CBDやCBDオイルはパニック障害に効果がある?摂取量や副作用は?

CBDやCBDオイルはパニック障害に効果がある?摂取量や副作用は?

パニック障害に悩む人は多いですが、CBDやCBDオイルがその症状を緩和する可能性があることが知られています。CBDがパニック障害に働くメカニズムや、CBDの適切な摂取量、中毒症状・副作用の有無、正しい摂取のポイントについて説明します。

パニック障害とは?どんな症状が現れる?

通勤中の満員電車の中で、突然恐怖感に襲われ、途中の駅で電車を降りてしまった。

このようなパニック障害の症状に悩む方は、100人に1~2人程度いるとされています。

パニック障害は不安障害の一種とされ、以下の三大症状が特徴として挙げられます。

  • 公共の場などで、突然理由もなく強い不安や動悸・発汗、めまい、手足の震えなどが起こる (パニック発作)
  • いつまた発作が起きるのかという恐怖に苛まれる (予期不安)
  • 発作が起こることを恐れて、電車やエレベーターなどの公共の場や、人が多く集まる場所に居合わせるなどの状況を避けようとし、行動範囲が制限されてしまう (回避行動)

これらの症状により、外出や仕事などの日常生活・社会生活に大きな支障が出てしまいます。

また、激しい発作に見舞われ救急車で搬送されても、検査で異常がみられず、発作が収まると症状もすっかり消えてしまうなどの傾向もあります。

そのため、他者からの理解を得られないこともあり、症状の辛さも相まってうつを併発する場合もあります。

パニック障害の治療のために、SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害剤) といった抗うつ薬や、ベンゾジアゼピン系薬剤などの抗不安薬が用いられます。

しかし、このような精神薬は副作用が大きいというデメリットもあります。

SSRIは吐き気や嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状や、眠気やめまいなどの精神神経系症状が現れることがあるとされています。

ベンゾジアゼピン系薬剤も眠気や倦怠感の副作用があり、さらに長期間服用すると薬の効果が弱くなってしまう薬剤耐性の傾向が強く、短期間の使用が望ましいと言われています。

薬物療法にばかり頼るわけにもいかず、精神療法によって本人の不安に対する姿勢を変化させたり、本人を取り巻く環境を整えることも必要であるため、治療が一筋縄ではいかないという問題もあります。

CBDやCBDオイルはパニック障害に効果がある?

大麻草などに含まれる大麻成分の一種であるCBD [Cannabidiol; カンナビジオール] や、それを配合した製品であるCBDオイルには、パニック障害の症状を和らげる効果があると言われています。

CBDは大麻成分ですが、マリファナの主成分であるTHC [Tetrahydrocannabinol; テトラヒドロカンナビノール] とは違い「ハイ」になるといった精神活性はなく、逆にリラックス効果をもたらします。

そのようなCBDですが、数々の不安障害やうつ、統合失調症などの精神疾患の症状を改善することは、以前から複数の研究によって示されてきました。

例えば、2011年の報告では、不安障害の一種である社会不安障害の症状をもつ人たちに、模擬的なスピーチを行わせたところ、CBDを摂取した人たちの不安が有意に解消されたと結論づけられました。

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また、CBDがパニック障害についても効果的だと結論づける報告もあります。

では、なぜCBDがパニック症状などに効果的だと言われているのでしょうか。

CBDは脳神経に働きかけることが知られていますが、その効果の中にセロトニンの作用の促進があります。

セロトニンは脳内で働く神経伝達物質の一種であり、感情や気分のコントロールや精神の安定を図ります。

先ほど紹介したSSRIという薬は、セロトニンが再び取り込まれるのを防ぎ、神経細胞間に長くとどまらせるようにすることで、セロトニンの効果を高めています。

一方で、CBDはセロトニン受容体である5-HT1A受容体を活性化することで、セロトニンの働きを高め、リラックス効果をもたらすことが知られています。

このようなメカニズムによって、CBDはパニック障害をはじめ、さまざまな精神症状への効果が期待されています。

しかし、CBDが生体に与える影響については、まだ解明されていない部分が多いのも実情です。

例えば、CBDが短期使用において不安を解消したことは示されましたが、長期にわたって使用した際のデータは集まっていません。

今後の報告が期待されます。

CBDやCBDオイルの適切な摂取量は?

CBDオイル

CBDオイルの使用を検討されている方や、実際に購入された方の中で「一体、どのくらい摂取すれば良いの?」と思われた方も多いかもしれません。

処方薬や市販薬はその効果を最大限に活かしたり、副作用を極力減らす目的で、用量が定められています。そのため、CBDも摂取量によって、生体に与える影響が変わることは想像に難くありません。

しかしながら、CBDについては、適切な用量というものは定められていません。

CBDの効果は使用者の体重や体質などによって個人差があります。そのため、適切な量を個々人が試しに使用することで、自ら把握する必要があります。

CBDを使用する上でのポイントは、CBDを実感しやすくするために濃度の高いものを多めに摂取し、CBDの作用の感じ方次第で摂取量を調節するという方法が良いです。

例えば、CBDが1,500mg配合されている濃度15%のCBDオイルの場合は、最初はスポイト半分〜一本分程度を摂取し、自身の身体の変化を加味しながら1週間ごとに調整していきましょう。

