MCTオイルで白髪や髪質改善?美髪に必要な栄養素もご紹介!

MCTオイルで白髪や髪質改善?美髪に必要な栄養素もご紹介!

白髪や薄毛が目立つと実年齢よりも老けて見えてしまう要因となるため、頻繁に染めたり髪型でボリュームを出したりしている方は多いのではないでしょうか。本記事では、髪に良いと噂のMCTオイルの効果や、MCTオイルとCBDとの相性について解説します。

白髪の原因は?ストレスや睡眠不足で白髪や薄毛に?!

早い人では10代から悩む白髪ですが、そもそもなぜ白髪はできてしまうのでしょうか。

髪の色は毛根にあるメラノサイト(色素細胞)で作られるメラニン色素(ユーメラニン:黒褐色系、フェオメラニン:黄赤色系)が毛母細胞に取り込まれ、その毛母細胞が分裂を繰り返すことで色の着いた髪が伸びます。

そのため、以下のような理由でメラノサイトでメラニン色素が作られない、もしくはメラノサイトで作られたメラニン色素が毛母細胞に取り込まれないといったことが起こると髪色が変化してしまいます。

  • メラノサイトの機能が低下する
  • メラノサイトの数が減る、無くなる
  • アミノ酸からメラニン色素を作るのに必要なチロシナーゼという酵素がなくなる
  • メラニン色素の素となる栄養素が不足している
  • など

白髪は加齢や遺伝の要素が大きく、白髪が生えてきやすいのは平均的に35歳以上とされていますが、10代や20代の若い方でも白髪になることがあります。

原因の一つは食生活の乱れです。詳しい栄養素については後述しますが、髪や髪の色素はタンパク質(アミノ酸)から作られているため、不足してしまうと白髪になるだけでなく髪そのものが作られなくなってしまいます。

次に問題となるのは血行不良です。

デスクワークが中心の方は運動不足や目の使いすぎなどで頭皮が血行不良になったり、強いストレスなどで自律神経が乱れることで血管が収縮して髪に栄養が行き渡らなくなったりしてしまいます。

そして、頭皮や毛根にダメージを与える活性酸素にも注意が必要です。

紫外線やカラーリング剤による頭皮の刺激、強いストレス、飲酒、喫煙などは体内に多くの活性酸素を発生させて毛根にダメージを与え、メラノサイトの機能が低下してしまう恐れがあります。

最後に睡眠不足です。睡眠中は細胞の修復を行う成長ホルモンが多く分泌されるためダメージを受けた頭皮や毛根の修復に当てられますが、睡眠時間が短かったり睡眠の質が悪いと成長ホルモンが十分に分泌されません。

その結果、傷んだ毛根や頭皮のままではメラニン色素や髪が作られにくくなってしまいます。

また、このような要因を抱えていると白髪だけでなく若いうちから薄毛(抜け毛)の原因にもなります。

白髪や薄毛が気になる方は食生活や嗜好品の摂取などを見直し、運動やマッサージによる血行促進を意識し、質の良い睡眠を確保するようにしましょう。

また、ストレスによる影響を甘く見ずにこまめにストレスを解消しましょう。さらに、紫外線を浴びすぎないようにすることも大切です。

ところで、一旦白髪になるとカラーリング以外で髪色を戻すことができるかどうか気になる方も多いでしょう。加齢によって毛根のメラノ細胞が機能しなくなったり、細胞が完全に消失してしまった場合は残念ながら戻りません。

しかし、栄養不足や血行不良などが原因による白髪で、メラノ細胞自体が残っている場合は要因を改善することでメラノ細胞の機能が復活して再び元の髪色に戻る可能性もあります。

