そもそもCBDやCBDオイルって何?その効果・効能をご紹介!
CBDは大麻や産業用ヘンプなどから抽出されるカンナビノイドという成分の一種であり、CBDをオリーブオイルやココナッツオイルなどのキャリアオイルと混合したものがCBDオイルになります。
大麻には危険なイメージがあるかもしれませんが、CBDは向精神作用を引き起こさず、身体に様々なプラスの効果をもたらす成分として世界中で人気が拡大しています。大麻が禁止されている日本でも合法の成分です。
私たちの身体には身体機能を一定に保つためのエンドカンナビノイドシステム(ECS)が備わっており、ECSの作用により疼痛、炎症、不安、ストレス、睡眠、食欲、吐き気などの調節が行われます。
ECSはアナンダミド(AEA)や2-AGなどの内因性カンナビノイドが、CB1やCB2などの全身に発現するカンナビノイド受容体に作用することで機能しています。
CBDはAEAや2-AGの分泌量を増加させたり、ECS以外の様々な神経伝達物質に働きかける作用があります。また、強力な抗酸化作用があるため様々な病気の予防や治療に役立つとされています。
CBDやCBDオイルは二日酔いの様々な症状に効果あり?
アルコール摂取による身体の反応には個人差があります。少し飲んだだけで顔が赤くなったりふらつきを感じたりする人もいれば、一晩中飲んでもあまり変化が生じない人もいます。なぜこのような違いがあるのでしょうか。
体内でのアルコールの分解には、アルコールをアセトアルデヒドに変えるアルコール脱水酵素と、アセトアルデヒドを酢酸に変えて体外へ排出しやすくするアセトアルデヒド脱水酵素(ACDH)の量が関わっています。
この二つの酵素は肝臓に存在します。そして後者のACDHの量は先天的に決まっており、アルコールを飲むとすぐに酔いが回る人はこのACDHの量が生まれつき少ない状態です。
反対に、肝臓内にACDHが多く存在する人はアルコールを大量に飲んでも身体にとって無害な酢を大量に飲んでいる状態と同じことになるため、脳がなかなか「酔った」と感じる状態になりません。
アルコール摂取量の増加に伴って体内のACDHの量は一時的に減少します。そしてACDH酵素が底を尽きた状態でアルコールを摂取すると、身体はそれ以上にアルコールを処理することができなくなります。
その結果、血中のアセトアルデヒドの濃度が高くなり様々な障害が生じます。
(1)記憶力や判断力などが低下する
アセトアルデヒドはフリーラジカルと呼ばれる、身体にダメージを与える物質です。身体が処理しきれないほどにアルコールを摂取すると、多量のアセトアルデヒドが血流を巡り脳細胞や神経細胞にダメージを与えます。
その結果、記憶障害や運動機能の低下などを引き起こします。強力な抗酸化作用を持つCBDやCBDオイルはフリーラジカルを体内から除去し、脳や神経を保護する作用があります。
過去に行われたアルコールを大量に与えられたマウスを用いた研究では、CBDジェルを皮膚に塗布することで神経の障害が50%程度軽減されたという報告があります。
CBDやCBDオイルには神経保護作用がありますが、まずは自身の許容量以上にアルコールを摂取しないように注意してください。
(2)脱水症状と関連する頭痛などの症状が現れる
アルコールには利尿作用があります。アルコールを摂取すると通常の約4倍の尿量が排泄されると言われており、液体を飲んでいるにも関わらず、アルコールを摂取すればするほど身体はどんどん水分を失います。
脱水症状となった身体は炎症反応を示し、飲酒した翌日などに頭痛やドライマウス、ほてり、めまいなどが引き起されます。
CBDやCBDオイルは脱水症状を改善する作用はありません。しかしCBDには抗炎症作用があり全身の炎症を抑制することで頭痛を改善する効果は期待できます。
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脱水症状を予防するには水分補給が欠かせません。飲酒時はアルコール飲料を連続で飲むのではなく、途中で水分を多く摂取しながらゆっくりと飲むようにしましょう。
(3)吐き気が生じる
アルコール摂取による吐き気や嘔吐は血液中のアセトアルデヒドの量が限界を超えたサインです。これ以上アルコールを摂取させないように脳に指令が伝わり、最終的に嘔吐中枢が刺激されることで嘔吐が引き起されます。
これは過剰なアルコールや酸を体外に排出して身体の状態を元に戻そうとする反応であり、無理やり嘔吐を抑制することは身体にとって望ましくありません。
しかし胃液しか出てこなくなるまで吐き続けてもなお吐き気が治らないことがあります。そのような場合は急性アルコール中毒の可能性もあり、重症化すると脱水や血圧低下、昏睡状態となることもあります。
CBDは様々な神経伝達物質や脳のCB1に作用することで嘔吐中枢を調節し吐き気を改善する効果がありますが、長時間吐き気が治らない場合やふらつきがひどい場合などはすぐに病院に行くようにしてください。
(4)精神症状が現れる
多量のアルコールを摂取すると脳の扁桃体が刺激され、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌量が増加します。コルチゾールの増加はさらにコルチゾールの分泌を促すという悪循環が生じます。
コルチゾールは心身を緊張させて心拍数の上昇や感覚過敏などをもたらします。本来は危機状態で闘争または逃走を手助けするためにアドレナリンとともに分泌され、交感神経を優位にするホルモンです。
アルコールを飲んでいる間は報酬系と呼ばれる脳のシステムが簡単に満たされるため、一時的に幸福感を感じます。しかし、時間の経過とともにコルチゾールの効果が現れ、翌朝には抑うつ状態となることがあります。
CBDはセロトニン受容体(5HT-1)を活性化し、心身をリラックスさせるセロトニンの分泌量を増加させて副交感神経を優位にします。それにより二日酔いの症状である抑うつや心身の緊張などを改善できます。
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(5)低血糖症状に関連する症状が現れる
ビールやワインなどのアルコール飲料は糖分が多く、これらを飲酒すると血糖値は急激に上昇します。
そのためアルコールによって低血糖になるイメージはあまりないかもしれませんが、血糖値を下げるホルモンであるインスリンも大量に分泌されるため、すぐに血糖値は低下します。
通常、空腹時には肝臓から血中にブドウ糖が分泌されることで血糖値を一定に保ちます。しかし、アルコールは肝臓の機能を一時的に低下させるため、睡眠中など糖分を補給できない時間が続くと低血糖状態を引き起こします。
そのため飲酒をした翌朝には低血糖症状である手足の震えや疲労感、頭痛、集中力の低下などが現れます。
CBDは糖尿病など慢性的に血糖コントロールが必要な疾患においては、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性の頻度を減少させる効果があることが報告されています。
しかし基礎疾患がなく急性的に引き起される低血糖症状において血糖値を改善する効果をもたらすかどうかは不明です。
低血糖症状の一つである頭痛の軽減などには効果があると考えられますが、劇的に血糖値を改善できることは現段階では期待しない方が良いでしょう。
飲酒時にはタンパク質や炭水化物などを含む食事を摂取し、ビールなど糖度の高いアルコール飲料や食事の摂取を控えることで低血糖症状を予防することが可能です。
CBDやCBDオイルには二日酔い予防も期待できる?
