エンド・カンナビノイド・システム(ECS)とは?最新研究も紹介!

エンド・カンナビノイド・システム(ECS)とは?最新研究も紹介!

エンド・カンナビノイド・システム(ECS)は私たちの健康を支配していると言っても過言ではありません。CBDやCBDオイルの摂取以外でECSの機能を高めるためにできることや、ECSに効果的な食事、カンナビノイドが含まれる植物などをご紹介します。

エンド・カンナビノイド・システム(ECS)の成分・種類・作用とは?

ECSの働き
私たちの生活環境には様々な種類の「ストレッサー(ストレス要因)」が存在しています。

ストレッサーには熱や音、光などの物理的ストレッサー、薬やタバコ、アルコールなどの化学的ストレッサー、人間関係や仕事、家庭などの心理・社会的ストレッサー、疲労や健康障害などの身体的ストレッサーなどがあります。

人がこのようなストレッサーにさらされた際に、もしもストレスに抵抗する機能が身体になければ人はそのままダメージを受け続け、生きていくことが難しくなってしまいます。

私たちの身体には、エンド・カンナビノイド・システム(ECS)と呼ばれる様々な機能を調節することで常に生体恒常性(ホメオスタシス)を維持することができる仕組みがあります。

ECSによってコントロールされる身体機能には以下のようなものがあります。

  • 睡眠
  • 食欲
  • 体温
  • 代謝
  • 消化
  • 吐き気
  • 緊張
  • 不安
  • 認知
  • 記憶
  • 感情
  • 免疫
  • 疼痛
  • 炎症など

ECSはカンナビノイド(鍵)がカンナビノイド受容体(鍵穴)に結合することよって機能しています。それぞれどのような物質や受容体であるのか以下に詳しく解説します。

カンナビノイド受容体

CB1やCB2などのカンナビノイド受容体は脳や神経、臓器、骨、皮膚、筋肉、血管、眼球、粘膜など全身のありとあらゆる場所に発現します。

カンナビノイド受容体は後述する様々なカンナビノイドが持つ「情報」を、Gタンパク質という特殊なタンパク質にコピーします。そして、情報が伝えられたGタンパク質によって身体の各部位に作用がもたらされます。

CB1は主に脳や中枢神経などに多く、CB2は末梢神経や免疫細胞などに多く発現します。

カンナビノイド

CB1やCB2に結合するカンナビノイドには、体内で分泌されている「エンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)」、植物から抽出される「植物性カンナビノイド」、化学合成された「合成カンナビノイド」があります。

それぞれどのようなような役割があり、またどの受容体に結合するのでしょうか。

内因性カンナビノイド

内因性カンナビノイドは体内で作られて分泌されているカンナビノイドです。

内因性カンナビノイドは1988年にイスラエルの科学者によって発見されたアナンダミド(AEA)と、その後に発見された2-AGの2種類が主に知られていますが、他にも約10種類ほどあることがわかっています。

ここでは代表的なAEAと2-AGを取り上げて解説します。

AEAと2-AGはそれぞれがCB1およびCB2などに結合します。また、AEAと2-AGは同じ受容体に結合しても、違う作用がもたらされると考えられています。炎症を例に見てみましょう。

例えば、免疫細胞(白血球)に発現するCB2に作用して炎症を調節するのは主に2-AGです。

2-AGは炎症が起こった際に「炎症を抑制する」だけでなく、怪我や細菌感染などに対しては必要に応じて身体に「炎症を引き起こす」こともあります。

一方で、AEAがCB2に結合した場合は、免疫細胞の活性化を「抑制する」ことに特化しています。

植物性カンナビノイド

植物から抽出されるカンナビノイドは、内因性カンナビノイドよりも遥か昔から存在が知られてきました。カンナビノイドを含有する代表的な植物はマリファナや産業用大麻などの麻植物です。

初めて麻からカンナビノイドの分離に成功したのは1899年で、そこからさらに様々なカンナビノイドが発見されており、現段階では100種類を超える植物性カンナビノイドが存在することが分かっています。

