また、CBDドリンクの作り方や飲む時の注意点なども紹介します。
そもそもCBDやCBDドリンクとは?どのように摂取したら良い?
CBD [Cannabidiol; カンナビジオール] は、麻などの植物に含まれるカンナビノイドと呼ばれる天然成分の一種です。現在、100を超えるカンナビノイドが確認されており、中でもTHC [Tetrahydorocannabinol; テトラヒドロカンナビノール] は「ハイ」になる作用があるものとして知られ、日本を含む多くの国で規制されています。
しかし、CBDはTHCのような精神作用をもたらしません。CBDの効果として知られているのはリラックス効果です。
その他にも、不安や吐き気・筋肉や関節の痛みの軽減、不眠の改善、炎症やニキビの抑制など、多くの面で健康に貢献すると言われています。
そのため、CBDは現在世界中で注目されています。日本でTHCは違法な物質ですが、CBDは規制されていないため安心して摂取することができます。
CBDは食用オイルに溶かしたりクリームやジェルに配合したりなど、さまざまな形で摂取することができますが、それぞれの製品によって摂取方法も異なります。
代表的な摂取方法は、以下の4つになります。
- 経口摂取 (CBDカプセルなどを口から消化管を通じて摂取する)
- 舌下摂取 (CBDオイルなどを口内の舌下部分から毛細血管を通じて摂取する)
- 経皮摂取 (CBDクリームなどを皮膚越しにCBDを塗布して患部に直接作用させる)
- 吸入摂取 (CBDリキッドなどを気化し、CBDを肺から摂取する)
なお、今回のテーマであるCBDドリンクは、飲料にCBDを配合したものであり経口摂取を用います。また、CBDは食べ物に配合されることもあり、こちらも摂取方法は経口摂取になります。
CBDドリンクを摂取するメリットやデメリットは?
CBDドリンクは、CBD大国であるアメリカをはじめ、さまざまな国で販売されています。
ミネラルウォーターにCBDを配合したCBDウォーターのほか、紅茶、昆布茶、コーヒー、スポーツドリンクなど、さまざまな飲料にもCBDを含むことができます。
CBDやCBDオイルは水に溶ける?今話題のCBDウォーターとは
また、ニューヨークのバーなど、CBDカクテルも提供しているところもあります。
日本では、流通しているCBDドリンクの種類はアメリカほど多くありませんが、近年はCBD入りの水や炭酸飲料などが製造・販売されており、今後CBDドリンクの市場規模は拡大していくであろうと予想できます。
では、CBDドリンクのメリットは一体どのようなものなのでしょうか。
メリットとしてまず挙げられることは、手軽に摂取できるという点でしょう。
通常のミネラルウォーターやスポーツドリンクなどと同様に、携帯が容易で飲みたい時にすぐ飲むことができます。
また、さまざまな種類のドリンクに含まれるため、気分によって味や風味が違う飲料を選べることも大きなメリットでしょう。
また、CBDエディブル (CBDを配合した食品や飲料の総称) が体内で作用する時間は最大で12時間にもなり、持続時間はCBD製品の中でも特に長いのが特徴です。
この持続時間が長さも、大きなメリットの一つといえるでしょう。
一方で、いくつかデメリットもあります。
一つは、量の調節が効きづらいことです。CBDドリンクは350ml, 500mlの用量の缶などに、CBDが一定量入っています。
そのため、1日数滴、決まった量を摂取できるCBDオイルとは違って、CBDドリンクで個々人の最適なCBDの摂取量になるように飲む量を調節することは難しいでしょう。
摂取の手軽さや美味しさから、ついつい飲みすぎてしまうという可能性もあります。
また、CBDは光にさらされたり空気に触れたりすると分解され効果が弱まっていくため、開封後は早めに飲み切らないといけません。この点も、摂取量の調節に向かない大きな要因と言えます。
さらに、生体への吸収効率についての問題点もあります。