ただし、髪色が戻るとはいっても新しく伸びてきた部分の髪色が戻るのであって、現在生えている白髪が黒くなるわけではありません。

また、一度に多くの白髪を発見すると「一晩で真っ白になった」と感じるかもしれませんが、急に真っ黒から真っ白になることもありえません。

日本人では黒髪が多いですが、それは黒褐色系の素であるユーメラニンの量が多いためです。

しかし、同時に黄赤色系の素であるフェオメラニンも持ち合わせています。そして、ユーメラニンはフェオメラニンよりも破壊されやすい特徴があります。

若い黒髪の方でもカラーリングやブリーチの繰り返し、マリンスポーツ、水泳、紫外線などの影響で髪全体が赤っぽく変色したり地毛が茶色や金色などになることがあります。

これは毛根がダメージを受けることでメラノサイトで作られるメラニン色素の量が減っている、もしくは髪が酸化して(傷んで)ユーメラニンが破壊され、髪に残ったフェオメラニンの影響で変色するためです。

ユーメラニンと比べてフェオメラニンは安定しているため、時間が経ったりダメージを受けたりしても色が抜けることはほとんどありません。

そのため、強いストレスを感じたり塩素や海水、紫外線などに晒されても、脱色剤などの科学的な薬品を使用しない限りは一晩でユーメラニンもフェオメラニンも全て壊れてしまうことは考えられません。

もしも黒髪の中に金髪や茶髪が混じっているのを見つけた場合、その髪の毛根にあるメラノサイトの機能が低下しているサインの可能性があります。早い段階でケアを開始すると白髪にならずに元の髪色に戻ることもあります。

白髪や頭皮トラブルを予防!美髪に必要な栄養素とは?

白髪や薄毛、頭皮トラブルなどを予防したり改善したりするには「これだけを食べていれば大丈夫」という魔法のような食材はありません。

面倒でも様々な食材をバランスよく摂取することが大切です。必要な栄養素をご紹介していきます。

タンパク質

人間の細胞は全てタンパク質(アミノ酸)でできており、髪も例外ではありません。

人が必要なタンパク質の量は一日に体重(kg)×1〜2gとされていますが、炭水化物だけで食事を済ませてタンパク質が不足している方が多いのではないでしょうか。肉や魚、大豆製品などをバランス良く摂取しましょう。

また、アミノ酸の一種であるチロシンはメラニン色素を作るのに必要な成分の一つです。乳製品や鯖や鯵、マグロ、カツオなどの魚介類、バナナやアボカドなどの果実類、大豆製品、ナッツ類などに多く含まれています。

ミネラル

ミネラル(無機質)とは、人の臓器や細胞の働きをサポートする上で欠かせない栄養素です。現段階で16種類が「必須ミネラル」として定められており、人の体内では合成できないため必ず食事から摂取する必要があります。

ミネラルが髪そのものになるわけではありませんが、髪の組織合成を助けるためには必要不可欠です。白髪や抜け毛予防のために摂りたいミネラルは以下のようなものがあります。

  • 銅:チロシナーゼを活性化させる
  • 鉄:毛根に酸素や栄養素を届ける
  • 亜鉛:ケラチンの合成を促進する
  • カルシウム:メラノサイトを活性化させる
  • ヨード:メラノサイトを活性化させる

ビタミン

ビタミンも、ミネラル同様に髪を作る各細胞やミネラルの働きをサポートする役割があります。

  • ビタミンB群:髪の成長を促したり、ホルモンバランスを整える
  • ビタミンC:抗酸化作用をもたらしたり、コラーゲン合成を促して頭皮を健康にする
  • ビタミンE:抗酸化作用をもたらしたり、頭皮の血行を促進する

MCTオイルとは?毎食の摂取で白髪や薄毛に作用する?!

MCTオイル
MCTとは中鎖脂肪酸(Medium Chain Trigriceride)の略であり、油脂類に含まれる脂肪酸の一種です。

MCTは主にココナッツオイルやパーム核オイルなどに多く含まれており、それらのオイルから長鎖脂肪酸が除去されたものがMCTオイルと呼ばれます。

MCTオイルとココナッツオイルは混同されがちですが、ココナッツオイルには40%程度の長鎖脂肪酸が含まれているため性質はMCTオイルとは全く違います。

MCTは、オリーブオイルや一般的な調理用のオイル(コーンオイル、キャノーラオイル)などに多く含まれる長鎖脂肪酸に比べて体内に蓄積されにくいためダイエットに適しています。