効果がよく実感できれば、それがご自身のCBDの適切な用量となります。

商品によって、スポイトの大きさなどはバラバラなため、実際に摂取するCBD量を詳しく見てみたいという方は、下記の簡単な計算によって求めることができます。

一例として、よく流通している10ml容量で15% (1,500mg) のCBDオイルを想定します。

CBDオイルのボトルにはスポイトがついていますが、一般的にスポイト1滴分の量は0.04~0.05mlと言われています。そのため、ボトルの全量から滴下できる回数は、

10(ml) / 0.04(ml) ~ 0.05(ml) = 200~250(滴)

となります。

CBDオイル全量に含まれるCBD量は1,500mgなので、スポイト1滴あたりに含まれるCBD量は、

1,500 (mg) / 200~250 = 6 〜 7.5(mg)

となります。

つまり、例えば30mg程度CBDを摂取したい場合は、CBDオイルを4,5滴摂取すればOKです。

また、上の計算では、スポイト1滴分の量を0.04~0.05mlと仮定しましたが、スポイトによってその量には多少の誤差が出る場合もあります。

もっと正確に滴下量を把握したい場合は、スポイトに目盛りがついている製品がおすすめです。1mlの液量で何回滴下できるかを調べれば、より正確な1滴あたりの量を計算することができます。

CBDオイルの種類によって、ボトルあたりの容量や濃度 (CBDの配合量) は異なります。したがって、実際に計算する際には、その製品に書かれている分量を当てはめるようにしてください。

逐一計算するのは面倒だと思われるかもしれませんが、分量を把握することがより効果的なCBDの摂取につながりますので、必ず行うようにしましょう。

参考
購入予定またはお手元にあるCBDオイルの1滴あたりのCBD含有量やCBD1mgあたりの価格を自動で計算できるページを用意しております。以下のリンクからぜひご活用ください。
参考 CBDオイル1滴あたりの含有量や1mgあたりの価格を自動計算麻田製薬

CBDやCBDオイルに中毒症状や副作用はない?

ここまで、CBDやCBDオイルのパニック障害への効果や、より効果が出やすい摂取量について説明しました。

しかし、まだ「CBDやCBDオイルには中毒症状や副作用などの悪影響はないの?」という疑問を覚える方もいるかもしれません。

CBDは大麻成分の一種であり、大麻といえばマリファナが真っ先に思い浮かぶ方も多いと思います。そのため、CBDの安全性を疑う声があるのは自然なことです。

しかしながら、CBDにはマリファナのような精神活性はなく、日本でも規制対象にはなっていません。

そのうえ、中毒症状などの悪影響はほとんどありません。口の渇きやめまい、下痢または便秘などといった副作用が出ることもあるという報告もありますが、症状は軽微で簡単に対処することが可能です。

そのため、基本的には安心して使用できます。

ただし、現段階で何らかの医薬品を服用している方は、これから説明する正しい使い方のポイントを抑えた上で使用をするようにしましょう。気をつけなくてはならないポイントを見落とすと、大きな悪影響が出る可能性もあるためです。

CBDについて注意すべき点のひとつは、薬との薬物相互作用です。薬の成分がCBDと反応することで、薬理作用に変化が生じたり効果が促進されるなどして、副作用などの悪影響が出る場合があります。

そのため、処方薬を服用している方は、必ず医師にCBDを併用しても良いか確認するようにしましょう。さらに、CBDによって悪い影響が出ていると感じたら、摂取を止めるようにしてください。

また、もっと気をつけなくてはならないことがあります。それは、CBDがパニック障害の症状に効果的な可能性があるからといって、処方薬の服用を止めてしまうことです。

抗うつ薬や抗不安薬は飲み続けることで効果が出る薬であり、突然服用を止めることには大きなリスクがあります。突然大きな不安や激しい動悸が襲ってくるなど、心身の重篤な症状につながるおそれもあります。

そのため、CBDの効果を妄信して、素人判断で薬の服用を止めることは絶対にしてはいけません。

服用については、必ずかかりつけの医師にアドバイスを受けるようにしてください。もしその医師の助言に納得しかねる場合は、セカンドオピニオンとして別の医師から意見を聞くのも有効です。

精神の健康のために摂取するCBDやCBDオイルですので、間違っても悪影響が出ることがないよう、正しい使い方をきちんと理解しておくようにしましょう。

関連文献

CBDのパニック障害への作用に関して皆様から頂いた質問

先日、強い不安で動悸や発汗が止まりませんでした。CBDはこのようなパニック障害を緩和しますか?(20代女性)

CBDがパニック障害に作用する可能性はありますが、現在はまだ研究段階です。CBDは、感情や気分のコントロールや精神の安定を図るセロトニンの作用を促進し、パニック障害などの精神症状を緩和する可能性があるとして海外で研究が行われています。そのため、今後の研究に期待できそうです。

今度、会社でプレゼンを控えてます。とても不安なのですが、CBDを摂取したら不安が和らぎますか?(30代男性)

2011年には、不安障害の一種である社会不安障害の症状をもつ人たちに、模擬的なスピーチを行わせたところ、CBDを摂取した人たちの不安が有意に解消したという研究結果があります。ただし、まだ実証実験の結果はそれほど多くないのも現状です。CBDを摂取する日常で成功体験を増やし、今後のプレゼンなども乗り越えていっていただけるのが良いと思います。