CBDは消化不良を改善し消化を助ける?消化器疾患にも作用する?

CBDは消化不良を改善し消化を助ける?消化器疾患にも作用する?

現代人にとって深刻な悩みの一つである消化不良や消化器疾患に、CBDやCBDオイルが効果的に働くのではないかと言われています。そのメカニズムについてエビデンス付きで解説し、またCBDによって副作用や不具合が出た時の原因や対処法についても説明します。

CBDやCBDオイルは消化不良を緩和し消化を助けてくれる?エビデンスは?

CBDやCBDオイル

消化不良は食べすぎ・偏食などの不規則な食事、刺激物やアルコールなどの過剰摂取などによって、胃酸や他の消化酵素の分泌が乱れたりして起こります。

現代人の多くがそのような胃腸の不具合を抱えることが多いですが、それが悪化したり慢性化したりすると、消化器疾患を発症してしまうおそれもあります。

食べすぎ・飲みすぎを控えたり、規則正しい食生活を送ったりすることが、消化不良を防ぐのに最も良い方法です。

とはいっても、仕事や日々の暮らしに追われ、ストレスも大きい現代では、なかなかそのような改善策をとるのも難しいかもしれません。

ここで、近年注目を集めるCBDやCBDオイルが、消化不良など胃腸トラブルの改善の手助けになるのではないかと言われています。

CBDが消化不良を助けるそのメカニズムとは?

CBDとエンド・カンナビノイド・システム(ECS)

では、なぜCBDが消化不良を助けるのでしょうか。

その根本的な理由として挙げられる機構に、エンド・カンナビノイド・システム (ECS) があります。

ECSは生体内に存在する内因性カンナビノイドと呼ばれる因子がカンナビノイド受容体に結合することで起こるシグナル伝達システムです。

内因性カンナビノイドとカンナビノイド受容体は生体のあらゆる部位に分布しており、そのためECSはあらゆる生体機能の調節を行うことで、生体を健全な状態に維持しています。

消化器官にもカンナビノイド受容体は多く存在していますので、ECSの恩恵を受けやすいと言われています。

このように、ECSは消化器官をはじめ生体のさまざまな機能に貢献していますが、CBDはこのECSを促進することで、生体の働きに深く関与すると考えられています。

CBDにはストレス解消や、副交感神経の活発化、炎症の抑制などの効果があるとされており、消化管の働きを助けたり消化不良などのトラブルを防いだりするのにも有効です。

消化器官へのCBDやECSの作用についてのエビデンスもあります。

まず、過剰だと胃や食道の不快感や傷害の原因ともなる胃酸の分泌について、カンナビノイド受容体の一種であるCB1が抑制的に働くことが明らかになっています。

実際に、CB1は胃腸粘膜や食道に多く分布していることも示されています。

また、マウスを用いた実験によって、CBDが腸の炎症を軽減するというデータも出ています。

このように、CBDやECSは消化器官にも作用し、その部位で起こり得る不調や病気に有効に働くと考えられるのです。

CBDやCBDオイルは胃食道逆流症(GERD)などの消化器疾患にも作用する?

CBDはECSを通じて、消化不良などの消化器官の問題にも良い働きをすると説明しました。

では、CBDは具体的にどのような消化器官の問題を改善してくれるのでしょうか。

日頃から消化不良などの問題を抱えやすい消化器官ですが、症状が進行したり慢性化したりすると、消化器疾患に発展するおそれもあります。

CBDはそのような消化器疾患にも有効に働くと言われています。

ここで、CBDが効果的であると考えられている消化器疾患について、いくつか紹介しましょう。

胃食道逆流症 (GERD)

胃食道逆流症 (GERD) とは、胃酸や胃の内容物が逆流することによって食道が炎症を起こしたり胸やけが起こったりする消化器疾患です。

近年では、食生活の欧米化やピロリ菌感染者の減少によって、日本でもこの症状を抱える人が増加していると言われています。近年テレビなどでよく取り上げられる逆流性食道炎もこのGERDの一種です。

GERDには胸やけや胃や食道、喉など日常的な不快感をもたらすというデメリットもありますが、さらに問題なのは食道がんになる可能性が高まるとも考えられていることです。

今や日本人の3分の1が罹っていると言われるGERDですが、このような健康へのリスクを考えると早急に治療した方が良いと言えるでしょう。

CBDは胃腸の働きを活発にしたり胃酸の過剰分泌を抑える作用があり、また抗炎症作用もあることから、GERDの発症や症状の改善に効果があると考えられています。

また、食欲を抑える効果もあることから、日頃よりCBDを摂取しているとGERDの予防にもなるかもしれません。

過敏性腸症候群 (IBS)