また、MCTオイルは近年話題の「ケトジェニックダイエット」にも、用いられています。

MCTが分解されると、ケトン体という物質ができます。ケトン体は身体や脳のエネルギーとして使用されます。

運動時に最もエネルギーとして燃焼されやすいのは糖質ですが、ケトン体は糖質に替わるエネルギーとして使用されやすいため、運動前にMCTオイルを摂取することで持久力アップが期待できます。

また、脳のエネルギーといえばブドウ糖ですが、ケトン体も脳関門を通過することができるためMCTオイルは脳のエネルギーとしても使われ、頭がスッキリしたり脳の疲労回復が早まったりするとされています。

他にも、ケトン体には抗炎症作用や抗酸化作用、抗糖化作用、神経保護作用、脳血流量の増加、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの増加など、心身の健康に加えて美容にも効果が期待できます。

2018年にアメリカでテイラーC.ウォレスによって報告された論文によると、MCTオイルは本記事のテーマである白髪や薄毛などの髪の悩みにも作用すると考えられています。

先述したように、健康で美しい髪のためには髪の素となる栄養素を摂取し、髪を作る細胞が正常に機能していることが大切です。

しかしせっかく必要な栄養を摂取しても栄養が髪の根元に届かなかったり、メラノサイトや毛母細胞の機能が低下していては意味がありません。

ケトン体の抗酸化作用や抗糖化作用は、メラノサイトや毛母細胞を有する毛根を活性酸素によるダメージから予防し、髪の色素や髪の組織の産生を維持することが期待できます。

また、栄養素を毛根に届ける血流の改善にも効果的であると考えられます。ケトン体によって活性酸素が除去されることで血管や頭皮の細胞がダメージから守られます。

そして、血行の改善には交感神経と副交感神経のバランスを整えることが大切です。MCTオイルは白髪や薄毛の天敵であるストレスや脳疲労を改善して、副交感神経を優位にすることで血管を拡張する作用も期待できます。

おすすめのMCTオイルは?摂取量や摂取方法と合わせてご紹介!

MCTオイルは続けて摂取してこそ効果を感じやすくなります。どのような製品をどのように摂取するのが良いのかをご紹介します。

MCTオイルの選び方

MCTオイルは今やカルディやコストコ、成城石井、久世福商店といった輸入品や製菓材料などを扱うスーパーをはじめ、ドンキホーテやイオンなどでも販売されています。

また、iHerbやAmazonなどの通信販売などでも多く扱われており、購入の際に迷われるかと思います。

MCTオイルは一般的に値段が他のオイルよりも高価であるため、値段で選びたくなるかもしれませんが選ぶ際には次に紹介する点も参考にすると良いでしょう。

原料

MCTオイルの原料はココナッツ由来のものとパーム由来のものがあります。ココナッツと比べてパームのほうが安定して生産できるため、パーム由来のMCTオイルの方が比較的値段が安くなります。

また、加工食品などに多く含まれる「パームオイル」はパームの実から抽出されたものです。

MCTオイルが抽出される「パーム核オイル」はパームの種子が原料となるため、「パームオイル」とは全く別のオイルとなります。

100%のMCTオイルであればココナッツ由来とパーム由来で安全性や身体への作用などに差はなく、基本的には無味無臭ですがココナッツ由来の製品では若干ココナッツの香りや甘みを感じる場合もあります。

また、MCTオイルの中にはココナッツ由来とパーム由来が混合されているものもあります。

ココナッツ由来のMCTオイルとパーム由来のMCTオイルではどちらの方が優れているということはありません。摂取を続けやすい値段や風味の有無などで好みのものを選ぶと良いでしょう。

選ぶ際に重要なことは、正しく原料名が記載されているかどうかです。

例えば「ヤシ」などのように曖昧な表記となっている場合、パームオイル(アブラヤシ由来)が混合されていても表記的には間違いではなく含まれている可能性も多いにあります。

