CBDやCBDオイルは活力をもたらす?うつ病や不眠症に効果的?

CBDやCBDオイルは活力をもたらす?うつ病や不眠症に効果的?

現代社会においてストレスは大きな問題です。場合によっては、うつ病や不眠症、不安障害になるなど、精神に不調をきたすこともあります。そんなストレス社会の現代において、CBDは活力をもたらし、精神の問題にもプラスに働くと言われていますが、CBDが心にどのように働くのか、メカニズムも含めて紹介します。

ストレスフルな現代社会、うつ病や不眠症は深刻な問題

現代社会に生きていると、あらゆるストレスを感じる機会が多くなります。

ストレスフルな現代社会において、心の安定と活力を維持しながら、日々の生活を送り続けることは、重要でありながらとても難しい課題です。

ストレスによって精神のバランスを崩し、うつ病などのこころの病になってしまう方も多くいます。実際、厚生労働省によると、日本では100人に3~7人がこれまでにうつ病を経験しているそうです。

あるいは、そこまでいかなくても、落ち込んでしまったり不安を感じたりしたことは誰もが経験していることでしょう。

また、不眠症も同様に深刻な問題です。厚生労働省によると、5人に1人は不眠の症状を経験しているといいます。

実は、そのようなストレスによる心の問題や症状について、CBDが非常に有効であるという説があります。

CBDやCBDオイルは不安やストレス解消に効果がある?リスクはない?CBDやCBDオイルは不安やストレス解消に効果がある?リスクはない?

ECS(エンド・カンナビノイド・システム)とは?

エンド・カンナビノイド・システム(ECS)とは

CBDがストレスや心の問題の症状に対してどのように作用するのかを説明する前に、知っておく必要がある生体のメカニズムがあります。

そのメカニズムとして重要なのが、ECS (エンド・カンナビノイド・システム) です。

生体にはさまざまなシグナル伝達システムが存在します。細胞にはさまざまな種類の受容体が存在し、それに特定のシグナル伝達物質 (リガンド) が結合することで、以降の生体反応が誘発されます。

ECSはそのようなシグナル伝達システムの一種で、生体のバランスを図るうえで非常に重要な役割を果たしています。

ECSにはエンドカンナビノイド (内因性カンナビノイド) という物質群が関わっています。エンドカンナビノイドは「生体内でカンナビノイドのような働きをもつ物質」として同定され、体内に局在し、身体の恒常性や安定に関わるとされる物質の総称です。

各細胞には、CB1,CB2と呼ばれるカンナビノイド受容体があり、これらにエンドカンナビノイドが結合することで、以降の生体での様々な働きが促進されます。

CB1は主に脳や神経細胞、CB2は免疫系に広く分布しており、エンドカンナビノイドも結合組織、腺、免疫細胞、臓器、脳といった全身の組織や器官で発見されています。

そのため、ECSは身体のさまざまな部位で働き、健康維持や心の活性化や安定に作用すると言われています。

CBDやCBDオイルはどのように活力をもたらす?

では、そのようなECSにCBDはどのように関わるのでしょう。

実はCBDは、エンドカンナビノイドの働きを活性化させ、ECSを促進することが知られています。

マリファナの主成分であるTHCは、カンナビノイド受容体と直接相互作用するため、精神的にハイになる麻薬効果が現れます。

しかし、CBDはCB1,CB2に間接的に作用するため劇的な変化にはならず、また複数のエンドカンナビノイドに働くため、多くの生体の機能に良い効果をもたらすと言われています。

もちろん、CBDは心の活力にもなります。

2012年にドイツの研究者たちによって発表された論文によると「CBDはアナンダミドの分解を抑制する」「アナンダミドのシグナル伝達効果を促進する」と書かれています。

アナンダミドは脳や神経系に多く分布するCB1に作用し「幸福の分子」とも呼ばれているエンドカンナビノイドです。CBDはこの働きを促進することで、脳や神経の働きを活性化し、心をより前向きにしてくれると考えられます。

このように、CBDはECSに間接的に関わり、エンドカンナビノイドの働きを促進することで、心に活力をもたらしてくれるのです。

CBDやCBDオイルの効果は?