しかし研究が進められているのは数種類であり、ここでは代表的な植物性カンナビノイドについて解説します。

  • THC(テトラヒドロカンナビノール)
    THCは、麻の主成分ともいえるカンナビノイドです。THCはCB1とCB2ともに結合しますが、CB1の方が結合親和性が高いとされています。

THCは脳のCB1に結合することで精神活性作用や陶酔作用などを引き起こすことが知られています。日本を含む多くの国や地域では、THCを含有する製品や植物の所持・栽培が規制されています。

  • CBD(カンナビジオール)
    CBDはTHCと並ぶ麻の主要成分ですが、CB1やCB2に直接結合することは現段階ではほとんど確認されていません。

CBDはAEAや2-AGを破壊する酵素であるFAAHやMGLを抑制することで内因性カンナビノイドの分泌量を増加させ、間接的にCB1やCB2を活性化させます。

また、CBDはCB1を阻害する作用があります。そのため、THCとCBDを同時に摂取すると、CB1(鍵穴)が塞がれてTHC(鍵)が結合できなくなるため、精神活性作用が抑えられるとされています。

しかし、日本でTHCの摂取が許可されるわけではないため注意が必要です。THC以外の下記の植物性カンナビノイドなどは日本で合法となっています。

  • CBN(カンナビノール)
    CBNは世界で初めて麻から分離されたカンナビノイドです。CBNはCB1とCB2に結合しますが、CB1との親和性はTHCと比較して低く、CB2との結合親和性の方が高いことが特徴です。

CBDと同様に日本で合法となっています。

  • CBG(カンナビゲノール)
    CBGはCB1とCB2との結合親和性が見られていますが、CBDのようにCB1を阻害する作用もみられています。

CBDと同様に日本で合法となっています。

合成カンナビノイド

合成カンナビノイドとは、研究のために植物性カンナビノドの構造を基に人工的に作り出された化学物質です。

合成カンナビノイドは非常に数多く存在し、ナビロンやドロビノール(マリノール)など、いくつかの合成カンナビノイドは治療薬として海外で認可されています。

現段階では世界で最初に合成されたHU-210をはじめJWH-073、AM-2011、UR-144、XLR-11などがあり、現在も新しく作り出されては次々と報告されています。

合成カンナビノイドは内因性カンナビノイドや植物性カンナビノイドと違い、その作用はさらに強いものです。

例えば、植物から抽出されるTHCと同じ作用を持つHU-210は、天然THCの100〜800倍もの作用があるとされています。

また、合成カンナビノイドは植物性カンナビノイドに比べて安価で大量に生産できるため、世界中で違法ドラッグとして出回っています。

合成カンナビノイドが治療薬として使用されているアメリカでは、FDA(アメリカ食品医薬品局)に認可されていない違法の合成カンナビノイドを摂取した人が救急搬送される事例が絶えず、FDAが警鐘を鳴らしています。

日本では例え治療目的であっても合成カンナビノイドの使用は許可されておらず、全て麻薬や危険ドラッグとして位置付けられています。(合成CBDは植物由来のCBDと同様に日本でも輸入や所持が許可されています。)

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CBDが作用するのはECSが影響?ECSに関する最新研究!

CBDとエンド・カンナビノイド・システム(ECS)
CBDはECS(CB1やCB2)への間接的な関与だけでなく、GPR55、TRPV1、5HT-1、GABAaなど、様々な病気の発症や治療に関わる受容体を活性化・阻害する作用があります。

そのため、現段階では治療が難しいとされている病気を治療したり、進行性の病気の悪化速度を緩めたりすることができるのではないかと期待されています。

現在までに報告されているECSやCBDに関する研究をご紹介します。

抗けいれん作用

人の身体は全身に張り巡らされた神経に微弱な電気信号を送ることで情報伝達を行っていますが、その電気信号が何らかの理由で異常に増幅された際に自分の意思とは無関係に筋肉が動いてけいれん発作が起こります。

けいれんが代表的な症状として現れる病気の一つにてんかんがあります。てんかんの原因は様々で、全世代に起こる可能性があります。原因不明の場合や治療薬の効果が見られない難治性てんかんも多くあります。

