CBDは血小板を減少させる?増加させる?血小板減少症に効果あり?

CBDは血小板を減少させる?増加させる?血小板減少症に効果あり?

血小板は血液の凝固に関わる重要な成分です。血小板の量が少なくなると些細なことで出血しやすくなり、重篤な出血に繋がる可能性があります。この記事では、CBDやCBDオイルが血小板に与える影響や、他の抗凝固薬との相互作用について説明します。

血小板にはどんな役割がある?

血小板は人間の生体防御反応である止血に関わる非常に重要な細胞です。通常、健康な体は怪我などで血管を損傷すると、血液成分の中の血小板と血液中のタンパク質であるフィブリンが作用することで傷口を防ぎます。

そのため、病気や薬の副作用などで血小板が減少してしまうと、出血しても止血ができず危険な状態となります。

また出血は体の表面の傷だけに起こるものではありません。身体中の血管が走行している部位にはどこでも出血する可能性があります。

例えば、軽い衝撃で足が真っ黒になるほどの内出血(青あざ)ができたり、血小板減少の程度がひどくなれば、打撲などがなくとも血圧上昇に伴い毛細血管が破損して臓器出血が引き起されたりすることもあります。

また、血小板は怪我や感染などで組織を損傷した際に内因性カンナビノイドである2-AGを分泌します。

CBDやCBDオイルは血小板を減少させる?

CBDやCBDオイルはまだ研究が重ねられている段階ではありますが、血小板の減少を含め、血液の凝固作用に影響する可能性があることが報告されています。

2018年、アメリカ食品医薬品局(FDA)はてんかん治療を目的として、CBD製品の一種であるEpidiolex(エピディオレックス)を処方薬として承認しました。

現在はアメリカをはじめとする様々な国で、小児のてんかん発作であるレノックス・ガストー症候群とドラベ症候群の治療薬として処方されています。他に治療方法がなかったてんかんの治療薬として高い効果を示しています。

このエピディオレックスを使用したドラベ症候群を患った子どもの中に、一時的に血小板の数値が低下が見られました。しかし、この現象はエピディオレックスと別のてんかん薬を併用した際にのみに観察されたようです。

対象の子どもたちのCBDの摂取量と血小板の数値、また血小板の減少が続いた期間については明らかにされていません。

そして血小板が減少したことによる青あざなどの出血に関連した症状などは見られず、観察期間中には血小板の値が正常値に戻ったということです。

エピディオレックスの処方箋には副作用で血小板が減少する可能性については記載されていません。しかし併用されたてんかん薬の副作用には血小板の減少が記載されており、その薬の副作用が現れたことも考えられます。

また、てんかんの治療のために摂取するCBDの量は一日あたり10mg/kg以上となっています。これは成人の体重で換算すると非常に多いことが分かります。

これらのことから、健康な成人がサプリメントとして天然由来のCBDやCBDオイルを適量摂取することに限り、血小板の減少が副作用として現れる可能性は非常に低いと考えられます。

一方でCBDは血小板の働きを抑制し、血液の凝固作用を遅らせる作用があることが報告されています。そのため、CBDの摂取量によっては出血を起こしやすくなる可能性は完全には否定できません。

CBDやCBDオイルは血栓症に効果あり?飲み合わせは?CBDやCBDオイルは血栓症に効果あり?飲み合わせは?

また、アメリカで合成カンナビノイドを一年間使用した男性が免疫性血小板減少性紫斑病(ITP : Immune thrombocytopenic purpura)を発症した症例が報告されています。

合成カンナビノイドは植物性カンナビノイドと同じ化学式を持ちながら、人が大量に摂取すると重度の副作用が起こる可能性が高く、FDAも警告を出しています。  

まだ血小板の増減に関するエビデンスは十分ではありません。したがって、植物由来であってもCBDやCBDオイルは摂取しすぎないように注意してください。

CBDやCBDオイルはむしろ血小板を増加させる?血小板減少症にも効果がある?

実際に臨床現場でCBDやCBDオイルが血小板減少症の治療に使われた記録はありませんが、有効である可能性はあります。

血小板減少症とは?