CBDの健康上のメリット

ここからはCBDの効果について、具体的にみていきましょう。

複数の動物研究により、CBDは炎症、痛み、不安、エネルギーなどに影響することが示されています。気分を維持し、活力を保つ効果もあると言われています。

日々感じるちょっとしたストレスや不安にも効果が期待できますが、より重い症状にもCBDの使用は有効であることが示唆されています。

以下に実験結果もまじえて紹介します。

CBDは不安障害に効果的である

不安障害は、毎日過剰な不安を抱いてしまう病気です。

人間誰しも不安を感じたり心配したりすることはありますが、不安障害を持つ人の不安や心配は一般的な人が感じるものに比べて非常に大きいという特徴があります。

その結果、過剰の不安を感じると汗が止まらなくなる、ふるえの症状がでる、顔が赤くなるなどの目に見える症状が出たり、一日中不安なことについてしか考えられなくなり不安が一層強くなったりします。

そんな不安障害に使われる向精神薬として抗不安薬があります。

抗不安薬としてよく用いられている薬は、ベンゾジアゼピン系と呼ばれている薬です。ベンゾジアゼピン系の薬の特徴は、不安や緊張を短時間で軽減できることです。

そのため、不安を感じた時にだけ服用するなどの頓服薬として処方されることも多いです。

抗不安薬の副作用には、眠気や健忘、ふらつき、錯乱などがあります。しかし、それだけではなく抗不安薬には依存性や離脱症状があるので、副作用以外にも注意が必要です。

抗不安薬の依存性は、抗うつ薬の依存性よりも現れやすいと言われていて、抗不安薬に依存した後に急に薬を止めることで起こる離脱症状に苦しんでいる人も実際にいます。

抗不安薬は、依存症を防ぐため基本的に短期間か頓服でしか処方されませんが、病院に持続的に通うことによって結果的に長期にわたって抗不安薬を服用している人が多いのも実際のところです。

また、抗不安薬には耐性という問題もあります。

耐性とは、長期で抗不安薬を服用していると徐々に抗不安効果が現れなくなることを言いますが、抗不安薬が効かなくなったということで、用量がどんどん増えてしまっている患者も中にはいます。

このように治療薬などにも難点を持っている社会不安障害ですが、CBDには社会不安障害の症状を緩和させるという報告が数多くあります。

2011年、社会不安障害を抱える患者に対し、CBDを経口投与する実験が行われ、CBDが不安を軽減するということが示されました。

CBDはうつにも効果的である

CBDが抑うつやうつ病の症状に対しても有効であると示唆されるデータもあります。

例えば、2014年に報告された論文によると、CBDは5-HT1A神経受容体を活性化することで、うつに対して効果的に働くということが確認されています。

5-HT1A受容体は神経伝達物質であるセロトニンと相互作用します。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、うつ病の方の治療にセロトニンの働きを促進する薬を処方することもあります。

つまり、CBDは抗うつ薬に似た効果をもたらすということです。

一般的に使用される抗うつ薬の基本的な作用は、うつ病になり不足してしまった脳内の神経伝達物質の働きを正常に戻すことを目的としています。

抗うつ薬は、効き目が現れるのに時間がかかるという特徴があります。中には効果を実感するまでに2週間から1か月かかるものもあります。

また、よく知られている副作用として挙げられるのは、悪心・嘔吐、食欲低下、眠気、口渇、錯乱、不安などです。

さらに、長期で抗うつ薬を投与した後に薬の服用を急に止めると薬の離脱症状が出ることも注意しなければならないことの一つです。

この離脱症状が出ないようにするため、うつ症状が治まったからと言って急に薬を止めるのではなく徐々に投与量を減らしていくなどの工夫が必要です。

そのため副作用の少ないCBDの抗うつ作用に注目が集まっています。

2014年の動物の研究では、CBDが脳内のセロトニン受容体に作用し、抗うつ・抗不安作用を示すことが証明されています。

また、2018年の動物での研究では、CBDには抗ストレス作用があり、ストレスが引き起こすうつ症状を軽減させる可能性があるということが分かりました。

さらに、2019年の動物の研究ではCBDが持続的な抗うつ効果を示すことや、その効果に即効性があることが結論付けられています。

残念ながらこれらは動物の実験での結果なので、人間に対してCBDが抗うつ・抗不安作用を示すことについてはまだ推測の域を出ていません。

しかし、動物の脳内でのCBDのメカニズムが証明されていることを考えると、今後CBDの研究が進んで行けば人間に対してのCBDの抗うつ・抗不安効果が証明される可能性は十分にあると言えるでしょう。

CBDが人間に対して抗うつ・抗不安作用を示すと仮定した場合、処方薬である抗うつ薬・抗不安薬と比べてCBDの方が効き目が速いこと・副作用が少ないこと、などの利点もあります。

そのため、CBDが抗うつ薬・抗不安薬の代替えになるのではないかと考える方もいるかもしれません。しかし、抗うつ・抗不安効果の大きさや効き方は、抗うつ薬や抗不安薬と全く同じではないため、CBDは抗うつ薬や抗不安薬の代替にはならないということは絶対に覚えておきましょう。

また、その他の精神症状への作用として、CBDが統合失調症の精神病症状を緩和するという報告もあります。

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CBDは不眠症にも効果がある

CBDにはリラックス効果があり、睡眠もサポートしてくれることが分かっています。
例えば、不眠症の方に高用量のCBD(160mg)を投与すると、睡眠時間の延長がみられたというデータがあります。

また、心的外傷により不安誘発性睡眠障害に苦しむ方に対してCBDオイルを使用すると、不安と不眠が大幅に軽減されました。

このように、CBDは心にリラックス効果をもたらし、不安やうつ病をはじめとした多くの精神の問題を緩和し、不眠にも効果があることが示されています。

もっとも、まだヒトでの実験データが少ないなど、解明されていない部分もあります。今後の研究結果にも注目です。

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エネルギーや元気を維持するためには、いつどのタイミングでCBDを摂取すれば良い?