海外では昔からてんかん患者が医療用大麻を使用することで、てんかん症状が軽減することが知られていました。その作用機序は今でも全ては解明されていませんが、やはりECSが大きく関わっていることがわかっています。

2016年に東京大学の教授らが発表した研究においては、内因性カンナビノイドである2-AGがけいれん発作を抑制し、さらにてんかん発作の頻度の減少にも大きく関与していることが報告されました。

同研究では、体内での2-AGの産生する酵素を持たないマウス、CB1欠損モデルのマウス、CB1欠損モデル、そして健康なマウスの3種類が実験に使用されました。

一部のCB1欠損モデルのマウスには、CB2阻害剤が投与されCB1とCB2の両方が欠損した状態になりました。

けいれん誘発剤によって全てのマウスにけいれんを引き起こしたところ、最もけいれんが起きやすかったのは2-AGを産生する酵素を持たないマウスでした。

その次に、CB1欠損モデルのマウスおよびCB2も阻害されたCB1欠損モデルマウスが同レベルでした。

同研究において、繰り返し自発的なけいれんが引き起こされるモデルのマウスに2-AGを分解する酵素を抑制する物質を投与したところ、けいれん発作回数の減少がみられたことが報告されています。

この研究は数あるてんかんとカンナビノイドの関連を研究したうちの一つですが、この結果からも想像できるように、AEAや2-AGを増加させるCBDにはけいれんを抑制する作用があることがわかっています。

アメリカでは2018年より、CBDを主成分とするてんかん治療薬のエピディオレックス(Epidiolex)が、小児の難治性てんかんの2症例(レノックス・ガストー症候群とドラベ症候群)において処方されています。

エピディオレックスはけいれん発作の回数を劇的に改善したという逸話があります。
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抗腫瘍作用

私たちの身体では毎日新しい細胞が作られています。細胞は遺伝子を複製しながら増殖しますが、中には複製の際に「エラー」が生じることがあり、それがガン細胞となります。

健康な人は、毎日体内でガン細胞が作られたとしてもすぐにマクロファージやナチュラルキラー細胞などの免疫細胞によって貪食されるため、すぐにガンが大きくなるようなことはありません。

しかし、様々な理由で免疫力が低下したり、身体の老化などでガン細胞が蓄積したりすると腫瘍と呼ばれる大きさに成長してしまいます。

ガン細胞には非常に多くの種類があり、種類によっては抗がん剤や放射線療法などの治療法が効かないこともあり、研究や治療法が進化している現代でも治療は簡単なものではありません。

カンナビノイドとガン細胞に関する研究は1970年代から行われており、現段階までにECSの機能やカンナビノイドには抗腫瘍作用があることが示唆されています。

ガン細胞にはCB1やCB2、TRPV1、mGPR55など、カンナビノイドが作用する様々な種類の受容体が発現します。

これらの受容体が活性化されたり阻害されたりするとガン細胞の細胞死を誘発したり、ガンの増殖や転移を予防したりすることが示唆されています。

ただし、まだ細胞レベルの研究であったり、動物実験の段階であったりするものも多いため、人のガン治療に適応されるためにはさらなる研究が必要となるでしょう。

CBDなどが抗がん剤の代わりになるのはまだ先かもしれませんが、海外では現段階でも抗がん剤の副作用である疼痛を緩和したり吐き気を抑制したりするためにTHCやCBDが使用されていることがあります。

抗酸化作用

CBDには体内で活性酸素を発生させる酵素であるキサンチンオキシダーゼ(XO)やNADPHオキシダーゼ(NOX1、NOX2)を抑制する作用があります。

活性酸素はガンや動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病、アルツハイマーなど、様々な病気の原因となることが知られており、CBDの抗酸化作用はこれらの病気などに役立つのではないかと考えられています。

神経保護作用

神経が損傷する理由は様々です。身体の炎症によるものや、活性酸素によるもの、てんかん患者では神経に異常な電気信号が生じることによって神経そのものが損傷されるものもあります。