二日酔いや悪酔いを予防する効果があるとされる飲み物や食品などは過去にも数多く注目されてきました。飲酒をされる方はウコンドリンクや栄養ドリンク、ラムネ菓子などを一度は試したことがあるのではないでしょうか。
様々な症状に効果があるCBDやCBDオイルにも、二日酔い予防の効果があるのではないかと期待されていますが現段階では直接的な効果は証明されていません。
1970年代に行われた研究で、アルコール飲料とCBDを同時に摂取するとアルコール飲料のみを摂取するよりも血中のアルコール濃度を大幅に下げると報告されました。
しかし、この研究で服用されたCBDの量は通常サプリメントなどで摂取する量よりもはるかに多いため、日常的に少量のCBDを服用している人が全く同じ効果を得られるかどうかは不明です。
また、他の動物実験においてはそれほど効果は見られなかったとの報告もあります。
そして、CBDとアルコールはリラックス効果や眠気を誘うなどの類似した効果があるため、同時に摂取するとそれぞれの効果が増強されると言われています。
そのため、少しのアルコール摂取量でも十分に満足することができ、アルコールの摂取量を減らすことで間接的に二日酔いを予防できることなどは考えられます。
しかし現段階ではCBDとアルコールの組み合わせの効果については不明瞭であるため、二日酔いの予防を期待してCBDやCBDオイルを摂取して大量に飲酒することは避けてください。
自身のアルコール摂取の上限を知った上で楽しむようにしましょう。
CBDやCBDオイルの飲むタイミングは?おすすめの飲み方は?
現段階ではエビデンスがないため、飲酒時の効果的なCBDやCBDオイルの摂取方法は一概には言えません。
CBDやCBDオイルは副作用がほとんどない物質であるため、どのようなタイミングであっても摂取することは可能です。例えば飲酒前や飲酒直後、就寝前、頭痛や吐き気などの症状が出現した後などでも問題はありません。
CBDやCBDオイルの摂取方法は吸収が早く効果持続時間が長い舌下摂取をお勧めします。
また、CBDやCBDオイルは二日酔いの特定の症状を改善することもできますが、長期的なアルコール摂取による身体へのダメージを軽減することに長けています。
そのため、飲み会など特に飲酒量が増える機会だけではなく日常的に摂取することが望ましいです。
関連文献
- Transdermal delivery of cannabidiol attenuates binge alcohol-induced neurodegeneration in a rodent model of an alcohol use disorder
- Cannabidiol as an emergent therapeutic strategy for lessening the impact of inflammation on oxidative stress
- Regulation of nausea and vomiting by cannabinoids
- Increased Salivary Cortisol Concentrations During Chronic Alcohol Intoxication in a Naturalistic Clinical Sample of Men
- Cannabidiol reduces ethanol consumption, motivation and relapse in mice
CBDやCBDオイルの二日酔いなどへの作用に関して皆様から頂いた質問
CBDやCBDオイルは二日酔いの症状を緩和する作用がありますか?(20代女性)
CBDやCBDオイルには脱水症状を改善する作用は2022年現在では確認されていません。しかしCBDには抗炎症作用があり、全身の炎症を抑制することで頭痛を改善する作用が期待できるのではないかと海外の研究で報告されています。今後さらに、CBDとアルコールの関係が研究されることで二日酔いへの作用も明らかになるかもしれません。
CBDやCBDオイルは二日酔い予防に作用しますか?(40代男性)
CBDやCBDオイルには、二日酔いを予防する作用があるのではないかと期待されていますが現段階では直接的な作用は証明されていません。1970年代に行われた研究で、アルコール飲料とCBDを同時に摂取するとアルコール飲料のみを摂取するよりも血中のアルコール濃度を大幅に下げると報告されています。今後の研究に期待しましょう。
飲酒前後にCBDやCBDオイルを摂取したい場合、どのタイミングが良いですか?(30代女性)
現段階ではエビデンスがないため、飲酒時の効果的なCBDやCBDオイルの摂取方法は一概には言えません。ただ、CBDやCBDオイルは副作用がほとんどない物質であるため、どのようなタイミングであっても摂取することは可能です。