美容のために摂取する方が増えています。
インターネットでCBDオイルを探すと、似た製品であるヘンプシードオイル(ヘンプオイル)が表示されることが少なくありませんが、CBDオイルとヘンプオイルは全く違うものであるため注意が必要です。
CBDオイルとはヘンプから抽出されたCBDを、MCTオイルやオリーブオイルなどのキャリアオイルに溶解した製品です。
一方のヘンプシードオイルは、セサミオイルやオリーブオイルなどのようにヘンプシードそのものを圧搾することで抽出されたオイルです。
先述した通り、ヘンプシードにはCBDを含め一切のカンナビノイドが含有されていないため、ヘンプシードから作られたヘンプシードオイルにCBDが自然に抽出されることはありません。
CBDオイルとヘンプシードオイルの効果の違いやその他の詳細については以下の記事で詳しくご紹介しています。
CBDオイルとヘンプオイルは何が違う?効果や含まれる栄養素も紹介!
【あわせて知りたい!】ヘンプシードオイルと亜麻仁油(アマニ油)の違い
ヘンプシードオイルと亜麻仁油はどちらも健康に良く、抗酸化作用やホルモンバランスの調整など似たような効果を持つと言われていますが、最大の違いは原料にあります。
ヘンプシードオイルの場合は、先ほども説明した通りヘンプ植物の種が主な原料となります。一方で亜麻仁油の場合は、アマ(亜麻)という植物の花の種子から出来ており、全くの別物であることが分かるでしょう。
また、主な栄養成分にも違いがあります。
例えば、ヘンプシードオイルはオメガ-3とオメガ-6が3:1の理想的なバランスで含まれているため、心血管の健康だけでなく、抗炎症作用や皮膚の健康を保つことに優れています。亜麻仁油もオメガ-3とオメガ-6が含有されていますが、割合としてはオメガ-3の方が圧倒的に多いため、心臓の健康に効果的です。
使用方法はどちらも同じく食べ物や飲み物に入れるなどして口から摂取する方法と肌に直接塗る方法があります。料理に使用する場合、両者とも加熱したり高温調理には適していないところも共通しています。
ヘンプシードの健康効果とは?便秘改善やダイエット効果も
ヘンプシードに含まれる必須アミノ酸は身体の細胞を作る以外にも、精神の安定や睡眠の質の改善、内臓機能の向上、脂肪燃焼など、人の身体が正常に機能するために重要な役割があります。
また、ヘンプシードに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸は血液サラサラ効果や動脈硬化の予防、血圧の低下など、血管や心臓の健康を維持したり、アレルギーを改善したりする効果が期待できます。
その他にも、ヘンプシードオイルには期待できる効果が様々あるので、いくつか厳選してご紹介します。
肌の健康促進や保湿効果
ヘンプシードオイルは必須脂肪酸(オメガ-3およびオメガ-6)や抗酸化物質(ビタミンE等)などを豊富に含み、抗炎症特性に優れているため、肌を保湿したり、肌の弾力性を改善し肌を引き締めるなどのアンチエイジングにも期待ができます。
アトピー性皮膚炎への効果も
肌の保湿だけではなく、ヘンプシードオイルの抗炎症作用が肌の調子を整えたり炎症を鎮めることで、ニキビやアトピー性皮膚炎、湿疹にも一定の効果があるといわれています。
髪の成長促進
ヘンプシードオイルは肌だけではなく、髪の健康もサポートすることが分かっており、髪の成長促進や抜け毛を減らす効果もあります。また、必須脂肪酸が頭皮を保湿することで頭皮の乾燥やフケ防止にもつながるでしょう。
免疫機能向上や抗菌作用
ビタミンEを含むビタミンやミネラルが豊富なヘンプシードオイルは抗酸化作用を持ち、免疫機能を高めるとされているため、健康的な身体づくりをサポートしてくれます。
月経前症候群(PMS)や更年期障害への効果も
ヘンプシードオイルにはガンマリノレン酸(GLA)というホルモンバランスを整える成分が含まれており、プロスタグランジンというホルモンに作用することで、月経前症候群(PMS)の症状である気分の変動や痛みの軽減に効果があるとされています。
また、このようなヘンプシードオイルのホルモン調整作用や抗炎症作用は気分や感情を安定させることができるため、更年期によく生じる気分の変動やうつ症状の緩和も期待ができるでしょう。
