ヘルペスとは一体どんな病気?原因や特徴は?
ヘルペスとは単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の一種です。唇や皮膚、性器、目などに痛みを伴う水泡や発赤の出現が主な症状ですが、場合によっては発熱や痛みが全身に及ぶこともあります。
単純ヘルペスウイルスには2種類あり、1型(HSV-1)は口唇に感染しやすく2型(HSV-2)は性器に感染しやすいとされていますが、口唇から性器に感染したりその反対も起こりうるため両者とも広範囲に感染します。
ヘルペスは感染者の唾液や体液、水泡が破れた際の浸出液などに接触することで他者へ感染します。性感染症の一つであり、キスや性行為などで成人が多く感染するイメージが強いかもしれません。
ところが、実際は半数以上の方が子どもの頃に家庭などで自然にHSV-1に感染しており、50歳以下で70%ほど、70歳代以降ではほとんどの人が感染しているとも言われています。
しかしウイルスは不活化したまま体内の神経節などに潜んでいることがほとんどで、感染者が必ず口唇ヘルペスや性器ヘルペスを発症する訳ではありません。
またウイルスの活発化と皮膚症状の出現が一致しないこともあるため、無症状であってもすでに強い感染力を持っている可能性もあります。
日本ではヘルペス患者の半数以上は、すでに感染していたHSV-1が疲労やストレスなどで免疫力が低下した際に口唇ヘルペスを発症するケースで、性器ヘルペスは後進国などと比較すると全体の割合は少ないとされています。
しかし正式な患者数は把握されていません。性行為の頻度やパートナーの数と性器ヘルペスの患者数は明らかに比例しており、現段階で性産業に従事する女性の8割以上がHSV-2に感染しているとも言われています。
ヘルペスの治療は対症療法が基本となります。抗ウイルス薬(アクシロビル)や痛み止め、炎症を抑える塗り薬などが投与されます。
しかしHSV-1やHSV-2を完全に体内から排除することはできないため、免疫が低下すると再発します。
また抗ウイルス薬は頭痛や下痢、吐き気などの副作用があり、重症化すると精神にまで影響が及びます。
CBDやCBDオイルはヘルペスに作用する?エビデンスとともにご紹介!
CBDは大麻草などから抽出されるカンナビノイドと呼ばれる天然成分です。CBDは人間の体内に備わっているエンド・カンナビノイド・システム(ECS)という身体のさまざまな機能の調節を行う仕組みに働きかけます。
内因性カンナビノイドであるアナンダミド(AEA)や2-AGが全身に発現するCB1やCB2などのカンナビノイド受容体に作用することで疼痛、炎症、ストレス、不安、睡眠、吐き気、食欲などを改善する作用があります。
CBDが直接CB1やCB2に作用することはほとんどありませんが、AEAや2-AGの分泌量を増加させたり、様々な神経伝達物質の受容体を活性化させたり阻害したりします。
CBDオイルは、植物から抽出されたCBDをココナッツオイルやオリーブオイルなどと混合したCBD製品です。
CBD製品には様々なタイプがありますが、舌下粘膜からCBDを吸収させるCBDオイルは最も広く使用されています。
大麻にはCBDの他にも多くのカンナビノイドが含まれています。そのうちの一つが、大麻の主成分とも言えるTHCで、向精神作用があるために日本では大麻取締法で禁止されている物質です。
しかしTHCは直接CB1やCB2を活性化させる作用があり、鎮痛作用や制吐作用などはCBDよりも強力であるため医療用大麻や嗜好用大麻が合法となる国や地域では、処方薬などの代わりに使用されることもあります。
本記事のテーマである口唇ヘルペスや性器ヘルペスは世界的にも昔から患者が多く、大麻とヘルペスの関連については1970年代から研究が行われてきました。
1980年と1991年、2004年に行われた研究で、THCに抗ヘルペスウイルス効果があることが報告されました。HSV-1もしくはHSV-2に感染した細胞にTHCを投与するとウイルスの増殖が抑制されました。
さらには、1991年の研究ではTHCはHSV-1およびHSV-2への感染率も低下させたとのことです。
また、1970年代の別の研究では、カンナビノイド受容体作動薬を含有するクリームを皮膚に塗布したところ、ヘルペスウイルスによって引き起こされる疼痛の緩和が見られました。
一方で、現在までにCBDやCBDオイルによるヘルペスの治療が行われた正式な記録はありません。