CBDやCBDオイルと腸

過敏性腸症候群 (IBS) とは、小腸や大腸に主だった病変が見当たらないにもかかわらず、便通の異常や腹部の不快な状態が続く病気です。

便秘になる、下痢になる、便秘と下痢が交互に繰り返されるといったように、人によって症状もまちまちです。

IBSになる原因は完全には解明されていませんが、神経質な性格やストレス、自律神経の乱れなどが一因になり得るのではないかと言われています。

CBDには腹痛や下痢・便秘を改善する効果があるほか、ストレス解消の効果や自律神経を調節する作用がありますので、IBSの症状やその原因となり得る精神・神経の問題を改善してくれる可能性があります。

また、IBSの主症状が下痢である人は、セロトニンというホルモンがその原因であるという説もあります。

セロトニンは神経伝達物質としても知られていますが、腸内で過剰分泌されると下痢を引き起こすとも言われています。

アフリカツメガエルの卵母細胞を用いた実験で、CBDは腸内にも多く分布するセロトニン受容体である5HT-3受容体に阻害的に働くことが明らかになっています。

そのため、CBDが下痢の症状にとても効果的と考える専門家も多くいます。

CBDやCBDオイルはIBS(過敏性腸症候群)に効果的?CBDやCBDオイルはIBS(過敏性腸症候群)に効果的?

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患は、IBSとは対照的に腸に実際に炎症が起こることで身体の不和を訴える病気です。

炎症性腸疾患は腸の内壁に慢性的な炎症が起こるクローン病と、潰瘍が生じる潰瘍性大腸炎に分かれますが、どちらも下痢や腹痛が主症状となります。

CBDは炎症抑制、神経疼痛の緩和といった効果がありますので、このような炎症性腸疾患の症状改善に役立つと考えられています。

また、延長性腸疾患に関係するものに、腸内フローラがあります。

腸内フローラは正式には腸内細菌叢といいますが、腸に存在する約1,000種もある細菌がそれぞれに腸壁に貼りつくようにコロニーを形成している状態のことを指します。

腸の健康のためには、それらの細菌の存在する割合のバランスが大事だと言われています。逆に、腸の異常はこれらの均衡が崩れると腸のトラブルが起きやすくなります。

マウスを使った実験から、CBDが腸内フローラへの影響を示唆するデータが出ています。

ただ、今のところ炎症性大腸炎などの腸疾患への効果についての検証はあまりされていません。

CBD摂取が腸内細菌と腸トラブルにどのような影響を与えるのかについては、より詳細な研究が行われる必要があるでしょう。

CBDやCBDオイルは腸内環境を改善させ身体の健康を維持できる?CBDやCBDオイルは腸内環境を改善させ身体の健康を維持できる?

CBDやCBDオイルで消化不良を引き起こしてしまう可能性はある?副作用は?

CBDやCBDオイルは消化不良や消化器疾患への効果について説明してきました。

しかし、一方ではCBDやCBDオイルには、逆に消化不良を起こしてしまうのではという懸念もあります。

なぜ、そのような真逆の意見があるのでしょうか。

原因の一つは、CBDに軽微ながら副作用があることです。

CBDへの副作用の出方は個人差によりますが、人によって吐き気や下痢といった症状が現れる場合もあります。

もう一つの原因として考えられるのは、キャリアオイルの問題です。

CBDオイルに使われているキャリアオイルは、オリーブオイルやMCTオイルなど、健康にも良いとされているものが多いです。

しかし、人によってはオイル自体に苦手意識がある、身体に合わない、という人もいるでしょう。

「健康のためにMCTオイルを摂取してみたが、かえって眩暈や吐き気がした」などという経験をされた方もいます。

このようなことから、胃腸の健康やトラブルに貢献が期待されるCBDオイルですが、人によっては真逆の効果が出てしまうこともあるのです。

しかし、これらの問題点は工夫次第で解決できる可能性があります。

CBDの副作用は非常に軽微であり、そこまで深刻にとらえる必要はありません。

また、過剰摂取が原因で吐き気などが起こるのであれば、摂取量を少なくするなどの工夫をすることで改善できる可能性もあります。

一方で、使われているキャリアオイルが原因なのであれば、別の種類のオイルを使用している製品に替えると有効かもしれません。

また、オイル自体に苦手意識があるのであれば、CBDグミやCBDガムなど別のCBD製品を試すという方法もあります。

CBDやCBDオイルは正しく使用すれば基本的に安心・安全だと言われていますので、自分なりに摂取の仕方や製品選びを工夫すれば、より快適に使用することができるでしょう。

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