パームオイルは長鎖脂肪酸を多く含むオイルであるため、100%のMCTオイルと比べると効果が変わることがあります。表記をしっかりと見て選びましょう。

精製方法

MCTオイルを精製するのに、化学溶剤などを使用する方法と薬などを一切使用せずに蒸留して時間をかけて自然に抽出する方法があります。時間がかかる分、蒸留法(ナチュラル製法)の方が値段が高くなります。

ナチュラル製法では化学的な処理が行われない分、微量のラウリン酸(MCTではあるが分子が大きく消化に時間がかかる)も含まれる場合があります。

一方で、化学的な処理を行うことでラウリン酸を一切除去することもできるため、より短い分子のMCTだけで構成されたオイルになります。

自然な製法で作られた製品の方が良い場合はナチュラル製法の製品、MCTオイルの効果や値段を優先したい場合はラウリン酸の有無を見て製品を選ぶと良いでしょう。

容器

オイルはプラスチックに含まれるBPAという女性ホルモンに似た働きを持つ成分を溶かしてしまう恐れがあります。

そのため、プラスチック容器のものよりもガラス容器に入ったものの方が良いでしょう。また、プラスチックの容器に入っているMCTオイルを購入する場合は、BPAフリーと記載されているものを選ぶようにしましょう。

摂取方法

MCTオイルは発煙点が他の調理用オイルに比べて低く、非常に危険ですので揚げ物などの調理用オイルとしては絶対に使用しないでください。

摂取する際は加熱せず、大さじ一杯程度のMCTオイルをコーヒーに入れたり、サラダやスープ、デザートなどに直接かけて混ぜます。

製品によって若干テクスチャーや風味に差がありますので、ココナッツ由来のMCTオイルの甘みや香りが気になる場合などは甘いデザートやコーヒーなどに入れると良いでしょう。

メリットの多いMCTオイルですが、副作用も報告されています。MCTオイルの副作用として知られているのは下痢や腹痛です。

通常、脂質はゆっくりと時間をかけて消化されるため、MCTオイルを摂取した後の消化管は通常通り時間をかけて消化しようとします。

しかし、MCTオイルはあっという間に小腸から吸収されてしまい、腸管内の浸透圧が高くなります。すると、腸壁から腸管内に必要以上に水分が分泌されて下痢が起こります。

特に摂取を始めたばかりでMCTオイルの消化に慣れていない場合や空腹時に摂取すると副作用が起こりやすいため、少量ずつ摂取を開始して下痢や腹痛が起こらないか様子を見ながら量を調節していきましょう。

また、MCTオイルがいくら健康に良いとはいえ脂質であることには変わりがありません。脂質のカロリーは大さじ1杯(15ml)で100kcal程度です。一日の摂取エネルギーが過剰にならないように注意しましょう。

CBDとMCTオイルでより作用が期待できる?おすすめのCBD×MCTオイル!

CBD(カンナビジオール)とは、ヘンプなどから抽出される生理活性物質です。近年では、美容や健康のために摂取する方が急増しています。実は、CBDも髪や地肌に良い成分として注目されています。

CBDは白髪や薄毛の天敵である強いストレスや不安を軽減したり、睡眠の質を改善したりするなどの効果が期待できます。
CBDやCBDオイルは不安やストレス解消に効果がある?リスクはない?CBDやCBDオイルは不安やストレス解消に効果がある?リスクはない? 他にも、CBDには抗炎症作用や抗酸化作用、食欲増進・抑制など髪や地肌の健康を維持するのに嬉しい作用がたくさんあります。

CBDは油脂に溶解されやすい性質があり、CBDの粉末をMCTオイルに溶解したCBDオイルは非常に人気があります。CBDオイルは飲む、舌下粘膜から吸収させる、皮膚に塗るなど、幅広い方法で摂取することができます。

すでにご紹介したように、MCTオイルだけでも髪の健康を促進することができますが、CBDと組み合わせることでさらに効果が期待できることは一目瞭然です。

CBDと髪に関する研究はまだ多くありませんが、2021年発表の文献によると半年間CBDオイルを頭皮および髪に直接塗布した男女で、平均で93.5%の増毛効果が見られたと報告されています。

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