便秘改善
また、ヘンプシードは多くの方にとっての悩みである便秘の改善にも効果的です。成人が一日に必要な食物繊維の量は女性で18g以上、男性で21g以上ですが、現代の食生活では必要量に満たない方が多くいます。
食物繊維は野菜や芋類などに多く含まれていますが、芋類を多く摂取すると糖質の取りすぎになったり、糖質の少ない野菜を多く摂取して食物繊維を賄おうとすると多量に摂取しなければなりません。
例えば、食物繊維が豊富なイメージのキャベツでも100g当たりの食物繊維は1.8gしか含まれておらず、野菜で食物繊維を補うことがいかに大変かがわかります。
その点で、ヘンプシードには100gあたり22.7gもの食物繊維が含まれています。そして、ヘンプシードの糖質は100gあたり1g以下です。
そのため、毎回の食事に小さじ2杯(約10g)のヘンプシードを加えるだけで、糖質の摂取を抑えつつ一日に必要な食物繊維の約1/3を賄うことができます。
他にも、ヘンプシードにはマグネシウムが含まれているため、腸内の水分を増やして便通をスムーズにする効果もあります。
そして、ヘンプシードは多くの方にとっての悩みである便秘の改善にも効果的です。成人が一日に必要な食物繊維の量は女性で18g以上、男性で21g以上ですが、現代の食生活では必要量に満たない方が多くいます。
食物繊維は野菜や芋類などに多く含まれていますが、芋類を多く摂取すると糖質の取りすぎになったり、糖質の少ない野菜を多く摂取して食物繊維を賄おうとすると多量に摂取しなければなりません。
例えば、食物繊維が豊富なイメージのキャベツでも100g当たりの食物繊維は1.8gしか含まれておらず、野菜で食物繊維を補うことがいかに大変かがわかります。
その点で、ヘンプシードには100gあたり22.7gもの食物繊維が含まれています。そして、ヘンプシードの糖質は100gあたり1g以下です。
そのため、毎回の食事に小さじ2杯(約10g)のヘンプシードを加えるだけで、糖質の摂取を抑えつつ一日に必要な食物繊維の約1/3を賄うことができます。
他にも、ヘンプシードにはマグネシウムが含まれているため、腸内の水分を増やして便通をスムーズにする効果もあります。
そして、ヘンプシードは便秘とも深い関連があるダイエットや肌荒れなど、美容に関する悩みにも多くのメリットが期待できます。
ヘンプシードによって便秘が解消されれば、体重の減少や腸内環境が整うことで吹き出物やニキビなどが改善されたりすることもあります。また、カリウムを多く含んでいることからむくみの軽減にも効果的です。
さらには、食物繊維は血糖値の急激な上昇を抑制するため、インスリンが多量に分泌されて糖質が体内に蓄積されるのを予防することが期待できます。
直接的なダイエットの効果ではありませんが、ダイエット中の美容や健康維持のためにもヘンプシードの摂取をおすすめします。
ヘンプオイルには美肌効果がある?にきびなどの肌荒れも治せる?
ダイエット中の方は食事摂取量が少なくなって栄養が不足しやすく、抜け毛や肌の乾燥が起こりやすくなったり、イライラしやすくなったりします。
ヘンプシードに含まれる栄養素は、このようなダイエット中の様々なマイナートラブルにも効果的でしょう。
さらに、ヘンプシードは妊娠中や授乳中の女性、また小さなお子様でも安心して摂取することができる食材です。
特に妊娠中は食中毒の危険性がある生魚やチーズ、ハムをはじめ、ビタミンAを多く含むレバーやうなぎ、子宮収縮を促進する成分を含むハーブティーなど、健康に良くても摂取が制限される食材が多くあります。
食事に関する制限が多い中でも胎児のために摂取カロリーを増やし、バランスの取れた栄養を意識しなければなりません。しかし、つわりや大きくなった子宮による胃の圧迫などで食事摂取量を増やすことは難しくなります。
ヘンプシードは少量の摂取で手軽にエネルギーと必要な栄養素を追加できるため、マタニティライフの強い味方となるでしょう。
また、偏食や少食のお子様で悩まれている方も、おやつやデザートなどにヘンプシードを追加することによって手軽に栄養バランスを補正することができるため、一度試してみてはいかがでしょうか。
ヘンプシードの毎日の摂取量は?おすすめの使用方法も合わせてご紹介!
