CBDやCBDオイルは便秘に作用する?便秘の症状を和らげる?

CBDやCBDオイルは便秘に作用する?便秘の症状を和らげる?

年齢を重ねるにつれて便が出づらくなったり、特に女性の方だと慢性的に便秘に悩んでいたりするという方は多いのではないでしょうか。本記事では、CBDやCBDオイルが便秘に対して作用するのか、便秘に伴う症状を緩和することができるのかといった点に着目し、解説していきます。

CBDやCBDオイルとはなにか?

CBDとは、Cannabidiol(カンナビジオール)の略称です。カンナビジオールは、植物の麻(学名:カンナビス・サティバ)などに含まれている成分であるカンナビノイドの一種です。

CBDは、健康や美容の面で様々な効果があると考えられ、近年世界中で人気を集め注目されている成分です。

なぜCBDには様々な効果があると言われているのでしょうか。その理由は、私たちの身体に元々備わっている、エンド・カンナビノイド・システム(ECS)という仕組みが大きく関わります。

ECSとは、私たちの身体で免疫機能や痛み、気分の調節を行っている仕組みのことです。全身に存在するカンナビノイド受容体が作用することでECSは働きます。

名前からも分かるように、CBDは内因性カンナビノイドを活性化させることでCBD受容体に間接的に作用します。

そのため、CBDを摂取するとECSが動き出し、身体のいたるところで不調を調節するように働くと考えられています。

CBDオイルは、キャリアオイルと呼ばれるベースとなるオイルにCBDが配合され販売されている製品です。現在では、多くのメーカーから様々な種類のCBDオイルが販売され、世界中で人気を集めています。

便秘の原因にはどのようなものがある?

便秘は日本内科学会において「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と定義されています。男性よりも女性に多く、年齢が上がるにつれて症状を訴える人が多くなる傾向があります。

便秘には、食べ物の消化・吸収の過程が強く関係しています。口から入った食べ物は、胃から腸へと進み、消化・吸収されていきます。

消化・吸収の最後の段階である大腸では、食べ物の残りかすから余分な水分を吸収し、程度な硬さの便がつくられます。この時、何らかの原因により体内への水分の吸収量が増えると、便が硬くなり便秘が起きやすくなります。

硬い便ができてしまう原因としては、食事のバランスや量、過度なダイエット、ストレス、加齢により腸の動きが悪くなることなどが挙げられます。

また、過敏性腸症候群(IBS)などの疾患や別の病気の薬の副作用で便秘が起こることもあります。病気ではありませんが、女性では妊娠や生理によるホルモンバランスの変化も原因になると言われています。

CBDやCBDオイルはIBS(過敏性腸症候群)に効果的?CBDやCBDオイルはIBS(過敏性腸症候群)に効果的?

CBDやCBDオイルによって便秘の原因を解消することに繋がる?

CBDやCBDオイルと腸
それでは、CBDやCBDオイルを摂取することで、便秘を解消することはできるのでしょうか。

便秘に対するCBDやCBDオイルの効果を臨床試験などで直接比較した研究はほとんどありません。しかし、CBDの作用が胃や腸などの消化器系の働きに様々な影響を与えることは示唆されています。

ECSに関連する作用

冒頭で紹介したカンナビノイド受容体は全身に存在していますが、腸にも存在していることが知られています。よって、腸においてもECSが働き、消化器系の機能をサポートすると考えられています。

CBDによる消化器系への影響やメカニズムを解明するため、これまでに様々な研究が行われています。

その多くは動物実験によるものですが、CBDの消化器系への影響として、腸の運動性や空腹を脳に伝えるシグナル伝達、腸内の炎症、腸内細菌叢との相互作用などが挙げられています。

便を排泄するためには、腸が便を押し流す蠕動(ぜんどう)運動が非常に重要です。腸粘膜に存在するカンナビノイド受容体であるCB1受容体にCBDが間接的に作用することで、腸の運動を促すと考えられています。