また、それによってさらに重篤なけいれんが起こるという悪循環が生じます。

代表的な神経変性疾患にアルツハイマー病があります。脳内に異常なタンパク質(βアミロイド)が蓄積することによる酸化ストレスや炎症で神経が損傷し、認知症の原因となる病気です。

アルツハイマーは進行性の病気であり、現段階では薬で進行を遅らせる治療が一般的です。

CBDのもつ抗酸化作用や抗炎症作用は神経をダメージから保護する作用があります。さらには、CBDは脳由来神経栄養因子(BDNF)という神経細胞の成長や形成に欠かせない液性タンパク質を増やすと報告されています。

これらのことから、CBDは神経のダメージを抑制するだけでなく神経を再生できる可能性もあり、アルツハイマー病などの神経の病気の治療に有効ではないかと期待されています。

抗精神病作用

日本は世界で最も精神科の病床数が多く、さらに入院期間も長い国として社会問題になっています。

うつ病や不眠症、社会不安障害、PTSD、統合失調症、双極性障害などの様々な精神疾患は、症状の個人差が大きく治療が難しい病気です。

精神疾患の方は自分に合う薬がなかなか見つからなかったり、最初は効果を感じても薬剤耐性ができて内服量を増やさなければならなかったりと問題が多くあります。

脳や中枢神経に多くのCB1が発現するECSの機能は、精神疾患にも大きく関わっています。

不安や記憶を司る脳の扁桃体や海馬という部位にはCB1が多く発現し、AEAによってCB1が活性化すると恐怖や不安の記憶が緩和されるとされています。

また、CBDには「幸せホルモン」として知られているセロトニン受容体(5-HT1)を活性化したり、様々な診療科で処方される睡眠薬(エチゾラム)と同じ作用であるGABAa受容体へ作用したりします。

ECSや多くの受容体に作用するCBDは様々な精神疾患の治療に適応されることが期待されています。

注意
ここまでECSの研究をもとに解説してきましたが、医師の診察を受けずに現在の研究結果だけを過信して、個人の判断でCBDやCBDオイルを摂取することはやめましょう。気になる症状がある方は、必ず近くのかかりつけ医に相談するようにしてください。

ECSが原因?現在判明しているカンナビノイドに関する病気

激しい痛みがあるにも関わらず病院で検査をしてもどこにも異常がない、原因がはっきりとわからないがずっと体調が悪い、診断方法もない、治療を行っても効果がない、といった病気はいくつも存在します。

これらの病気は長い間、心因性のものとされてきましたが、現在では「カンナビノイド欠乏症」によりECSが機能していないことに起因しているのではないかと考えられています。

カンナビノイド欠乏症になると「鍵穴」があっても「鍵」がなくなるため、ECSは作用しなくなってしまうわけですが、具体的にどのような病気になるのでしょうか。

カンナビノイドは全身のCB1やCB2に作用すると解説した通り、それが機能しないとなると全身のどこかしらに影響が出やすくなります。

人によっては、アレルギーがひどくなった、皮膚湿疹が治らない、風邪を引きやすくなった、ぐっすり眠れない、などの軽度の症状かもしれません。

また、上で紹介したようなガンやアルツハイマー病など、ECSを活性化することで改善が期待できる重篤な病気は、発症の要因がカンナビノイド欠乏症ではないとは断言できないでしょう。

現段階でカンナビノイド欠乏症によって引き起こされている可能性が高いと考えられているのが、偏頭痛、線維筋痛症、過敏性腸症候群です。

実際に、これらの病気を抱えている人の脳脊髄液中の内因性カンナビノイドの量を測定すると、健康な人と比べて優位な差があることが分かっています。

カンナビノイド欠乏症になる要因は特別なものではなく、加齢や栄養不足、ストレスなどがあります。そのため日常的に意識して予防していくことが大切です。

実は麻以外の植物にも含まれています!カンナビノイドを含む植物一覧

麻は他の植物と比べてカンナビノイド含有量が高いため、植物性カンナビノイドの抽出に高頻度で使われますが、カンナビノイドを含む植物は麻以外にもいくつも確認されています。