しかし、ヘルペスの症状である炎症や疼痛はECSによって調節されるため、CBDやCBDオイルのみを使用する場合でも皮膚症状を軽減できる可能性は高いです。
また、ヘルペスは免疫の働きが低下している時に発症します。免疫を回復させるために質の良い睡眠を取ることは欠かせません。CBDやCBDオイルには体をリラックスさせて睡眠を改善する作用があります。
そして、CBDやCBDオイルはヘルペスの皮膚症状を治療するとともに、再発を予防できる可能性も高いです。
ヘルペスウイルスによる皮膚疾患の一つに帯状疱疹がありますが、一度発症すると再発することは稀です。ところが、口唇ヘルペスや性器ヘルペスは何度も再発を繰り返し、常に他者へ感染する可能性があります。
特に女性の場合は月経周期でホルモンバランスが変化することで免疫にも影響があるとされています。また、ホルモンバランスの変化は免疫の働きを低下させる要因であるストレスや不安なども引き起こします。
そのため、症状がひどい場合は月経が起こるごとに性器ヘルペスなどを再発する例もあるようです。
CBDやCBDオイルは過剰な免疫の働きによる炎症を抑制する作用が知られていますが、同時に免疫システムの働きを向上させる作用もあるとされています。
日常的にCBDやCBDオイルを摂取してストレスを軽減したり質の良い睡眠を取ったりすることなどで、ヘルペスの再発の原因となる免疫低下の予防に役立てることができるでしょう。
CBDやCBDオイルは不安やストレス解消に効果がある?リスクはない?注意していただきたいのは、ヘルペスと症状が似ている疾患は数多くあります。痛みを伴う水泡や発赤は先述した帯状疱疹や口角炎、薬剤アレルギーなどの可能性もあります。
HSV-1やHSV-2は感染力の強いウイルスのため、早めに医師の診察や検査を受けることは大切です。自己判断でCBDやCBDオイルの使用を開始する前に必ず病院を受診しましょう。
CBDの摂取方法は?ヘルペス治療に役立つ方法をご紹介!
CBDやCBDオイルには様々なタイプがあり、それぞれの摂取方法によって吸収率や発現時間が変わります。
ヘルペスの治療のために使用する場合、CBDオイルを舌下摂取することをお勧めします。舌下摂取は患部に直接触らないため、感染拡大の予防においても有効です。
舌下摂取の利点は、CBDが舌下の毛細血管から直接体内へ吸収されることで効果が現れるまでの時間が短く、吸収率が高いため効果が4〜8時間ほど持続します。
また、疼痛軽減のために皮膚に塗布するCBDクリームやCBDジェルなどのトピカルと呼ばれるものも効果があります。トピカルを皮膚に塗った場合は、全身ではなく塗布した部位のみに効果が現れます。
CBDやCBDオイルに副作用はある?服用時の注意点は?
CBDやCBDオイルは処方薬などと比較して副作用がほとんどありません。
現在までに報告されている副作用には下痢や口渇、強い眠気、食欲の変化などがありますが、容量や用法を遵守する限りはあまり心配しなくても大丈夫でしょう。
しかし、効果の現れ方には個人差があるため、CBDやCBDオイルを摂取した後は口渇を予防するために水分をこまめに摂取するようにしたり、難しい機械の操作や車の運転を避けたりするなど対策を取るようにしましょう。
CBDやCBDオイルに副作用はない?吐き気は?エビデンス付きで解説!また、CBDやCBDオイルは他の薬と同時に摂取すると、他の薬の薬効を増強することがあります。ほとんどの処方薬や市販の鎮痛剤などの代謝に関わるシトクラム450(CYP450)という酵素を阻害するためです。
何か内服薬がある場合や持病がある場合は医師に確認してからCBDやCBDオイルの内服をするようにしてください。
CBDクリームやCBDジェルなどをヘルペスの患部に使用する場合の注意点ですが、水泡の内部の浸出液には絶対に触れないようにしてください。
浸出液にはウイルスが存在するため、もしも水泡が破裂して液体に触ってしまった場合は、手と患部を綺麗に流水で洗浄するようにして感染を予防するようにしてください。
ヘルペスは体液などに直接触れる以外にも体液が付着した物を介して他者へ感染する可能性もあります。したがって、トピカルを塗布する際などに患部に触れる場合は感染対策を十分にお気をつけください。
水泡が破れた場合は、綺麗にウイルスを洗い流すだけでも炎症が軽減することもあります。また、浸出液に触れることを避けるためには患部に触れない方が良いため、トピカルの塗布は行わずに様子を見るようにしてください。
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