人の体で血液凝固作用が正常に機能する血小板の数値の範囲は15〜40万/μlです。しかし病気や治療薬の副作用など様々な原因によって血小板の数が15万/μl以下に下がることがあります。

血小板が減少する原因には、体内で作られる血小板の数が減少するものと、血小板は十分に作られるもののなんらかの原因で血小板が破壊されてしまうものがあります。

骨の癌である白血病や治療薬の副作用、化学療法、放射線療法などによる血小板減少は、体内で血小板の産生がされなくなることが理由となります。

そして血小板が破壊される疾患として患者数が多いものの一つが、自己免疫疾患である免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)です。

合成カンナビノイドによる発症例を紹介しましたが、実はITPは小児期から高齢期まで幅広い年代で発症する可能性があり、厚生労働省によって難病指定されている病気の一つです。

ITPは風疹や麻疹などに感染することをきっかけに発症することが大多数です。小児期であればほとんどが自然に治癒しますが一部はそのまま慢性化したり、成人で発症した場合は慢性化しやすいとされています。

自己免疫疾患は、免疫細胞の異常により体の正常な組織を攻撃する疾患ですが、原因がわからないことがほとんどです。ITPの場合も原因は推測されていますが、血小板が破壊される理由は正確には分かっていません。

ITPの治療には、薬で胃内のヘリコバクター・ピロリ菌を除去したり、血小板を破壊する臓器である脾臓(ひぞう)を手術で摘出したり、またステロイド治療や免疫抑制剤の内服などがあります。

これらの治療は薬の副作用や手術などにより体に負担がかかる上、治療をしても効果が得られるかどうかは確実ではありません。また保険適応外の薬などもあり、金銭的にも治療は容易ではありません。

CBDやCBDオイルは血小板減少症の治療に有効?

人体にはエンドカンナビノイドシステム(ECS)と呼ばれる、体内の恒常性を保つ仕組みがあります。

全身に存在するカンナビノイド受容体であるCB1やCB2に、体内で作られる内因性カンナビノイドが作用することで、様々な良い効果が現れます。血液成分が作られる骨髄にもCB1やCB2は存在します。

まだ研究が進められている段階ですがECSは血小板の産生や破壊に関わっているため、血小板減少症の治療に有効であると期待されています。

血小板の前段階の細胞は巨核球と呼ばれます。内因性カンナビノイドである2-AGは骨髄内の巨核球を成熟させ、巨核球から血小板を血液中に分泌させるように誘発する働きがあります。

CBDやCBDオイルには体内の2-AGの量を増加させる働きがあるため、間接的に血小板の数を増加させることができる可能性があります。

また、免疫細胞にはCB2が存在しています。そのため、CBDやCBDオイルは関節リウマチや多発性硬化症などの様々な自己免疫疾患の治療に有効であると考えられています。

これまでに自己免疫疾患であるITPの治療にCBDやCBDオイルが使用された正式な記録はありませんが、過去にITPとECSの関連を調べた研究が行われました。

2013年にエジプトで行われたITPの子どもを対象にした研究で、免疫細胞に存在するCB2のうち、ある特定のCB2の型を持つ子どもが、他の型を持つ子どもと比べてITPを発症しやすい傾向にあると発表されました。

これまでITPの治療は患者にとっても医療制度にとっても負担となってきました。

まだこの研究自体は治療に適応できる段階ではありません。しかしECSが今後さらに解明されるとともに、ITPの診断に役立ったり、副作用が少なく治療効果の高いITPの治療法の確立に繋がるかもしれません。

CBDやCBDオイルは相互作用を引き起こす?

CBDやCBDオイルは肝臓に存在する薬物代謝の酵素であるシトクロムP450(CYP450)というグループの酵素を阻害します。CYP450は多くの薬の代謝に関わっています。

血小板と関わりが深い、抗凝固薬であるワルファリンもCYP450によって代謝されます。そのためCBDやCBDオイルがCYP450を阻害すると、ワルファリンが体内から排出されず、薬効を増強する作用があります。

ワルファリンだけでなくビタミン剤やその他のサプリメントなども含め何かの薬を服用している方は、必ずCBDやCBDオイルの摂取を始める前に医師に相談をするようにしてください。

関連文献