ひまわり

日本のひまわりにはカンナビノイドは含有されていませんが、南アフリカ原産のヘリクリサムという種類のひまわりにはCBGが含まれています。

エキナセア

エキナセアは免疫力を高め、炎症を抑制する作用があるサプリメントとして日本でも人気がある植物です。エキナセアにはN-アルキルアミド(NAAs)というカンナビノイドが含まれています。

NAAsはCB2を活性化するカンナビノイドです。

コケ

近年ではコケからもカンナビノイドが抽出されています。ニュージーランドのコケからはペロテチネンという既存のカンナビノイドが抽出され、ビベンジルという新たなカンナビノイドも発見されました。

ビベンジルはTHCのような作用があるということです。

また、日本のコケからはビベンジルの他にイソペロッテチンAという新たなカンナビノイドが分離されており、こちらもTHCと同様の作用があるということです。

黒トリュフ

黒トリュフにはAEAが含まれており、免疫の調節や抗がん作用があることがわかっています。

カカオ

カカオはチョコレートの原料として知られていますが、近年欧米では「神様の食べ物」として加熱処理がされていないローカカオが注目されています。

カカオにはAEAが含まれている他に、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄分、ポリフェノール、カテキン、PEA(フェニチルアミン)、ビタミンCなど様々な栄養素が含まれています。

自分の力でECSの機能を高めよう!おすすめの方法4選

ECSの機能を高めるには、食事、運動、体重コントロール、リラックスの4つが重要になります。

食事

ECSの機能を高めるということは、即ち内因性カンナビノイドの分泌量を増やすこと、そしてカンナビノイド受容体の発現を促進することです。

ECSのために「古代の人間の食生活」のような消磁をすることが効果的です。農耕が発展する以前の私たちの祖先は、狩猟や採集によって食料を確保し、低糖質・高脂質な食生活を送っていました。

食料不足や病気、危険な動物との遭遇、激しい身体活動など、現代よりもトラウマになる要素が多い過酷な環境を生き抜かなければなりませんでした。

そのためには、脳のCB1が活性化されることで恐怖や不安を緩和されたり、エネルギーを効率よく使うためにエネルギー代謝が調節されたりと、すでにECSは生きる上で重要な機能だったのではないかと考えられています。

意識すれば意外と簡単?スパイスを駆使して食品からカンナビノイドを高める!

内因性カンナビノイドの分泌量を増加させるには、肉や卵、乳製品などに含まれる脂肪酸である「アラキドン酸」の摂取が効果的です。

そして、魚やくるみ、エゴマオイル 、亜麻仁オイルなどに含まれる「オメガ3脂肪酸」を摂取するとCB1受容体の発現が促進されるといわれています。

また、様々な種類のスパイスや香りの強い葉野菜を食べることでCB2が活性化されるといわれています。スパイスや野菜には香りの素となるテルペンやフラボノイド、ポリフェノールといった様々な化合物が含まれています。

その一例として、黒胡椒やローズマリー、オレガノ、シナモン、クローブなどに含まれる「β-カリオフィレン」があります。β-カリオフィレンはカンナビノイドと同じようにCB2を活性化する作用があります。

そして、食生活で注意すべきは現代の食事で多い炭水化物や砂糖、アルコール、オメガ6脂肪酸、食品添加物などの過剰摂取がECSを低下させてしまうということです。

運動

近年の研究で、運動後に感じる高揚感(ランナーズハイ)は内因性カンナビノイドによるものが大きいと言われおり、運動をすることで内因性カンナビノイドの分泌量を増加させることができます。

内因性カンナビノイドを増やすのに効率的な運動は、20分以上の「ややきつい強度の運動」とされています。

ウォーキング程度や全力疾走でも運動にはなりますが、内因性カンナビノイドの分泌に関しては運動が軽すぎてもハードすぎてもあまり効果がありません。

少しきついと感じる程度の速度でジョギングを20分ほど続けると効果があるでしょう。

体重コントロール

肥満はECSの機能を低下させる生活習慣病の原因となります。適正体重を維持できるように、食生活や運動習慣を見直しましょう。

また、急激な体重変動もホルモンバランスが崩れて生理が止まるなどの悪影響があります。体重コントロールのためにダイエットをするにしても、極端に食事を減らして急激に体重を減らすようなことはしないようにしましょう。