ヘンプシードの摂取量は、成人の方では一日に約30g、お子様は約10gを目安に摂取すると良いでしょう。一度の食事では小さじ1〜2杯(5〜10g)程度が目安となります。
基本的な摂取方法は、加熱せずにヘンプシードをそのままご飯やサラダ、スープ、おかず、ヨーグルト、シリアル、アイスクリームなどに加えて食べます。
また、スムージーや焼かないタイプのケーキなどに混ぜて摂取するのもおすすめです。
ヘンプシードだけでなくヘンプシードオイルを使用する場合も同様に、そのままスプーンで飲んだり、パンや料理、デザートなどにかけて加熱せずに摂取するようにしましょう。
また、ヘンプシードオイルはサラダのドレッシングを作る際のベースのオイルとして使用するのもおすすめです。
シンプルに塩胡椒とレモン果汁を混ぜたり、醤油、味噌、みりん、にんにく、塩こんぶなど、お好みの材料をお好みの分量で混ぜるだけで簡単にホームメイドのヘンプシードオイルドレッシングが完成します。
カロリーが高い?ヘンプシード使用時の注意点とは?
手軽に美味しく栄養を摂ることができるヘンプシードですが、摂取量や保存方法などで注意点がいくつかあります。
摂取量
冒頭でヘンプシードの栄養価について触れた通り、ヘンプシードは100g当たりのカロリーは463kcalと決して低カロリーな食品ではありません。
そのため、摂取しすぎるといくら便秘やダイエットに良い食材であってもエネルギー過剰摂取で太ってしまう可能性があります。
また、ヘンプシードを食べすぎると下痢をしてしまうこともあるため、ご自身の体調や消化能力に合わせて摂取量を調節しましょう。
特に、胃腸の調子が悪い時に脂質の多いヘンプシードを多く摂取してしまうと消化が難しいため、体調が悪い際のヘンプシードの摂取は控えるようにしましょう。
摂取量はすでにお伝えしたとおり、成人の方では一日に大さじ2杯程度(約30g)、お子様であれば小さじ1〜2杯(約10g)が目安です。
使用時
ヘンプシードに多く含まれるオメガ3脂肪酸は40度以上で酸化しやすくなるため、加熱調理をしたり熱い料理にかけたりするとせっかくの栄養素が壊れてしまいます。
そのため、ヘンプシードをオーブンを使う料理や焼き菓子などに使用することは不向きです。
また、煮込み料理や炒め物などに加える際にもできたての熱い状態ではなく、少し粗熱が取れた状態でヘンプシードをかけることをおすすめします。
保存方法
オメガ3脂肪酸は熱以外にも酸素や光に触れる機会が多いと酸化しやすくなるため、ヘンプシードの保存にも注意が必要です。
開封したヘンプシードの保存は密閉できる袋や容器などに入れて冷蔵庫で保存しましょう。また、冷凍保存でも変性したり味が変わったりすることはありません。
そして、開封後は2ヶ月(冷凍であれば3ヶ月)以内を目安に食べ切りましょう。
ヘンプシードオイルを肌に塗ることも可能です!
ヘンプシードオイルを食べ物や飲み物に混ぜて摂取する方法を説明しましたが、もちろん肌に直接塗ることでも効果を実感いただけます。
乾燥している箇所や炎症が起きている箇所に塗布することで、保湿され症状が軽減されるでしょう。
ただし、最初に使用する場合は炎症が起きている部分に使用する前にパッチテストを行うことをおすすめします。
ヘンプシード商品の購入方法とは?
ヘンプシードは実店舗でも購入することができますが、現段階で日本では一般的なスーパーやドラッグストアなどでのヘンプシードの取り扱いはほとんどありません。
ヘンプシードを店舗で購入したい場合は、以下のような輸入食品や自然派食品を扱っている店、製菓材料を扱っている店、百貨店の食品売り場などに行く必要があります。
- コストコ
- カルディ
- 成城石井
- 大丸
- 明治屋
- ビオセボン
- ナチュラルローソン など
しかし、全国の店舗でヘンプシードの取り扱いがあるとも限らないため、見つからない場合はインターネットで探されることをおすすめします。
Amazonや楽天をはじめ、様々なサプリメントや健康食品を購入できるiHerbなどでもたくさんの種類を扱っており人気商品となっています。
多くの種類や値段を比較してヘンプシードを購入されたい方はオンラインでの購入を検討してみてはいかがでしょうか。