これまで説明してきた通り、CBDは心の活力をもたらし、うつ病や不眠症、不安障害にも効果が期待されます。

まだ効果について解明されていない部分もありますが、依存性や副作用といったマイナス要素は確認されていないことを考えると、試しに使ってみるのも良いかと思います。

もちろん「たまにストレスに悩まされる」「不安になることが時々ある」など、そこまで深刻な症状ではない方にも、CBDはおすすめです。

さて、ここで疑問に思うことは「いつCBDを摂取すると効果的なのか?」ということかもしれません。

病院で処方される薬には「朝」「食前」「食後」「睡眠前」など、飲むタイミングが指定されていることもあります。そのため「CBDにも摂取するのにふさわしいタイミングがあるのでは」と思われるのは自然なことです。

しかし、この疑問についての回答は「その方々の状況に応じて」というのが、一番ふさわしいかもしれません。

例えば「朝の寝起きがだるい」という方は、寝る前にCBDオイルを摂取すると寝起きがすっきりすると言われています。また朝起きてすぐに摂取しても効果がみられそうです。

「仕事でストレスを感じやすい」という方は、仕事場の休憩中や終業後に使用すると気分がリフレッシュできるかと思います。

唐突に不安や抑うつなどの症状が出てしまう場合は、その症状が出た時に都度使用すると気分の改善が期待できるかもしれません。

CBDオイルは個々の症状の違いや重さにかかわらず、気軽に使えるサプリメントですので、自分にとって効果が出やすい使用法を自分なりに探ってみてはいかがでしょうか。

CBDを摂取する際の注意点は?

CBDは、医薬品と一緒に摂取すると相互作用を起こす可能性があるので注意が必要です。

相互作用とは、CBDが服用している医薬品の効果を過剰に長引かせたり、医薬品の副作用を強めたりしてしまうことです。

すでに服用している薬がある場合には必ず医師に相談してからCBDを摂取するようにしてください。

また、うつ病や不安障害ですでに精神科や心療内科を受診している場合は、主治医にCBDを摂取したい旨を伝え、医師の意見を聞いてから購入するようにしましょう。

関連文献

CBDの不眠改善・活力に関して皆様から頂いた質問

1日の仕事始めにCBDを摂取したいと思っています。活力を得ることはできるのでしょうか?(20代男性)

CBDには、脳や神経の働きを活性化し心をより前向きにする作用があるとして海外で研究が行われています。CBDは、健康維持や心の活性化や安定に作用すると言われているエンドカンナビノイドシステム(ECS)に間接的に関わり、エンドカンナビノイドの働きを促進することができると言われているからです。一度試してみてはいかがでしょうか?

最近、元気がなく寝起きもだるいです。CBDを摂取することでなにか良い影響がありますか?(30代女性)

CBDはECSに関わり、心に活力をもたらしてくれるということが期待されています。寝起きがだるい方には、寝る前や朝起きてすぐにCBDオイルを摂取するのがおすすめです。

CBDによって不安を和らげることができるのでしょうか?(30代女性)

2011年の研究では、不安障害の一種である社会不安障害を抱える患者に対しCBDを経口投与したところ、不安レベルが有意に減少したという結果があります。まだまだ研究段階ですので、今後の研究に期待しましょう。

うつ病と診断されました。CBDはうつに作用するのでしょうか?(40代女性)

実際に使用されている抗うつ薬の多くは、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの作用を回復させる作用があります。CBDにもそのような作用があるのではないかということで海外で現在様々な研究が行われています。ただし、他の薬を既に服用されている場合は注意が必要です。CBDと他の薬剤とが相互作用を起こしてしまう危険性があるため、CBDの摂取を検討している方は、事前に医師に相談するようにしてください。

現在、抗うつ薬を服用していますが副作用に苦しんでいます。CBDで代替することは可能ですか?(30代男性)

確かに、CBDは抗うつ薬に比べて副作用などの観点から身体への負担を軽減することはできます。しかし、作用などの観点においては抗うつ薬とCBDは全く違うため、現在CBDは、抗うつ薬の代替になりえていません。もし、抗うつ薬をCBDに代えたい場合は、かかりつけの医師に相談をし治療に支障がないかどうかについてまず意見を聞きましょう。