経口摂取によるCBDの吸収率は6~20%と言われています。一方で、舌下摂取は13~35%、吸入摂取は34~56%であり、他の摂取方法と比較すると経口摂取の吸収率は低いことが分かります。
そのため、CBDの摂取効率の観点で考えるなら、CBDドリンクよりも舌下摂取を用いるCBDオイルや吸入摂取を用いるCBDリキッドを選んだ方が、効率の良い摂取ができると言えます。
さらに、CBDドリンクにはまだ明らかにされていない不安要素があります。それは、実際に飲料と混ぜた時にCBDが効果を発揮するかどうかの証明が少ないことです。
CBDドリンクのメーカーは、ナノテクノロジーによってCBDをより生体に吸収できるようにしていると主張しています。
確かに、カンナビノイドのナノ粒子化は生体への効果を高めるとされています。
しかし、CBDのナノ粒子化の有効性は脂質ベースで証明されたものです。水中で効果があるかどうかは未知の領域であると言わざるを得ません。
また、ドリンク中の成分とCBDが反応して、CBDの生体への作用の仕方が変化してしまうという可能性がないかというと、それもまだ解明はされていません。
このように、摂取の手軽さなどが魅力のCBDドリンクですが、解消しきれていない未知の領域があることもまた事実です。
正確かつ詳細な効果の検証は今後行われていくとしても、現状ではCBDドリンクが有効かどうかを判断するには、消費者自身が実際に使用して確かめることが一番の方法と言えるかもしれません。
CBDドリンクは作ることができる?
手軽に摂取できるCBDドリンクですが、市販のCBDドリンクは1本1,000円以上するものが多く、日々摂取すると考えるとお金がかかるという難点もあります。
しかし、CBDドリンクはただ買うばかりではなく、自分で作ることもできます。
作り方は簡単で、お好きな飲み物にCBDオイルを適量加えるだけです。
コーヒーやお茶などの日々飲む飲料にCBDを入れても構いませんし、カットしたフルーツに炭酸飲料を加えてそこにCBDオイルを合わせれば自家製CBDパンチになります。
ここで「CBDオイルは水には溶けないのでは?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、自分でCBDドリンクを作るという点では、CBDオイルを使うのが一番良い方法といえます。
その理由は、CBDが油溶性であるということです。CBD自体は水には溶けないため、溶媒をオイルにしたCBDオイルが最適なのです。
水に溶けるように調製したCBDパウダーもありますが、高価なため一般の人が日常的に使用する目的で購入するには向きません。
その点、CBDオイルは比較的求めやすい金額ですし、少量であればよくかきまぜることで水になじませることもできます。
このように、CBDオイルを使えばご家庭でお好きなCBDドリンクを楽しむことができます。実際にCBDドリンクを作ってみた人からは「CBDオイルの風味がうまくマッチして美味しい」という意見もあります。
しかし、ここで一つ留意していただきたい点があります。
さまざまな飲料でCBDドリンクを作ることはできるものの、それぞれの飲料によって入っている成分は異なります。
前項でも説明しましたが、CBDがそのような成分と反応した時に、どのような変化をするかは分かりません。
特に、アルコール飲料やエナジードリンクなど、特別な成分が入っているものは注意した方が良いかもしれません。
ここで問題なのは、これらの飲料とCBDを合わせることに、明確な「良い」「悪い」の基準がないことです。「悪影響はない」「むしろ良い効果がある」と言う人もいれば「危険性が否定できない以上、止めた方がいい」という人もいます。
判断は個々人にゆだねられるということです。
少し冷たい言い方になってしまいますが、アルコール飲料やエナジードリンクでCBDドリンクを作る際には、自己責任という意識をもつことが重要です。
CBDとアルコールの関係についてはこちらで解説していますので、よければ参考にしてください。
CBDやCBDオイルをアルコールと一緒に摂取したらどうなる?
