THCとCBDの違いとは?CBDの効果・効能はなにがある?
THC (テトラヒドロカンナビノール) とCBD (カンナビジオール) は大麻草等に含まれる主要な生理活性物質です。麻薬として知られるマリファナはTHCを多く含み、摂取することで多幸感や酩酊感などを感じ気持ちを「ハイ」にする効果があります。
一方でCBDには、THCのような精神作用や依存性はありません。このことは多くの研究によって証明されています。
他の国と同様にアメリカでもCBDは大麻草の成分の一つとしてTHCと同様に規制を受けてきましたが、規制緩和によりCBDを取り巻く産業が急成長しています。
規制緩和を受けてCBDの研究も加速し、CBDには痛みを抑える効果や不安を和らげる効果、リラックスさせる効果、眠気を誘う効果、皮膚の健康を保つ効果などが分かってきました。
またCBDには、ある種の難治性のてんかんを抑える効果があり医薬品として認可されています。このような流れを受けてアメリカでは様々なCBD関連商品が開発され、その数は数百にも及びます。
CBDとチョコレートの相性は?
多種多様にあるCBD製品から自分に合う製品を探しているのであれば、自分のライフスタイルやニーズに合ったCBD製品を見つけることが重要です。
その中でも、手軽に摂れるCBDエディブル (食品などにCBDが配合された商品) はアメリカで大人気になりました。
CBDエディブルにもたくさんの商品がありますが、チョコレート好きであればCBDチョコレートを検討する価値は十分にあります。
CBDとチョコレートの相性、他のエディブル製品にはない優位性について解説していきます。
CBDには独特の味があるため、エディブルが人気を集めています。ヘンプ (麻) の独特の味は土っぽくて苦みもあり、多くの人は苦手にしています。
エディブルは他のフレーバーで味を隠しているので、より気軽に摂取できます。グミなども人気ですが、CBDチョコレートにはCBDとチョコレートの相乗作用が期待できます。
チョコレートはCBDの効果を高める?
チョコレートには300種類以上の天然の化合物が含まれています。その1つにアナンダミドがあります。アナンダミドという言葉は、サンスクリット語で「至福」を意味する「アナンダ」に由来しており、別名「至福の分子」とも呼ばれています。
アナンダミドは脳内で生成され、全身のカンナビノイド受容体に結合する神経伝達物質で、エンドカンナビノイドの1種です。
エンドカンナビノイド受容体が刺激されると幸福感や高揚感を感じ、気持ちをリラックスさせ、やる気を促したり、痛みを抑えたり多彩な作用をもたらします。
チョコレートに含まれるアナンダミドは、エンドカンナビノイド受容体を刺激する代表的な物質です。
通常、アナンダミドは必要に応じて体内で合成され、代謝酵素であるFAAH (脂肪酸アミドヒドロラーゼ) によってすぐに破壊されてしまいますので、至福の状態は長く続きません。
チョコレートに含まれる化合物の一つに「テオブロミン」というものがあります。これはリラックスした気分にさせ、脳にアナンダミドをより多く作らせる効果を持っています。
さらにCBDはFAAH酵素を抑制する能力を持っているため、アナンダミドがすぐに分解されにくくなります。その結果、アナンダミドは体内に長く留まり効果が持続します。
CBDとチョコレートを一緒に摂取すると、アナンダミドの産生量が増え、効果が延びる組み合わせによって、その効果を最大限に発揮することができます。
これらの成分はカカオ由来ですのでカカオが濃いチョコレートであれば、より効果が高められます。
CBDチョコレートは他のエディブル商品よりCBDの利用効率が高い
CBDチョコレートは他のエディブルよりも優位なところがあります。CBDチョコレートに含まれる脂質は、CBDの効果の持続時間を延長することがわかっています。
チョコレートに含まれる天然の脂質がCBDを包み込み、CBDを消化から保護することで血液中に効率よくCBDを届けることができます。
チョコレートなので口の中で簡単に溶かすことができます。CBDチョコレートを直接噛んで飲み込むのではなく、舌の下でゆっくり溶かしながら食べると、より効果的にCBDを摂取することができるでしょう。
そのように摂取することで、CBDが分解を受けないで血液に移行しやすくなり、利用効率が上がる可能性があります。
気分の変化はCBDチョコレートを摂取して20分から60分で現れますが、摂取量や症状、空腹時か食後かなどによって異なります。また効果の出かたや、効果が出る量には個人差があります。
このようなCBDの効果はうつや心的外傷後ストレス障害 (PTSD) の治療に応用されようとしています。CBDの摂取で強化されるアナンダミドの作用は、気持ちをリラックスさせ、不安を抑える作用を持ちます。
また恐怖心を呼び起こすことを抑制し、恐怖心を制御することが示されており、これまでの予備的な試験から十分期待できる結果が出てきています。
将来的に不安に関連した疾患の治療にカンナビジオールの有用性を判断するために、より大規模な臨床研究の必要性が訴えられています。
アメリカではCBDチョコレートは合法?
アメリカでは2018年のファームビル (連邦農業政策法案) で、全国的に大麻の栽培を合法化し、CBD業界をさらに前進させました。
農薬法案には、カンナビノイドを含むヘンプ由来の製品が連邦レベルで合法化されたことを明記しています。
よって基本的にCBDチョコレートは合法ですが、チョコレートも法律に従って、THCは0.3%未満でなければなりません。
しかしながら、アメリカの食品医薬品局 (FDA) はCBDを食品添加物とみなしており、十分な研究が行われておらず、安全性が担保されていないためCBDを食品や飲み物に添加しないように指導しています。
現状では、CBDの連邦政府の合法性のためにほとんどの州は警告を無視して、CBD食品を実質的に許可しています。実際に、アメリカ在住の筆者もCBD専門店だけでなくコンビニエンスストアなどでCBDオイルやCBDエディブル商品をよく目にする機会があります。
現在、ニューヨーク市、オハイオ州、メイン州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州では、CBDチョコレートのようなCBDエディブルの販売は違法となっています。
一方で日本では、CBDは合法でありCBD自体を取り締まる法律はありません。CBDはTHCのような精神作用はなく安心して摂ることができます。
CBDチョコレートの効果・効能は?そもそも日本で合法なの?しかし大麻とTHCには規制があります。
大麻取締法では大麻草 (カンナビス・サティバ・エル) およびその製品を規制していますが、「大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」と法律に明記されています。
よって、成熟した茎および種から作られたTHCフリーのCBD製品は違法ではありません。
またTHCは「麻薬及び向精神薬取締法」により麻薬に指定されており違法です。よってCBD製品に、THCが検出されないことが条件になっています。ここで検出されないこととは検出限界以下の量であれば問題ないことを意味しています。
CBDチョコレートの注意点
最後にCBDチョコレートの摂り過ぎには注意しましょう。
CBDチョコレートを食べ過ぎると体重増加などの悪影響が出る可能性や、副作用がおこる可能性があります。
体重増加に関しては、1日に25gのチョコレートを摂取すると体重増加につながる可能性があると言われていますが、6g程度の低用量では体重に影響はないようです。
副作用に関しても、倦怠感、下痢、食欲の変化、日中の強い眠気、下痢などが過去に報告されています。ただ、どれも軽度であったりすぐに対処できたりするので心配しすぎることはないです。
また、CBDチョコレートが初めてのCBD製品であれば摂取した後に、様子をみながら量を調整していきましょう。
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