CBDV(カンナビジバリン)とは?
CBDV (カンナビジバリン) は、構造的にはCBD (カンナビジオール)に似ています。
CBDと同様に、大麻植物に見られるすべての主要なカンナビノイドの前駆体であるCBGA(カンナビゲロール酸)の誘導体です。
CBDVはCBDよりも側鎖が短く、構造内の炭素原子が少ないのが特徴です。 具体的には、CBDVには炭素が3つあり、CBDには炭素が5つあります。 このわずかな構造の違いが、体への影響の違いに関係しています。
CBDV(カンナビジバリン)は、CBDと同様に、大麻とヘンプ植物の両方に見られる天然のカンナビノイドです。 ただし、CBDVは通常、THCやCBDなどの他のよく知られているカンナビノイドよりも低濃度で麻植物に見られます。いわゆるレアカンナビノイドの一種になります。
CBDVは身体でどのように作用する?
ECS(エンドカンナビノイドシステム)とは、体内のさまざまな生理学的および認知プロセスの調節において重要な役割を果たす複雑な細胞シグナル伝達システムです。 ECSが機能する方法の1つは、体と脳全体に見られるカンナビノイド受容体を活性化することです。
一方、TRPチャネルは、神経細胞を含む多くの異なる細胞タイプに見られるイオンチャネルのグループです。 それらは、痛みの知覚、体温調節、炎症など、多くの生理学的プロセスの調節において重要な役割を果たします。
CBDVは、体内のECSチャネルとTRPチャネルの両方と相互作用すると考えられており、私たちの身体へ影響を与えています。
CBDVの効果効能とは?
CBDVの効果効能に関する研究はまだ限られていますが、以下の効果効能が潜在的に示唆されています。
抗けいれん効果
2013年にアメリカで発表された論文では、マウスとラットを使った実験で、CBDVが抗けいれん効果があることが示されています。
これらのような研究から、CBDVはてんかんの治療にも役立つ可能性が高いとされていますが、これらの効果が人間に適用されるかどうかに関してはさらなる研究が必要です。
自閉症スペクトラム
2019年にジャーナル「Translational Psychiatry」に掲載された論文では、CBDVが脳の主要な興奮性代謝物であるグルタミン酸レベルに影響を与える可能性があることがわかりました。
CBDVとCBDの違い
CBDVとCBDの違いは大きく3つあります。
1つ目は先に述べましたが、その構造上の違いです。CBDは炭素が3つあるのに対してCBDVは5つです。そのわずかな構造上の違いが体への影響に関係しています。
2つ目は希少性の違いです。CBDVはCBDに比べて麻に含まれる量がとても少なく、CBDVのみを採ってその効果を調べるのには大きな費用がかかります。そのためCBDVの研究が限られているのです。
3つ目はその効果効能に関してです。CBDとCBDVの両方が、抗炎症、鎮痛、および抗けいれん効果を含む潜在的な治療上の利点があることが示されています。
ただし、CBDVには、CBDとは一線を画す独自の特性があることも示されています。
例えば、一部の研究では、CBDV が発作や震えの軽減に特に効果的であり、てんかんやパーキンソン病などの症状の治療に役立つ可能性があると言われています。さらに、CBDVには吐き気予防と食欲増進効果がある可能性があり、化学療法による吐き気や嘔吐などの症状の治療法になるとも言われています。
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