ストレスコントロール

ストレスにさらされると、内因性カンナビノイドを破壊するFAAHが活性化するため、内因性カンナビノイドの量が減少しECSの機能が低下します。そのため、日常的にストレスを溜めないようにすることが大切です。

ストレスを軽減するのに特に効果的なのはヨガや瞑想、呼吸法などです。それ以外にも、散歩や軽い運動、料理、趣味など、自分なりにストレスを解消できる方法を持っておくことが大切です。

ストレス解消法が飲酒や喫煙、暴食などであっては逆効果になりかねませんので注意しましょう。

カンナビノイドの販売・購入についての疑問に答えます!

カンナビノイドが心身に良い効果があることが分かると、実際にカンナビノイドを摂取してみたい、またカンナビノイドを含有する製品を販売するビジネスに興味が湧いたという方は少なくないでしょう。

カンナビノイドを含有する製品で、最も代表的なものはCBD製品です。近年では日本でもCBDやCBDオイルなどが広く認知されるようになり様々なブランドが誕生しています。

ここでは、CBD製品の販売方法や購入方法について解説します。

CBD製品を販売したい方

CBDの原料は日本ではほとんど産生されておらず、全て海外から輸入されています。

日本でCBD製品を販売するためには、海外で製品化されたCBD製品を輸入してそれを販売するか、もしくはCBDの原料を輸入して日本の工場で製品化することになります。

カンナビノイドは様々な食品や植物に含まれていることを説明しましたが、最も多く含まれているのは麻であり、現在販売されているCBD製品やCBDの原料はほとんどが麻から抽出されたCBDを使用しています。

CBD製品を販売する上で最も気をつけなければならないことは、原料やCBD製品を輸入・販売する際に、日本で禁止されているTHCを含有していないことを確認することと「大麻」として判断される製品を避けることです。

日本では大麻取締法の中で、CBDやCBDオイルなどの輸入に関する手続きが定められています。

日本で「大麻に該当しない」CBDとは、麻の「茎または種子」から抽出されたものに限ります。それ以外の麻の花、葉、枝、根などから抽出されたCBDは例えTHCを含有していなくても「大麻に該当する」と判断されます。

そのため、CBDを輸入する方は原料や製品がTHCを含んでいないだけでなく、それが大麻のどの部分から抽出されたCBDであるかという点にも注意が必要です。

CBDの輸入を申請する方は、以下の3種類の書類を海外のCBD製造元に準備してもらい、厚生労働省の麻薬取締部に提出する必要があります。(「CBDオイル等のCBD製品の輸入を検討されている方へ」より抜粋)

  • 証明書:「大麻草の成熟した茎または種子から抽出・製造されたCBD製品であること」を証明する内容の文書
  • 成分分析書:輸入しようとするCBD製品の検査結果が記載された分析書
  • 写真:CBDの原材料および製造工程の写真

これらの書類を提出後に厚生労働省が「大麻に該当しない」と判断したCBD製品のみに対して輸入が許可されます。

ただし、輸入後に行われる国内での最終的な製品検査でTHCを含有することが発覚した際には、大麻取締法違反により処罰対象になる可能性があります。

大麻の輸出入は世界的に禁止されているため、一旦輸入したCBD製品は輸出元に送り返すこともできません。CBD製品を個人で輸入して販売することは常にリスクがあることを覚えておきましょう。
CBDやCBDのオイルのおすすめOEMサービスの特徴や注意点は?CBDやCBDのオイルのおすすめOEMサービスの特徴や注意点は?

CBD製品を購入したい方

CBD製品は全国のドンキホーテやベイプ専門店などの実店舗やCBDカフェなどで販売されているほか、オンラインショップでは非常に多くのラインナップの中から好みのCBD製品を見つけることができます。

CBD製品を購入する際にも、CBD製品にTHCが混入していないことをしっかりと確認しましょう。

そのためには「THCフリー」というパッケージの記載を見るだけでなく、第三者機関による成分分析書が公表されている製品を選択しましょう。

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