また、便秘を解消するためには、十分な食事量を確保することが重要ですが、CBDは消化器系のカンナビノイド受容体に作用し、脳に空腹を伝えるシグナル伝達にも関連していると考えられています。

便秘に対するオイルの効果

CBDオイルには、MCTオイルやヘンプオイル、ココナッツオイルといったベースとなるキャリアオイルが使われていますが、オイル自体が便秘の解消につながる場合もあります。

オイルに含まれる脂肪酸は大腸を刺激し排便を促す作用があります。オイルによって硬くなった便を出やすくするような医薬品も開発されているので、非常に効果的であると考えられます。

明確なエビデンスが十分でない側面もありますが、CBDやCBDオイルが便秘の原因解消に役立つ可能性があります。

CBDやCBDオイルは便秘による様々な症状を緩和する?

便秘そのものもつらい症状ですが、便秘によって引き起こされる他の様々な症状も、便秘がちの方にとってはつらいものです。

便秘に伴う症状としては、痔や腹痛が代表的ですが、肌荒れ、不眠、肩こりなども挙げられます。これらの症状はすぐに改善することが難しく、大きなストレスの原因にもなると考えられます。

CBDやCBDオイルを摂取することで、これらのつらい症状を緩和できる可能性があります。

CBDオイルの舌下摂取は、リラックス作用やストレスを緩和する作用が得られることがよく知られています。寝る前にCBDオイルを摂取することで、人によっては寝つきが良くなるとも言われています。

また、CBDオイルを肌に直接塗布することで、皮膚の炎症を抑えたり、塗布した部位の痛みを和らげたりする効果も知られています。便秘による肌荒れや、慢性的な肩こりなどの痛みの緩和に役立つと考えられます。

便秘の原因を根本的に改善することはできない場合にも、CBDやCBDオイルを活用することで、便秘に伴う悩みを緩和し、日々の生活を少しでも快適にすることができるのではないでしょうか。

CBDやCBDオイルを服用する際の注意点を解説!

ここまで解説してきたように、CBDやCBDオイルを摂取することで、便秘や便秘に伴う様々な症状の改善につながる可能性があります。

しかし、エビデンスが不十分であることや症状への対症療法に過ぎないことから、CBDやCBDオイルは、あくまでサポート役であると言えます。

便秘を解消するためには、まずは毎日の食生活や運動などの生活習慣を見直すことが重要です。生活習慣の改善に加えてCBDやCBDオイルを活用することで、より健康的に便秘を解消するという相乗効果が得られると考えられます。

また、持病があり治療を受けていたり、定期的に服用している薬やサプリメントがある方は、CBDやCBDオイルを摂取して問題がないかあらかじめ医師に相談するようにしましょう。

CBDは、これまで重篤な副作用が報告されておらず、安全性が高い成分であることが知られていますが、飲み合わせの問題や製品中の他の成分のアレルギーなどが問題となる場合があるからです。

CBDやCBDオイルを摂取して、体調が悪くなったり、アレルギーが出た場合にも、使用をやめて速やかに医師に相談するようにしましょう。

CBDやCBDオイルを初めて使用する方は、濃度の高いものを多めに摂取し、CBDの実感度合いによって摂取量を調節していく方法がおすすめです。CBDが1,500mg配合されている濃度15%のCBDオイルの場合、最初はスポイト半分〜一本分程度の摂取がよいでしょう。

CBDやCBDオイルの作用の感じ方は人によって異なるため、自分に合う摂取量や摂取方法を見つけるようにしましょう。

本記事では、便秘に対するCBDやCBDオイルの作用について解説しました。冒頭でもお伝えした通り、便秘に対するCBDの作用を示す実験データはまだまだ乏しいです。

そのため、まずは生活習慣の見直しをして適切な腸活を行い、それでもなかなか症状が改善しないという方は、一度病院で診てもらうことも重要です。

何か他の病気にかかっていたり、便秘の原因と対処法が合っていなかったりする場合には、専門医による治療やアドバイスを受ける必要があるため、たかが便秘と思わずに、病院を受診するようにしましょう。

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