CBDやCBDオイルを飲み物に混ぜて飲む際の注意点をご紹介!
では、実際にCBDドリンクを自分で作って飲む時には、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。温度・露光などの環境に注意し、早めに飲む
CBDはデリケートな物質であり、環境下によっては徐々に分解されてしまいます。
温度変化はその要因の一つと言われています。実際に、カンナビノイドと温度に関する研究で、高温・低温下でCBDの状態を観察したところ、徐々に濃度が減少していくことが明らかになっています。
あまりに高温・低温の環境下で長時間置くと、CBDの効果が損なわれてしまうおそれがあります。
飲料の温度には十分注意し、もしコーヒーや紅茶などで熱湯を使用したりシャーベット状になるまで冷やしたりする時は、CBDの効果が失われないうちに早めに飲むことを意識してください。
また、露光や空気にさらすことも、CBDが分解される要因になります。そのため、CBDドリンクを作った後は、あまり時間を置かずに早めに飲み切ってしまうことが肝心です。
飲みやすいがゆえに飲みすぎない
上記の「早めに飲み切るべき」という解説とは矛盾してしまいますが、あまりCBDを過剰に摂取するのも良くはありません。
しかし、自分の好きな飲料で作れるCBDドリンクは、美味しいからとつい飲みすぎてしまうリスクもあります。また、飲み切らなくてはもったいないという気持ちもあるでしょう。
しかし、CBDを摂取するうえでは、自分の適切な摂取量の幅を理解し、それより過剰な量を摂取することは控えなければいけません。
もし飲みすぎてしまう傾向があるなら、はじめから作るCBDドリンクの量を決めておき、それ以上は飲まないなどの工夫をするようにしてください。
THCが入っているものを利用してはいけない
CBDは日本で合法ですが、同じカンナビノイドでもTHCは違法な成分です。
そのため、THCが含まれることは絶対にあってはいけません。
飲料に加えるCBDオイルがTHCフリーである (THCが含まれていない) ことをきちんと確認するようにしましょう。
CBDは健康上の意味でも法律的な意味でも安全な成分です。しかし、麻から抽出されるという点で、少し気をつけなければいけない部分もあります。
日本で暮らす国民として、日本の法律を遵守することは必要不可欠な義務です。
そして、それはご自身を守るという意味でも大切なことですので、CBDオイルがTHCフリーである点は絶対に見落とさないようにしてください。
関連文献
CBDオイルと飲み物の飲み合わせに関して皆様から頂いた質問
CBDオイルは飲み物に混ぜることはできるのですか。(30代男性)
CBDは油溶性であるため、CBD自体は水には溶けません。しかし、CBDオイルは溶媒をオイルにしているため、飲み物に混ぜることは可能です。
CBDオイルを飲み物に混ぜても効果は変わらないのですか。(40代女性)
CBDオイルを飲み物に混ぜた場合の摂取方法は経口摂取です。本来のCBDオイルの摂取方法である舌下摂取と比較すると経口摂取の吸収率は低いです。そのため、CBDの摂取効率の観点で考えるなら、CBDドリンクよりもCBDオイルを舌下摂取したり、CBDリキッドを吸入摂取したりする方が効率の良い摂取ができると言えます。ただし、CBDドリンクはお好きな飲み物に入れて摂取できるため、舌下摂取や吸入摂取が苦手な方にはおすすめです。
CBDやCBDオイルを温かい飲み物に混ぜても大丈夫ですか。(40代男性)
CBDは高温・低温の環境下で長時間置くと、CBDの効果が損なわれてしまう恐れがあります。実際の実験結果からCBDは低温では5℃以下、高温では100℃以上の飲料に入れてしまうと濃度が低くなることが明らかになっています。飲料の温度には十分注意し、もし温かい飲み物に混ぜる場合は、CBDの効果が失われない温度で飲むことを意識してください。